第17回 UOMO 編集長 岩瀬朗さん

- 「40にして惑わず」とは孔子の言葉ですが、現代の悩み多き40男にはなかなか到達できない境地ですね。この雑誌が提案するように、身近なお洒落にちょっと気を配ってみましょう。惑いは承知の上での華ある生活提案です。
・・・イタリアを避けて通れないのかなあと思いますね(笑)。
イタリアブランドの物の良さに加え、イタリア人自身がファッションを楽しむということをよく分かっているんです。トラディショナルな教条主義でもなく、そこにはルールはあるんだけれど上手に自分なりに理解してそれを楽しんでいる。イコール人生を楽しんでいるといった風にも見えるんですよ。
私もショーを観に毎シーズンミラノへ行きますが、それははっきり感じることができます。日本人はそんなライフスタイルに憧れますね。
――ファッションブランドとのコラボもよくされますか。
はい。この10月号ではブルネロ・クチネリさんとのコラボをやりました。
不況でモノが売れない時代ですが、クチネリは着実に売り上げを伸ばしている。やはりモノがしっかりしていて嘘がないということに、しっかり顧客はつきますね。今回は伊勢丹さんと共同でイベントもやったのですが、大成功を収めることができました。
これもイタリアの職人らしいといえると思うのですが、彼は地元の職人を保護し、村おこしをしながらしっかりしたブランドを維持しています。リーマン・ショックでダメージを受けた強欲資本主義とは正反対の、地元密着型の丁寧なものづくりに賛同する人が多いんだと思います。
――雑誌づくりでも学ぶことが多いですね。

ページを並べながらl構成を確認する

校了紙でもこれだけのアカが入る
そうですね。私は雑誌ってやはり夢を見せるものだと思っているんです。
だからその夢を読者とともに追いかけるようなことをやっていきたいですね。そのためにビジュアルには特に気を遣っています。ファッションページは担当者とアートディレクターたちとでつくりあげていくのですが、写真の選び方には本当に気を遣っています。
――創刊当時から変わってきたことはありますか。
スキンケアのニーズが高まりました。これは創刊当初からいつか来るぞと言われていたのですが、ようやくブレイクし始めた感じです。
さっきも言いましたが、やはり見た目の重要性が高くなっているのだと思います。見た目の清潔さ、品のよさなどが仕事をする上で重要な要素になっているということです。
――広告部の要請などはどのくらい聞くのですか。
これはもう一心同体(笑)。タイアップも編集も混在しているページづくりになっています。
でも編集ページだからよくてタイアップだからダメということはぜんぜんありません。むしろタイアップのほうに反響が大きかったりすることもあるくらい。
世代的にブランド好きが多いので、広告も自ずとそういう傾向が多いのですが、編集ページでは必ずしも高額なものだけを取り上げているわけではありません。
一般的な企画では、やはり近頃の景気の悪さを反映してか家の中を扱うものが増えています。インテリアやキッチンなどですね。私自身が料理好きといったことがあるのかもしれませんが(笑)。
――webもリニューアルされました。
はい、ことしの2月に新装オープンしました(http://webuomo.com/top/)。これは編集部とは別の部署でつくっていて、 eコマースなどもやっています。独立したチームでオリジナル・コンテンツをつくり、これからいろんな展開をやっていきます。
――週刊誌時代と比べて忙しさはどんな感じですか。

香りに気を遣う編集長のデスクにある香水
週刊誌をやってるときのほうが楽でした(笑)。でも充実しています。
午前中には社に来て事務作業をこなし、昼は展示会めぐり、夜は打ち合わせを兼ねた会食などが多く、たいていそれで1日が終わってしまいます。校了時はギリギリの進行になるので徹夜作業になったりもします。
月1回の会議でファッションも含めた全テーマを出し合います。それに沿って動いていくのですが、私自身はファッション雑誌のマンネリ化を防ぐ意味でも、全然違う世界を覗いてそれをページにしたりしています。いま連載中の佐藤可士和さんの対談企画やアートの企画などがそうです。
でも、やはりできれば雑誌づくりも私生活も、「上品」「キレイめ」「ちょっと華あり」をモットーにしていきたいものですね(笑)。
(2009年9月)







