第3回 COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)   編集長 古賀義章さん

この雑誌
全世界1000以上のメディアから配信されるニュースを独自の視点で捉えなおし、多様性を軸に、見やすくわかりやすく編集された国際ニュースの”セレクトショップ”。業界にもファンの多い雑誌です。

COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)表紙

■この雑誌の最新号■

COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)表紙

定期購読バックナンバー

COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)
10%OFF プレゼント付き
一冊定価:780円
発行間隔:月刊
発売日:毎月25日
出版社:講談社
編集長プロフィール
講談社
COURRiER Japon編集長 古賀義章さん
編集長写真
こがよしあき 1964年、佐賀県生まれ。編集者。1989年、講談社入社。
週刊現代、フライデーを経て、01年渡仏。04年、クーリエ・ジャポン編集長に就任し、同誌を立ち上げる。98年、火山災害をテーマにした写真集「普賢岳OFF LIMITS」(平凡社)、00年、オウム事件をテーマにした写真集「場所-オウムが棲んだ杜」(晩聲社)を発表。

[ 1 | 2 ] 次へ

雑誌ジャーナリズム受難の時代だからこそ、編集者の仕事が重要になっている

――i phoneでも記事が読めるようになりましたね。

ええ。雑誌のプロモーションの一環として、この2009年3月号からサービスを開始したのですが、2か月間やってみて、無料ダウンロードが3万ほど、有料が1000件ほどですね。まあまあ好調だと思います。5%の人が海外で見ていることも分かりました。

――フランスの「クーリエ・アンテルナショナル」との提携雑誌ということですが、どういう経緯で日本版を出すことになったのですか?


クーリエ・アンテルナショナルはフランスで
「クーリエ・アンテルナショナル」はフランスで
発行されている週刊誌だ

講談社の100周年記念で、オンリーワン・マガジンをつくろうと、その企画の社内公募があって、それにアイディアを応募したのがきっかけです。いままでにないコンセプトをもった国際ニュース誌をつくりたかった。

最初は「ジャナゲン(「ジャーナリストの現場」の略称)」 という名前のプロジェクト名でした。会社に企画を出して、それから取材でバグダッドにいってたときに 「新雑誌のダミーつくっていいよ」 というOKが出た。バグダッドのインターネットカフェで知ったんですよ。嬉しかった。それで、私がかつて「パリマッチ」誌で研修させてもらってた経緯もあり、 友人もいたフランスの「クーリエ・アンテルナショナル」と交渉したのです。

「クーリエ・アンテルナショナル」とは、厳密に言うと、コンセプト提携なんです。 あの雑誌はフランスでは25万部も出ている有名な週刊誌で、 世界中の新聞や雑誌の記事が読めるようになっている。 ただ、コンセプト提携ですので、フランス側に掲載されている記事 をそのまま翻訳してのせるということではありません。世界1500メディアの記事のなかから、クーリエ・ジャポンが独自に 記事を選び、個々にその媒体にあたり、版権交渉をしています。

――フランスに留学されていたのですか?

社の海外研修制度を利用して、フランスの出版社などで研修をしました。

ちょうどユーロが解禁になって、ヨーロッパの中心的役割がフランスでしたので。また、私は旅が好きなので、パリにいると、中東へもアフリカへも出やすいかな、と思って。フランス語は大の苦手だったのですが、フランス語の学校へ通って、一生懸命できるフリして(笑)、「パリマッチ」の編集長にレターを送って、自らパリに出向き、友人に電話してもらって、「パリマッチ」の編集部に潜り込んだんです。

――パリにはどのくらいおられたのですか?

1年です。家族も連れていきました。学ぶことが多かったし、楽しかったです。休日は自宅に子供の友人の家族を招いたりして、異文化交流会の日々です。

これらは「クーリエ・ジャポン」をやる上でおおいに役立ったと思います。それは、いろんなコネクションができた、ということに加え、「外から日本を見る視点」の必要性に気づいたということです。外国人が見る日本の姿は、いまの「クーリエ・ジャポン」にも反映されています。価値の多様性に気づかせてくれたのも、パリでの体験があったからだと思います。

――もとからジャーナリスト指向でした?

