第35回 GOETHE(ゲーテ) 編集長 舘野晴彦さん

- 「仕事が楽しければ人生も愉しい」。真に豊かな人生を謳歌するために、振り切った毎日を送っている男達の仕事術とライフスタイルから何を学ぶか。「ゲーテ」にはそんなエッセンスがぎっしり詰まっています。


- GOETHE(ゲーテ)
- 一冊定価:750円
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月24日
- 出版社: 幻冬舎

- 幻冬舎
「GOETHE(ゲーテ)」編集長 舘野晴彦さん 
- たてのはるひこ 大学卒業後、角川書店に入社、『週刊ザテレビジョン』『月刊カドカワ』などを経て、1993年、幻冬舎の創立メンバーに。村松友視氏などの小説家を始め、篠山紀信氏、中田英寿氏、中村勘三郎氏、内館牧子氏、さだまさし氏、大竹しのぶ氏、唐沢寿明氏ら、様々なジャンルの著者の担当編集者としてベストセラーを輩出。また、『解夏』『眉山』など作品の映像化のプロデュースも数多く手がけている。
取締役兼専務執行役員 雑誌・広告本部本部長。「GOETHE(ゲーテ)」発行人・編集長。
―4月号が浅田次郎さんの表紙で、創刊4周年記念号でしたから、もう創刊5年目に入っているわけですね。「ゲーテ」を取り巻く環境にどんな変化がありましたか。
単に不況ということではなく社会が劇的に変わってきていますよね。5年前ですら、雑誌は大変という声がありましたが、そのときより状況はさらに厳しいものになっています。昨年だけでも、僕もよく手にしていた「月刊プレイボーイ」「ブリオ」なども休刊になってしまいました。それにいまでは電子書籍化への対応も急がれています。
もともと男性誌って女性誌に比べて市場規模は小さい。近年では大成功といわれた「Leon」、あとはスポーツ誌の「Number」が特集によってかなりの部数を誇ったくらい。そんな中では他誌との差別化もでき善戦している。けれど次へ次へと手を打っていかなければと思っています。
―当初、幻冬舎は雑誌は出さない、とも言われていましたが。
そんなことはないんですよ。いつかは雑誌も立ち上げたいとみんなで考えていました。でも会社設立時はとにかく旗幟鮮明にしないとなかなかこの業界に参入できませんから、われわれは「文芸出版」ということで、書籍を中心に打って出ました。お蔭様でそれらを認めていただき、ようやく雑誌が出せるような体制になったのです。
健康雑誌のアイディアとか、会社としていろいろ試行錯誤しているうちに、最終的にその新しい雑誌事業を僕が担当するようになりました。先行したカルチャーマガジン「パピルス」などは小説誌的要素もありこれまでの幻冬舎の蓄積がいい形で活かせたと思うのですが、いわゆるラグジュアリーマガジンは初めて。
僕も雑誌は角川時代、文芸誌の「月刊カドカワ」や情報誌の「ザ・テレビジョン」の編集経験ぐらいでした。そこで、幻冬舎の力を活かし、個人的にも最も興味があるライフスタイル誌で行きたいと、と考えるにいたりました。
当時、僕がお付き合いさせていただいてた方々は、小説家や音楽、映画、スポーツ、テレビ関係の方々が多かったのですが、みな仕事にひたむきで、それで豊かな人生を送っていらしたんですね。傍から見ていても楽しそう。そこで自分の経験から、「仕事」ということにスポットを当ててみた。その人たちの「仕事」を軸にすれば、その周辺にいろいろみえてくるものがあろうと。
―なるほど。一流の仕事をしておられる方々がセレクトされるものには、それだけで充分価値がありそうです。
ええ、その方たちが選ぶレストラン、旅、ファッション、もちろんビジネスの仕方、自己管理・・・それぞれ学ぶことが多いし、おもしろい切り口が満載です。「ゲーテ」ではそこを掬っていこうということになりました。
「ゲーテ」の立ち位置って、ちょうど経済誌とファッション誌の間です。発売は毎月24日で、「Leon」「Uomo」「Safari」「GQ」などの有力ファッション誌と同じ。ただしファッションの位置付けは、あくまで一線の仕事をされている方々がセレクトされるものなんです。そこが「ゲーテ」流の見せ方であり、個性なんです。
―創刊号から一貫して「仕事バカ」の素晴らしさを説かれています。
弊社から刊行された村上龍さんの「13歳のハローワーク」がミリオンセラーとなり社会現象みたいになりました。改めて人生において、好きな仕事に出会え、努力できることがものすごく大事なんだということに気付きました。そこに大きなヒントがあったんです。日々、報道される中高年のリストラや自殺、若い人による猟奇殺人事件、そして教育問題など、様々な社会現象を考えるとき、その解決の糸口が「仕事」に必死に取り組むということと関係するのでは、と思うようになったんです。
具体的にイメージした人といえば、フジテレビの鈴木克明さんという編成部長(当時)さんでした。大型プロジェクトの陣頭指揮をとったり、番組の打ち切りや人事の処遇など、1日にいくつもの大変な決断に迫られている。そんなふうに多忙を極めているのに、たとえば僕のメールや電話にもきっちり応えてくださるんですね。鈴木さんの24時間はいったいどうなっているんだろうと思いました。こんな人から仕事や人生のノウハウを聞きたい、こんな方なら独自の時間管理をし、独自のセンスで物を選ぶだろう。それを見てみたい、って思うようになったんです。
例えばお医者さんのカバンって、やはり医師としての仕事の必然から生まれてあの形になっていったんだと思うんですね。豊かに人生を送っている人たちが、それぞれの仕事から選ぶ「必然」はいろんな形で常にテーマになるんだろうなと思うようになったんです。
―舘野さんは編集長と広告の責任者を兼ねておられますが、仕事上矛盾しませんか。ページつくりに常にクライアントの顔色が浮かぶとか。

