Lexis判例速報のバックナンバー
2006/08/10発売号 (8月号)

Lexis判例速報



■Lexis判例速報の目次

注目判決動向
2006年6月7日-2006年7月21日

連載 裁判例総覧
第10回
第2 ゴルフ場の営業譲渡をめぐる裁判例(2)
升田 純

新連載
US Case Studies 第1回
―最新アメリカ判例・裁判情報
日本の弁理士との書面が秘匿特権に該当するとしてディスカバリーでの開示を免れることを認めた連邦地方裁判所判決
―Eisai Ltd. v. Dr. Reddy’s Laboratories, Inc., 406 F. Supp. 2d 341 (2005)―
関西学院大学米国判例情報研究会
(監修)丸田 隆

米国注目訴訟
コーポレート・ガバナンス関連/檀 柔正・安達 理
知的財産関連/岩瀬吉和
クラスアクション関連/中野雄介

判例解説
[民・商事]
升田 純
○病院内における患者のMRSA感染症の発症につき医師が抗生剤を投与する等の治療をするに当たって、狭域の細菌に対して抗菌力を有する抗生剤である第3世代セフェム系の抗生剤を投与すべきでなかったのに、これを投与したことにより、患者にMRSA感染症を発症させた過失、MRSA感染症が発症した時点でバンコマイシンを投与すべきであったのに、これを投与しなかったことにより、患者のMRSAの消失を遅延させた過失、多種類の抗生剤を投与すべきでなかったのに、これを投与したことにより、多臓器不全等を発症させた過失を否定した控訴審判決が破棄された事例(最高裁平成18年1月27日第二小法廷判決)
○成人に間もなく達する非行少年の不法行為につき親権者の監督義務違反による不法行為責任が否定された事例(最高裁平成18年2月24日第二小法廷判決)
○1 貸金業法施行規則15条2項のうち、同法18条1項1号から3号までに掲げる事項の記載に代えることができる旨定めた部分は、内閣府令に対する法の委任の範囲を逸脱した規定として無効と解すべきである
2 期限の利益喪失特約のうち、支払期日に制限超過部分の支払を怠った場合に期限の利益を喪失するとする部分は、利息制限法1条1項の趣旨に反して無効であり、この特約に基づいて支払われた利息は、貸金業法43条1項所定の任意の支払に当たらないとされた事例
(最高裁平成18年3月17日第二小法廷判決)
○現況道路として使用されている土地を所有者等が工作物を設置し、通行を妨害した場合において、その所有者がその土地を建築基準法42条2項所定のみなし道路であることを否定する主張をすることは、周辺の建物所有者等との関係で信義則上許されないとされた事例(最高裁平成18年3月23日第一小法廷判決)
○自家用自動車総合保険契約の記名被保険者の子が胎児であった時に発生した自動車事故により出生後に傷害を生じ、後遺障害が残存した場合については、同契約の保険約款上の記名被保険者の同居の親族に生じた傷害及び後遺障害に準ずるものとして、子は保険金の請求をすることができる(最高裁平成18年3月28日第三小法廷判決)
○交通事故の被害者が自動車損害賠償保障法16条1項に基づき保険会社に対して損害賠償額の支払を請求する訴訟において、裁判所は、同法16条の3第1項所定の支払基準によることなく損害賠償額を算定することができるか(積極)(最高裁平成18年3月30日第一小法廷判決)
○1 建築会社が顧客の所有土地の一部を売却して建築資金を調達することを前提として土地全部を敷地とする建物の建築を計画した場合において、建築会社が顧客に対して建築基準法に関する事項等の説明義務違反が認められた事例
2 前記計画を前提として銀行が顧客に対して建築資金を融資した場合において、銀行が顧客に対して建築基準法に関する事項等の説明義務の余地がないとした控訴審判決が破棄された事例
(最高裁平成18年6月12日第一小法廷判決)
○中小企業等協同組合法に基づき設立された信用協同組合の商法所定の商人性(消極)(最高裁平成18年6月23日第二小法廷判決)
○児童養護施設内における児童虐待を内容とするインターネット上の電子掲示板の書き込みが名誉毀損に当たるとされた事例(さいたま地裁平成18年1月20日判決) 85
○軽自動車が走行中にエンジンルーム内から出火した事故につき、エンジンルーム内にあった異物が走行中に車体下部から入り込んだとは認められないとされた事例(名古屋地裁平成18年2月24日判決)
○旅行業者が主催した海外旅行に参加した旅行客が外国の入国審査において入れ墨を理由に入国を拒否されたことにつき、旅行業者の入国審査体制等の説明義務が認められ、旅行契約上の債務不履行責任が肯定された事例(京都地裁平成18年3月28日判決)