写真家としても評価の高い編集長の著書
写真家としても評価の高い編集長の著書

というより、旅が好きだったんですね。大学のときも、インドやチベットを放浪したり、カナダでスノーボードやったり・・・。

講談社に入りたかったのは「デイズ・ジャパン」をやりたかったから。グラフ・ジャーナリズムとでもいうべきものなのですが、でも、入ったらその雑誌がなくなっていた(笑)。同じような雑誌、たとえば「マルコポーロ」や「Bart」「Views」みんな休刊になってしまった。時代を感じますね。いまは「月刊プレイボーイ」までなくなってしまった・・・。

入社f後、私は「Friday」編集部に配属になり、オウム事件や、普賢岳事件を取材、写真で伝えることの面白さにめざめ、写真を撮り始めたのです。おかげさまで写真作品は木村伊兵衛賞の最終候補にまで残りました。

こんな体験も、いまの仕事に役立っているのだと思います。多くのすぐれた写真家と仕事ができましたから。

――いまやインターネット上では世界のニュースがほぼタダで読めますが、「クーリエ・ジャポン」のような雑誌にとって、これはどういう影響を与えるのでしょう?

ネット社会では膨大なナマの情報が氾濫していて、読者が単にキーワード検索をしても、正確な情報にたどり着けない恐れがあります。やはり、それぞれの情報には目利きである編集者が必要で、そういった編集者の目を通して、読者はしっかりした内容の情報を手に入れるのだと思います。こういった時代だからこそ編集者という仕事はもう一度見直されるべき だと考えます。

それと、やはり紙とネット上のデジタル記号の世界とでは信憑性、信頼性にまだまだ大きな差があると思います。紙はいったん刷られてしまえば訂正がききませんから、やはり信頼度が高いわけです。しかし、雑誌は読者のそういったニーズにしっかり応えられなければ、存在が危うくなるのかもしれません。

――愛読者の多くは「クーリエ・ジャポン」のクールな佇まいを褒めますが、つくる上で、気をつけておられることは?

社内でもひときわ広い編集部
社内でもひときわ広い編集部

持っていて、カッコいい雑誌でありたい、と。

中身は当然ですが、外見も大事です。デザインはもちろんですが、背表紙が見えるようにして、自宅の本棚に並べてもらえるような工夫をしたり、紙も特別なものをつかったりして、ちょっと日本の雑誌じゃないような見せ方を・・・(次頁へ続く)

[ 1 | 2 ] 次へ

編集長の愛読誌

1. The New York Times Magazine
The New York Times Magazine
ポピュリズムに左右されず、わが道を行く、なんとも羨ましい雑誌。内容もデザインもズバ抜けている。
2. D Donna di La Repubblica
D
イタリアの女性週刊誌。ルポルタージュもある硬派な雑誌で、写真のクオリティがいい。
3. ナンバー(文藝春秋)
ナンバー表紙
手作り感がいい。写真の質やデザイン性も高い。
4. Pen(阪急コミュニケーションズ)
Pen表紙
隔週でワンテーマ。よくネタが続くと感心させられます。
5. 週刊新潮(新潮社)
週刊新潮表紙
あまり時流に迎合しない独自の”角度”がいい。最も週刊誌らしい週刊誌かな。


このページのTOPへ

COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)の最新号

COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)
COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)表紙
10%OFF プレゼント付き
一冊定価:780円
発行間隔:月刊
発売日:毎月25日
出版社:講談社
定期購読
バックナンバー

■最新号の目次

□ 2012/01/25発売号 (現在発売中の号)
クーリエ・ジャポン 3月号の主な内容

★巻頭特集:人生を豊かにする「脳」の使いかた
 ずば抜けた才能を持つ人もそうでない人も、脳の基本構造は変わらない。
 そして最先端科学で解明されつつある脳のメカニズムを理解すれば、
 記憶力や発想力のパフォーマンスをいまよりずっと高めることができる。
 より豊かな人生を送るために、眠れる才能を“覚醒”させるメソッドを学ぼう。


