第19回 山と渓谷 編集長 神谷有二さん

- ストレスの多い日常生活を送っていませんか。特に都会の人や情報の洪水のなかなどで暮らしていると、「山」という大自然は憧れの対象になってしまいます。そんなときこの雑誌を手にしてみてください。見ているだけでも癒されますよ。
―ヤマケイに入社された理由は何だったのですか。

編集部の入り口にある看板
僕は大学、大学院とずっと森林の研究をしていたんです。そんなキャリアを活かせる職場を探していたらちょうどここがあったんです。
樹木や野生動物の調査は長年やっておりましたので、最初は図鑑の編集などをやりました。
30歳で編集部に異動となり、5年ほど働きました。それからまた単行本の編集者に戻り、09年1月号から「山と渓谷」の編集長をしています。
―いわゆる「山屋」ということではないんですね。
そうですね。ハードな山屋ではないです。森林や野生動物を研究・調査しながら山に入り、ついでにピークにも登るといったことをやってきた人間ですね。
実際、僕は小さいころから釣りが好きで、フィールドにはよく出ていたんです。思春期にヤマケイの「アウトドア」や「ビーパル」(小学館)を読みはじめてからは、自然のなかで遊ぶ生活が本当に気持ちよくなり、自分の進路もそちらのほうへ移っていきました。
そういえば高校生のとき「アウトドア」から原稿料もらったことがあるんですよ(笑)。
書評というか、「自然保護のための3冊」みたいな内容でしたが、そのころからこの会社には縁があったということですね。
―研究者と編集者とではすいぶん違いがあると思いますが、編集者になってよかったことは何でしたか。
自分の企画で本や雑誌をつくって、それでバントヒットくらい打てたときが一番よかったと思うときでしょうか。手ごたえのある喜びですね。
たとえば「山でクマに会う方法」というちょっとひねったタイトルの本をつくったのですが、かなり反響がありました。
「本当は山でクマになんか会いたくない→でもクマにも会えないような山だとどうだろう→そうか、みんな普段は気にもしないことだけどクマは今日もちゃんと山で生きてるんだ」というような自然への気づきを読者に喚起できたかなと思います。
―編集部に女性はいらっしゃいますか?

狭い山小屋ではなく広く綺麗な編集部
女性は2人います。男性は僕を入れて5人です。全員何らかの形で山と関わりながら仕事をしています。
編集部の半分はいまでも真剣に山に登っていますね。仕事なんか休みまくって山に登ってる(笑)。自分の行きたい山をなんとか次の特集にからめて仕事にしてしまおうとか(笑)。
でも僕はそれでいいと思っているんです。自分のやりたい山と、読者の思い描く山をいかに相対化できるか、これが編集者の腕の見せ所ですから。
―「ヤマケイ」の読者像と立ち位置について教えてください。

ほぼ完売状態になった最近の2冊

創刊号の目次
読者の平均年齢はだいたい50歳くらいで、男性が6割ぐらいです。
でも30代の女性で登山歴1年未満の読者が急速に増えてますね。
これはこの雑誌の性格をよく物語っていると思います。
つくり方については、ユニセックス、エイジレスを基本として、あとはやはり登山という専門的な雑誌ではありますが、そのなかでも総合誌的な要素が強いですね。
山で出会う人などによく聞いてみますが、「ヤマケイ」は卒業していく雑誌という意見が多いです。
基本的な情報、総合的な知識を「ヤマケイ」で学んだ人が次のステップとして専門的な領域に入っていく。そんな流れに・・・(次頁へ続く)
- 1.ナショナル・ジオグラフィック(日経ナショナルジオグラフィック社)
-

- 3号にひとつくらですが、「ここ行ってみたい!」って記事があるんですよね。
- 2.つり人(つり人社)

- ここ何年か、面白くなってきてる気がします。
- 3.BIRDER(文一総合出版)

- バードウオッチングのマニアックな世界をうまく扱っています。ニッチなマーケットでの成功例だと思います。
- 4.週刊東洋経済(東洋経済新報社)

- 毎号読んでますが、ビジネスだけじゃない情報が社会勉強になります。
- 5.デジタルカメラマガジン(インプレスジャパン)

