月刊 税理のバックナンバー
2005/07/20発売号 (2005年8月号)
月刊 税理 2005年8月号

月刊 税理

  • 出版社:ぎょうせい
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■月刊 税理の目次

巻頭論文
最近の租税調査をめぐる紛争の動向と課題――適正な租税調査の実現を求めて
専修大学大学院教授
増田 英敏
 公平な申告納税の実現のために、租税調査は不可欠な行政作用であろう。しかし、強引な調査、不意打ち的な調査、さらには制裁、懲罰ではないかとみられる調査もあり、納税者との争いが絶えない。適正さを欠いた調査では納税者のストレスは加重となり、租税行政庁と納税者の協力関係は崩壊するばかりでなく訴訟へと発展しかねない。行政側も、納税者も合法的かつ適正な租税調査とはいかなる調査かについて認識を共有しておく必要があろう。

事例研究
定期借地権の保証金の評価手法とその問題点
税理士
齊籐 忠彦
 定期借地権を活用する上で、通常、保証金方式と権利金方式の一時金のやり取りが行われるが、税制上の理由から借地期間満了後に一時金を返還する保証金方式が主流となっている。この保証金方式については昨年の9月、東京地裁から課税庁の主張をほぼ全面的に認める判決が下された。本稿では、この判決の概要を追いながら一時金の問題点を整理し、前払地代方式という新形態の取扱いにも触れていく。

特集/農業をめぐる環境変化と税理士のアドバイス
 農業を取り巻く環境変化によって、いま日本の農家は窮地に立たされている。こうした状況に対し、農地法や農業経営基盤強化促進法等の改正等により改善策がとられる一方、今年度税制改正では耕作放棄地の納税猶予適用停止の厳格化措置などがなされている。本特集では、農業に関与する税理士として必要とされる、経営環境の変化に基づいた農家への経営改善・税務指導のための処方箋を提示していく。

<農業の環境変化>

農地関連法の改正と農業経営の環境変化
(株)三菱総合研究所主任研究員
渋谷 往男
1.農地関連法の改正により、この秋から農地リース特区が全国展開されることとなった。
2.これまで特区に限定されていた株式会社等の農業参入が全国で可能となる。
3.従来の農業も大規模化と家業から事業への転換期にあり、的確な経営管理が求められる。
4.今後は、農業においても一般の中小企業と同様の経営支援が必要となる。

異業種からの農業参入~その実例と新規参入の検討
NPO 法人 建築技術支援協会 常務理事 米田 雅子
1.農業は衰退産業とみられてきたが、体制や方法を変えれば成長産業に変身する可能性がある。食品メーカーや建設会社による企業型農業への挑戦のなかに、新しい農業のビジネスモデルが生まれつつある。
2.構造改革特区で認められた「市町村を介した企業への農地貸付け」が、耕作放棄地の多い地域を対象に9月から全国に展開される。これで地場の建設会社の農業参入にもはずみがつく。
3.企業の農業参入を実際に円滑に進めていくには、制度の改革だけでは不充分で、金融面での整備が不可欠である。政策金融の縦割りの弊害をなくす必要があるとともに、民間の地域金融機関による農業参入企業への融資が重要である。
4.税理士の方々には、農業経営を研究して戴き、苦難のなかで地域のために農業に取り組む建設会社に対して、経営指導をお願いしたい。

<農業への経営・税務アドバイス>

農家の実額申告化とはじめての消費税申告
税理士・名古屋経済大学大学院講師 浅野 洋
1.農業所得の計算方法として従来認められてきた農業所得標準は、各地域の実情に応じて順次廃止され、原則である収支計算に一本化されつつある。
2.新たに収支計算が必要となる農業従事者には、記帳の根拠となる資料の把握とその保存の習慣化が記帳への第一歩となる。
3.消費税の課税事業者となる者については、簡易課税の選択について事前の慎重な判断が求められる。

「耕作放棄地」認定のクリア策
税理士
渡辺純一朗
1.納税猶予特例の適用を受けるためには、少なくとも、いつでも耕作できる状態(土がやわらかく耕されている状態)にしておく必要がある。
2.納税猶予特例の適用は、原則として農地の所有者による耕作が要件となっている。ただし、一定の業務委託の方法をとれば納税猶予特例の適用が可能である。
3.近年、市街化調整区域の農地の相続税評価額が大幅に下落した地域がある。

農地贈与の個別事情に応じた有利・不利判断
税理士
今仲 清
1.後継者の有無、専業か兼業か米作期間のみの営農かといった事情によって有利・不利の判断は異なる。
2.専業の場合には、贈与税の納税猶予特例の適用も検討すべきである。
3.将来の農業経営の廃止が決定的であれば、精算課税贈与又は暦年贈与の検討を行う。
4.営農継続の意思決定の時期がまだ先の時には、現状維持が望ましい。
5.都市化が進んでいる立地の場合には、宅地転用による有効活用も考慮すべきである。

都市近郊農家の不動産有効活用策
税理士
清田 幸弘
1.相続税の試算をし、土地の色分け(分類)をし、分類に応じた土地利用を図る。
2.相続税・所得税の両側面から土地の利用を考える。
3.貸家をすでに建てている場合には、不動産管理法人を設立して節税対策を図る。