「ゲーテ」から生まれた著書。すべてベストセラーだ

この時期に小沢元幹事長も表紙に登場
当然むかしから編集と広告を分けたほうがいいと言われていました。でも、まだまだ小さな会社ですし、余裕もないのでひとりが何役も兼務するのが現状です。そうしてしまったほうがブレがない。それに、何と言うか、やればできてしまう、ってことがあるんです。
厳密に言えば、確かに広告の金銭的な感覚と編集的な感覚って別のものなはずなんです。でも、タイアップ企画もクライアントと直に話して一緒に企画考えたりしていると、先方の求めているものがストレートにこちらに伝わるんです。それが分かれば、編集の部分でも動きやすい。対応がしやすいことが多いと思います。編集の領域が侵されるようなことはありませんから。
また一般的に老舗出版社って、雑誌と書籍で仲が悪かったりもしますよね。でも幻冬舎では両部門の距離が近い。作家の方に何か雑誌で依頼する場合も、いきなり雑誌の人間が連絡するより、絶対に日々担当として接している書籍編集者に手伝ってもらったほうがより良い濃いページができます。実際、僕自身もこれまでずっと書籍を作ってきましたし、現時点でも8冊くらい同時進行で作っています。今月刊行されるのは昨年、担当した清原和博さんに続き、KKコンビの桑田真澄さんのノンフィクション『心の野球』。「ゲーテ」にも登場していただいき、書籍と雑誌の企画をつなげながらできるのが強みです。
その他、『ジンジャー』創刊号にも一部掲載して話題になった、亡くなった飯島愛さんの遺稿集『Ball Boy & Bad Girl』がいよいよ発売されますし、キングコングの西野亮廣さんの画期的な初小説『グッド・コマーシャル』も出ます。
そして『ゲーテ』のタイアップインタビュー企画にも登場していただいたことのある、貫井徳郎さんが先日『後悔と真実の色』(幻冬舎)で、山本周五郎賞を受賞されたのも生涯忘れられない出来事になりました。幻冬舎をつくって初めて手紙を差し上げ執筆のお願いをした方です。現在の担当である後輩の編集者たちと待機していたお店で、受賞の知らせを貫井さんが電話で受けた瞬間は正に頭が真っ白になりました。
その他、1年半ほど前からフジテレビの「新報道2001」のレギュラーコメンテーターをお引き受けしたことにより政治との接点もできはじめ、3月号の民主党・小沢一郎幹事長の独占インタビューにつながったり、と、いろいろ仕事は広がりました。
―読者は30代、40代のエグゼクティブとそれに憧れる男性、でしょうか。
そうです。だいたい35歳〜40、50代のそういった人たちです。可処分所得も高く、会社ではその中枢で仕事をされていて、自分のスタイルを持っている人が多いです。
「仕事バカ」といえばそうです。でもわれわれはこれを本当にポジティブな意味でとらえていて、「ビジネスホリック」という言葉で呼んでいます。「ワーカーホリック」だと仕事をさせられているといったネガティブなイメージですが、「ビジネスホリック」は自分から仕事に向かい合っているというスタイルを意味しています。
そういう人たちは、時間の管理がうまい。それに次々と・・・(次頁へ続く)
- 1.ビートレッグ(レインボウブリッジ)
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- 海賊盤などのマニアなネタがどっさり。特に2月号のローリング・ストーンズ特集は秀逸でした。1969年のツアーの様子が、日にちまで特定して詳細にリポートされている。凄い。
- 2.レコード・コレクターズ(ミュージックマガジン)
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- 辛口の批評が信用できる。ロック好きのオヤジには魅力的です。
- 3.Guitar Magazine(リットー・ミュージック)
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- 写真を眺めているだけでも心が騒ぎます。
- 4.週刊朝日(朝日新聞出版)
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- 上杉隆さんの勇気がすばらしく、“冷静な視点”を思い起こさせてくれます。
- 5.Precious(小学館)
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- 「ゲーテ」を創刊する前にこの世界観は参考になるのではって、ある人から言われて手にしたのですが、本当によくできていました。「ジンジャー」以外に唯一読んでる女性誌。