[民事手続]
慶應義塾大学民事手続判例研究会
(監修)三木浩一
○交通事故による被害車両の休車損を証拠上認定することは困難であるとして、民事訴訟法248条により、原告の所有車両中、目的用途等を同じくする中長距離用大型車12台の過去4か月分の総売上金額の5割が人件費総額と仮定して、売上粗利益から人件費総額を控除し、1日当たりの平均収益1万3000円を休車損と認定した事例(名古屋簡裁平成18年4月11日判決)

[国際民商事]
渡辺惺之・北坂尚洋
○原告会社の外国子会社の元役員が日本に出張した直後に競業外国会社に転職し、日本出張の際に取得した原告会社の営業秘密に属する情報を転職先で開示したため、その後の入札取引でその転職先会社の関連日本会社が落札することになったとして、外国在住の元役員を被告として不正競争防止法に基づき提起した損害賠償請求訴訟について、我が国に不法行為地の国際裁判管轄を認めるべき事実の証明がないとして却下した事例(大阪地裁平成16年2月5日判決)
櫻田嘉章
○米国ジョージア州港湾局の日本代表部職員の解雇による解雇無効確認等請求訴訟について、外国国家に対する主権免除の場合に当たるとしながら、制限免除主義に基づいて、雇用契約は本来主権的行為に属さないとして、主権免除を認めず、また、送達も法廷地法によるものとした事例(東京地裁平成17年9月29日中間判決)
―速報―
○1 外国国家は、主権的行為以外の私法的ないし業務管理的な行為については、我が国による民事裁判権の行使が当該外国国家の主権を侵害するおそれがあるなど特段の事情がない限り、我が国の民事裁判権から免除されない
2 外国国家は、私人との間の書面による契約に含まれた明文の規定により当該契約から生じた紛争について我が国の民事裁判権に服することを約した場合には、原則として、当該紛争について我が国の民事裁判権から免除されない
3 外国国家の行為が、その性質上、私人でも行うことが可能な商業取引である場合には、その行為は、目的のいかんにかかわらず、特段の事情がない限り我が国の民事裁判権から免除されない私法的ないし業務管理的な行為に当たる
(最高裁平成18年7月21日第二小法廷判決)

[税法]
立命館大学税法判例研究会
伊川正樹
○地方税法701条の34第4項の規定によって非課税となる防災に関する施設又は設備の範囲(仙台高裁平成18年3月16日判決)
奥谷健
○PHS回線とNTTの電話を相互接続するエントランス回線に関するものとして原告が取得した譲渡財産及び当該エントランス回線1回線あたりに支払われる設備負担金が法人税法施行令133条に規定する少額減価償却資産に該当するとされた事例(東京高裁平成18年4月20日判決)
○軽油引取税の納入義務を免れるために、ダミー会社の名義を使用して軽油を輸入・譲渡したように装ったとして、軽油引取税を申告納付すべき者が別にあると認定された事例(名古屋地裁平成18年3月23日判決)
大森健
○相続税財産評価基本通達において倍率方式が採用されている土地につき、固定資産価格が過大評価されていたため、過納付相続税相当額を相当因果関係ある損害として認定した事例(横浜地裁平成18年5月17日判決)

[知的財産権]…侵害訴訟
上沼紫野
○メタタグにおける文字列の使用が商標としての使用にあたるとされた事例(大阪地裁平成17年12月8日判決)

[知的財産権]…著作権等
小倉秀夫
○江戸時代の浮世絵を模写して作成した絵画について、著作物性を否定した事例(東京地裁平成18年5月11日判決)



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