第54回 Lips(リップス) 編集長 森部嘉一さん

この雑誌
マガジンハウスからこの3月に創刊されるアラサー向けのカジュアル・ファッション誌です。
すでに前評判は高く、「InRed」や「sweet」読者には、もう1冊チェックしたい雑誌になることでしょう。

Lips 表紙

■この雑誌の最新号■

Lips 表紙

定期購読

Lips
一冊定価:550円
発行間隔:年8回
発売日:32,3,4,6,8,9,10,12月の23日
出版社: マガジンハウス
編集長プロフィール
マガジンハウス
「Lips」編集長  森部嘉一さん
編集長写真
もりべよしかず 1965年10月20日生まれ
立教大学卒
1988年  4月  (株)マガジンハウス入社 総務部配属
1990年  5月  ターザン編集部
1994年  9月  アンアン編集部
1999年  10月 オリーブ編集部 キャップ
2000年  6月  ポパイ編集部
2001年  3月  ポパイ編集部 副編集長
2009年  7月  アンアン編集部 副編集長
2010年  12月 リップス編集部編集長

…ファッション誌の立ち上がりでもありますので、ではそれを含んだ隔月ということで8回と。

男性ファッション誌になりますが、「Huge」(ヒュージ)が最初は年8回発行でした。

―森部さんは、もともとどちらの編集部だったんですか。

光の差し込む明るい編集部は第3別館にある
光の差し込む明るい編集部は第3別館にある
入校前にデザインの打ち合わせ
入校前にデザインの打ち合わせ

僕は「アンアン」の副編集長でした。といってももともと「Tarzan」から初めて、「anan」「Olive」「POPEYE」と男性誌も女性誌もやってきたものです。

ですから、トータルに見る立場が僕で、景山が主にファッションを見るということになります。

その下にファッションとビューティのエディターがいて、ライターがいるという感じです。社員は僕一人、あとは外部スタッフという構成になっています。

―「Lips」の併読誌は何ですか。また雑誌づくりで特に気をつけておられることは何ですか。

併読はやはり「InRed」「sweet」(宝島社)になるのかな。ちょうどこのあたりの読者は3冊くらい併読してくれるそうなんです。ですから彼女たちの3冊に食い込もうと(笑)。

雑誌づくりでは、とにかく情報を丁寧に扱うことを心がけています。単純なモノのページでもただのカタログにはしません。たとえば靴を撮影するにしてもヒールの高さが分かるように撮影したり、細部にこだわります。

でも、そうすることで、読者からのレスポンスが高まり、それをクライアントが評価してくれるという好循環につながるんです。そのあたりの努力は惜しんではいけないと自分にいいきかせています。

―この時期の創刊というのには理由があったのですか。

マガジンハウスの雑誌、書籍の数々
マガジンハウスの雑誌、書籍の数々


2010年という年が、マガジンハウスの創立者である岩堀喜之助生誕百周年ということで、社内企画を公募したんです。そこで僕が出した企画がこの「Lips」でした。

もうひとつは事業プランで「クロスメディア事業局」。このふたつが採用されて、いまに至っているんです。

「Lips」を企画したのは、うちが持っていない雑誌で、マーケティング的にも受け入れられるものということで考えました。やはり元気で活況を呈しているということになると女性ファッション誌ですよね(笑)。


―読者世代の男性観というか、行動様式というか、分かりやすい例でいうとどんな感じになるのでしょう。

会社が終わって、新宿のルミネのお店なんかをチェックして、スタバでお茶して、また週末には伊勢丹なんかも見て、ヴィトンの店も見て・・・みたいな(笑)。

いわゆるOLって言葉は当てはまらないなと思います。会社員なんだけど、丸の内よりはちょっと緩い感じ。デニムで通勤OKみたいな。

それで結婚なんかもしてたり、考えてたり。でも男に媚びてなんかするといったタイプではなく、わりと自分のスタイルを持っていて、モテカワじゃない(笑)。

言葉にすると本当に難しいのですが、フラットな感覚というか空気感といったものを持った女子と僕は見ているんです。

―すごいですね。創刊PRなどはどうされますか。

通常の新聞の半五段、地下鉄の中刷などを使いながら、ファッションビルでのイベントをやったりアドバスを渋谷・原宿間で走らせたり、原宿駅の参道口をジャックして駅張りしたり・・・テレビなどもいまいろいろ検討中です。

3月23日創刊です。どうか皆様、「Lips」をよろしくお願いします。


(2011年2月)

取材後記
社員食堂という前近代的な響きが好きで、またそこで食事をするのも嫌いじゃない私としては、出版社によっていろいろ個性がある「社食」を1冊の本にするのもいいかもね、などと考えながら、お昼前に銀座のマガジンハウスを訪れました。
創刊前の編集部というのを私も3回経験しているので、泊まり明けが続くような苦労具合は知っているつもりなのですが、新しい編集部が別館にあるためか、比較的穏やかな気分のなかで、編集長の森部さんからいろいろ話を聞かせていただきました。
周年事業とはいえ、「外部スタッフ中心の前例がない構成の編集部でやる」「マス・ターゲットをねらった雑誌をつくる」、という2つの点で、「LIPS」はマガジンハウスのまったく新しい試みです。
いくら自分の企画とはいえ、編集長としては気の休まらない毎日だとは思います。そんななか時間をとってもらうのは悪いなと思っていたのですが、森部さんは辛そうな顔ひとつ見せず、始終穏やかにお話くださいました。そしてその話の中には確信犯めいた思いも篭っているような気がしました。
創刊の20万部がすでに予約でいっぱいという話になったときはさすがに嬉しそうで、雑誌で長年勝負してきた人だからそこ見せられる笑顔が出たような気がします。
寒さが緩んだ穏やかな冬の日差しのなか、私の好きな昔の気分を残した「マガハの社食」で金目鯛の煮付けを食べながら、やっぱり雑誌の創刊ってメデタイと、ま、ちょっとシャレてみたわけで。 

小西克博写真

インタビュアー:小西克博

大学卒業後に渡欧し編集と広告を学ぶ。共同通信社を経て中央公論社で「GQ」日本版の創刊に参画。 「リクウ」、「カイラス」創刊編集長などを歴任し、富士山マガジンサービス顧問・編集長。著書に「遊覧の極地」など。

前へ [ 1 | 2 ] 次へ

この雑誌の詳細はコチラ

編集長インタビュー一覧へ

このページのTOPへ
雑誌のFujisan.co.jpTOPへ