第60回 子供の科学 編集長 柏木文吾さん

- 1924年創刊の小学校高学年・中学生向けの科学雑誌です。次世代を担う子供たちに“科学の入口”を提供しています。内容にはかなり高度なものも含まれますが、優しく解説されていて、親子で楽しめるつくりになっています。
―子供の理科離れが一時話題になりました。

創刊は1924年、大正13年。
ゆとり教育の影響で授業時間も減りましたしね。いまは改善されましたが、それでも子供の理科力は落ちていると思います。私はいま38歳で、「子供の科学」読者の親はちょうどこの世代なのですが、親が子供に理科を教えられない現実があるんです。
それは、私は田舎の出身なので問題なかったのですが、都会の子供たちだと、まず明るすぎて夜に星を見るということができないし、夜中に街をうろつくことなど危険でできないですよね。ナイフを使うなとか、いろいろ子供から理科を体験的に学ぶ機会が奪われているのが現実なんです。
それと、やはり技術が進歩しすぎていて、たとえば家電でも、コンピュータでも、分解して中を見ても分からない(笑)。むかしなら、あ、この配線が切れているとか、目でみて直せたものが、いまはもう手が出せないようになっている。というかそもそも蓋が開かない(笑)。ブラックボックス化ですね。
―仕組みが分からなくても困らないですから。
そうなんです。携帯電話の仕組みなんか分からなくても使えますから、何も知る必要がない。だから、これはどういうことになっているんだろうと興味を持たなくなっているし、また親は教えられない。子供たちの質問に応えてあげられない環境になっているんです。
―そうするとこういう雑誌の役割が明確になりますね。

ダイジェスト版も好評だ
ええ、ですから、お蔭様で微増ではありますが、部数は伸びています。需要は減ってはいないんです。つまり子供たちはいまも昔も、知りたい欲求はある。むしろそれに応えてあげられない環境のほうに問題があるわけです。
毎月編集部にはハガキだけでも3〜400通は来ます。子供たちは一生懸命自分たちが疑問に思うことを聞いてくるんです。われわれは、そんな子供たちにしっかり応えてあげられる雑誌でなければいけないと思っています。
子供って、それが好きだとすれば、その分野に関しての非常にマニアックな深い知識を持っています。質問もかなり専門的だったりします。ですから大人もうなるぐらいの内容をこちらも用意しないと、すぐにそっぽをむかれてしまいます。子供だからといって決して侮れない、そんな怖さもあります。
―学研の「科学」や「学習」はむかし、学校に売りに来ていて、私も愛読していましたが休刊になりました。いまこの雑誌の競合誌というのは何ですか。
季刊ですが、「りすうか」「ぷれりか」(学研)などはそうですね。「かがくる」(朝日新聞出版)「ちゃぐりん」(家の光協会)も、あるいは「ニュートン」(ニュートンプレス)「日経サイエンス」(日経サイエンス)「ナショナル・ジオグラフィック」(日経ナショナルグラフィック社)もそうかもしれません。
学校で販売したりはしませんが、学校とコラボして、イベントをやったり工作教室を開いたりすることはあります。
―中心になる読者は何歳くらいですか
だいたい11〜12歳がピークです。これは2006年にリニューアルし、ルビをふったりして低年齢化を図った結果です。でも内容にはかなり高度なものが含まれています。小学校の5、6年生ということで、受験勉強の助けになるような要素も入れています。
入試予想問題を入れたりはしませんが、親が買って子供に読ませるというケースが多いですから、親子両方の思いにかなうようにしています。
―付録などはどうですか。

付録の紙飛行機の数々

人気の付録の数々
40年以上続いている紙飛行機です。かなり高度な紙飛行機で、ちゃんとつくってゴムを引いて飛ばすと、うまくすると2分くらいゆっくり飛行しますよ(笑)。これはもうこの雑誌の定番中の定番になっています。
紙飛行機を自分の手でつくりながら、航空力学を体験的に学習できるということで、いまだに人気があります。もちろんそれ以外にも、特大号でポスターやカード、別冊や手帳を付録につけたりもしています。
―主要コンテンツといえば何になるんですか。
宇宙、生き物、乗り物、恐竜などの歴史物、といった普遍的テーマですね。
最近人気があるのが、・・・(次頁へ続く)
- 1.Newton(ニュートン)(ニュートンプレス)
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- ヴィジュアルの使い方がうまい。絵だけで分かるすごさ。
- 2.日経サイエンス(日経サイエンス)
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- 翻訳記事がいい。日本のメディアが伝えないことが知れますね。
- 3.ナショナルジオグラフィック日本版(日経ナショナルジオグラフィック社))
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- 独特の演出されたムード、世界観が好きです。写真のレベルは本当にすごいですね。
- 4.月刊むし(むし社)
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- 個人的に子供の頃から虫好きでしたから(笑)。
- 5.りすうか(学研)
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ともに同じ業界を盛り上げて行きたいライバルです。