1.“ひらめき脳”の作りかた
 たいしたアイディアが出てこない不毛な「ブレスト」はもうやめよう!
2.“ポジティブ脳”で成功する
 学力も才能も寿命ものびる!科学が証明した「楽観主義」の力
3.“記憶力”は鍛えられる
 たった1年で「記憶の超人」になる全米チャンピオンの“究極の脳トレ”
4.ニューロマーケティング最前線
 名だたる企業がこぞって「脳科学」に夢中になる理由
5.“強い意志”を身に付ける
 なぜダイエットは難しいのか?その秘密は「決断疲れ」にあった…and more!


★「ウェブの未来」を賭けた戦いが始まった
 フェイスブックの精鋭部隊3000人に対し、グーグルは総勢3万人。
 “ソーシャル=人間関係”を中心に再構築される、
新たなデジタル世界の覇者となるのはどちら!?


★「ポスト金正日」の北朝鮮
 最後の冷戦を抱えた朝鮮半島情勢は、金正日の死亡によってどう変化していくのか?
 弱冠29歳の“後継者・金正恩”が率いる北朝鮮がどのような道を歩むのか占う。


本誌連載「アラサー女子の年金計画」拡大版
★素人投資家がドバイを行く!
 “世界をリードする未来都市”か、それとも“砂上の楼閣”か――。
 爆発的な成長を遂げ、バブル崩壊も経験したドバイの現在を現地取材。


★世界が見た NIPPON
 “失われた20年”は真っ赤な嘘だ! 日本社会は米国よりも「これだけ豊か」
 日本はポピュリズムの国になるのか… 「橋下市長」の誕生が意味するものは
 “カジノ解禁”が復興の特効薬になる!? 世界が狙う日本の「ギャンブル市場」
 市民に恐怖を与えるロシア警察よ、日本の「お巡りさん」を見習え!…and more!


★WORLD NEWS HEADLINE〜クーリエでしか読めない世界各国のストーリー〜
INDIA:インド最強企業「タタ財閥」 43歳の次期経営者の手腕
VIETNAM:インフレ率はアジア最悪 ベトナム「成長神話」の陰り
SOUTH KOREA:「国際養子の数を減らせ!」 経済大国になった韓国の挑戦
CHINA:視聴率ランキングは禁止! “社会主義的”テレビ改革とは
NORTH KOREA:なるほど、労働新聞 〈新連載の著者は日本人〉
EGYPT:“アラブの春”から1年・・・ メディアの民主化は遠かった
GERMANY:ドイツとの新たな歴史を・・・ 在独ユダヤ人新聞の“挑戦”
ITALY:イタリア財政危機で高まる 「南チロル」分離要求の声
RUSSIA:“ロシアの橋下徹”となるか!? 政府を痛烈批判する若き弁護士
SENEGAL:大統領を目指す世界的歌手に立ちはだかる「学歴の壁」
USA:ロムニーが矛先を向けるオバマ外交の「5つの論点」
BRAZIL:歓迎、ブラジル人ご一行さま 彼らの切実な買い物事情とは…and more!

 

■読者レビュー

なかなか!
投稿日 2009/06/24
投稿者 きりん
自営業
★★★★
書店でさらっと見てみました。記事の視点がユニークで新鮮な感があります。今後に期待したいと思います。

日常的な
投稿日 2009/05/12
投稿者 タカムラ
無職
★★★★
日々の世界情勢を多角的に見る切欠をもたらしてくれる良い雑誌です。月刊に移行して紙面から受ける印象がソフトに成った気がしていましたが、最近初期の硬質感が戻ってきた様に感じます。

上質です
投稿日 2009/05/05
投稿者 たあぼう
自営業
★★★★★
最初から終わりまで記事の質が落ちない素晴らしい雑誌です。話題も内容も偏ることなく、適度にユーモアもちりばめられていて読んであきませんね。オススメです。

このページのTOPへ
雑誌のFujisan.co.jpTOPへ