- ま、グループの雑誌ですが、かなりマニアックで好きです。
山と渓谷 の最新号
■最新号の目次
□ 2012/01/14発売号 (現在発売中の号)
特集
事例に学ぶ日本山岳遭難大全
第一部 2011年の遭難を振り返る
factor1 続発する富士山での遭難を考える。
冬富士の遭難が致命傷になりやすいわけ
2011年、富士山で起きた遭難を振り返る
factor2 転滑落の実際とその対策とは。
前穂高で100b滑落し、ヘリで救助
後立山連峰で起こる転落事故の共通点を探る
転滑落事故を防ぐ6つの方法
factor3 GPSの普及と道迷い遭難。
factor4 雪崩事故が頻発する理由は。
factor5 落石はどうして起きたのか。
factor6 低体温症による遭難をなくすには。
factor7 GWに落雷事故が起きたわけ。
特別座談会
東京近郊で起こった事例から学ぶ遭難を知る、備える、防ぐ
長野・岐阜・富山3県の遭難データに見る
2011年の遭難の傾向
第二部 日本山岳遭難史
戦後遭難史を概観する
データで見る山岳遭難の変化
山岳遭難史・事例研究
山岳保険ができるまで
インタビュー 山岳救助の現場から
奇跡の生還 遭難後のサバイバル
グラフ カラコラム 岩峰の詩 佐藤孝三
YKフラッシュ
連続1万日登山をめざしていた東浦奈良男さん、86歳で死去
桜島、3年連続で年間最多爆発回数記録を更新
[山の逸品]コモ
第2特集 山岳エリア研究 箱根
箱根全域マップ
コースガイド
乙女峠から金時山
小涌谷から浅間山、湯坂路、鷹巣山
箱根湯本駅から旧街道
宮城野支所前から明神ヶ岳
桃源台から丸岳
箱根町から山伏峠、三国山
駒ヶ岳山頂駅から神山、大涌谷
箱根町から屏風山
仙石原
矢倉沢から矢倉岳、足柄峠
100 箱根アクセス図、問合せ先一覧
グラフ 雪、降り積む森 星野秀樹
山形県・宮城県 蔵王山
スノーモンスターに会いに
中西俊明の上手になる撮影法 厳冬期の山を撮る
[連載]白籏史朗 追憶の一葉、述懐の山
第62回 忘れ難き山人たち 涸沢ヒュッテにはたらく人びと(その二)
ヤマケイ・フォトコンテスト 2011年冬期 入選作発表
ヤマケイ・ジャーナル
FOCUS/NEWS/ADVENTURE/ACCIDENT/FROM ABROAD/
INFORMATION/BOOKS/山の本棚 池内 紀
読者ページ YAMAKEI HUT
みんなの写真広場/読者のお便り/山岳会紹介/今月の話題/
クライマーズリレーコラム/でこでこてっぺん/九星気学占い/読者紀行/
山の俳句・山の短歌
[連載]冒険者の墓碑銘 第2回 エベレスト、3度目のビバーク 加藤保男
九州にクマがいる!? 絶滅したはずのクマを訪ねて
岳都・松本からの情報発信
[連載]川名ガイドのスマートフォン登山活用術 vol.8 スマホ・ネパール事情
[連載]人はなぜ山に登るのか 第11回 シェルパ族のカンバ(『岳人列伝』より)
[連載]山の論点2012 第25回「山書」という言葉を絶やすな
告知板
[連載]ギアトレック vol.08 新しい防水素材を使った冬用グローブ
[連載]こだわり!山の小物インプレッション第38回 ピッケルカバー
全国隠れ名山 2月
神奈川県・曽我丘陵/秋田県・丸森(ブナ森)/兵庫県・天下台山
岡山県・鬼ノ城山/佐賀県・鬼ノ鼻山/ふるさと山便り
[連載]新ヤマケイ登山学校
安全登山の基本の「き」
登山に生かす天気予報
カラダの困った! 相談室
セルフレスキュー講座
Goods&Present
[連載]裏表山話 西田省三
■読者レビュー
- いまやシーラカンスか
- 投稿日 2009/10/02
- 投稿者 じゅんゆき
- 公務員
- ★★★
- まだ続いているんですねぇ。若いころは粋がって「岳人」なんぞを読んでましたが、しょせんはハイカー。今ではJOY並み登山ですら付いていけません。しかしながら、いまや貴重な雑誌。今後もがんばって欲しいですね。
- トムラウシ山大量遭難
- 投稿日 2009/09/27
- 投稿者 さくら
- 公務員
- ★★★★★
- ご承知のとおり、登山では自己責任が大原則です。その原則において今回の大量遭難は、寄せ集めツアーパーティーによる登山の危険性が浮き彫りにされたように思います。「山と渓谷10月号」には、今回の北海道大雪山系での生存者2名の方の体験談と検証が掲載されており、非常に参考になりました。「寄せ集め」でなくても遭難の危険性は常にあります。考えさせられる記事でした。
- いつかは
- 投稿日 2009/09/06
- 投稿者 まろ
- 会社員
- ★★★
- 遠地や時間がないと登れないような山のレポートがあり楽しく拝見しています