中山間地の農業経営とそのアドバイス
税理士
池田 善一
1.中山間地域での農業の現状を把握する。
2.政府等は農業振興に各種の取組みを行っている。
3.農業経営を生産・販売・財務に分けて考察する。

農業生産法人等の設立による集落営農
税理士
森 剛一
1.集落営農は、メリットの大きい特定農業法人制度を活用して株式会社形態で法人化
するのがお勧めである。
2.法人の前身となる任意組織は、集落営農組織と中核受託組織の2階建ての任意組合
(共同事業)として運営する。
3.補助事業資産の引継ぎは、補助金の返還を避けるため、圧縮記帳後の帳簿価額によ
り譲渡するのが一般的だが、低額譲受けとされて法人に受贈益課税されるのが課題となる。

認定農業者制度とその支援策
税理士
花嶋 実
1.認定農業者制度とは,意欲ある農業者が自らの経営を計画的に改善するために作成した「農業経営改善計画」を市町村が認定し,その計画達成に向けた取組みを関係機関・団体が支援する仕組みである。
2.認定農業者には,借入れの目的,借入額,期間等に対応した各種の有利な融資制度が用意されている。
3.認定農業者が機械・施設を導入する際,リース料の一部が助成される。
4.認定農業者が,農業経営改善計画に従って一定の経営規模の拡大を行った場合に,その所有する農業用の機械・施設等の減価償却資産について,普通償却に加えて、その20%の割増償却を行うことができる。
5.農業者年金において認定農業者に対する国庫補助がある。

農地の譲渡・転用・貸付けと税務
税理士
小林 登
1.農地の譲渡・転用に関しては、農地法や生産緑地法により規制がかかるため、関係法令の定めに従って行う必要がある。
2.平成17年度税制改正で、農地の譲渡に係る800万円控除特例制度が拡充されたが、現実的に農地の価格がかなり下落しており、譲渡自体が行えない状況にある。
3.遊休農地としないために、市民農園など自作農とは異なった活用も一考となろう。

農業の廃業に伴う対応と税務
税理士
後久 亮
1.廃業に伴う農地の売却は、需要と供給のバランスが欠落した限定された市場で行われることから、時価に比べ著しく低い金額による売買が行われる。
2.農地の譲渡が一時に集中すると、譲渡所得税・住民税の翌年の税負担に注意する。
3.消費税法には、事業用資産を事業廃止の時点において所有していると、家事のために消費・使用したものとして、みなし譲渡の適用がある。

農家への税務調査とその対応策
税理士
山本 晋也
1.不法転用等に起因する納税猶予特例の期限確定に関する調査事務が、今後システマチックに行われる可能性がある。
2.「安定的で効率的な農業」を目指す農政とは裏腹に、圧倒的多数を占める個別農家の税務調査では、担い手に関する問題、脆弱な生産構造といった我が国農業の抱える諸問題に起因する指摘事項が多い。
3.農業所得の是正事項が、その他の所得の是正や納税猶予特例の適用等に波及するケースが多い。
4.対応策としては、個別農家の農業経営の実態把握、税制の指導、経営者との協議が基本となる。

所得税実務
保有する上場株式が上場廃止等になった場合の税務対応
税理士
松木 昭和
 最近、大企業の上場廃止が相次いでいるが、投資家にとって上場廃止は保有株式の「紙クズ化」に他ならない。だが、問題はただ単に損失を抱えたということだけではなく、税務上のさまざまな特例も使えなくなり、譲渡損として損益通算すら認められなくなるということだ。そこで本稿では、「上場廃止」のしくみを概観した上で、上場廃止宣告を受けた場合の対応策のあり方を探っていく。

相続による事業承継と事業所得計算上の留意点
税理士
遠藤 雅己
 相続に伴い事業承継が生じた場合の、個人事業者における事業所得計算上の留意点を検討する。この事業承継の際に失念しがちな、青色申告の対応や紛らわしい減価償却計算、そして棚卸資産や債務などを引き継いだ場合のチェックポイントを簡潔にまとめている。個人事業者の事業承継で、疑問を抱きがちな点に対する税務の対応と留意点を提示する。

法人税実務
マンション管理組合等で気を付けたい税務上の留意点
税理士
土屋 栄悦
 消費税の免税点の引下げに派生して、マンションの共有部分である駐車場から生じる収益をめぐる収益性の判定が問題となることが懸念されている。マンション管理組合や管理組合法人では、税務において所得が収益事業と非収益事業に分けて管理されるが、その区分判断を間違えると大きなミスに繋がっていく。そこで、マンションで生じる具体的な例を取り上げながら、その区分のための考え方を提示する。

資産税実務
定期借地権設定による土地の有効活用と税務の取扱い
税理士
二ノ宮 伸幸
 土地の有効活用として、定期借地権による建物建設が最近改めて脚光を浴びている。もともと建設側に初期投資の負担が少なく、一方地主の方には、将来必ず土地が返還され、賃貸料も駐車場などより高い、という利点があったが、さらに今年1月7日に国土交通省に対する国税庁の文書回答で、定期借地権の賃料の一括前払いを前払費用・収益として期間配分できるようになった。このことで、保証金のように長期の債権として扱われることも返還の義務もなく、取扱いがさらによくなった。消費税、相続税の取扱いも含め、定期借地権の税務取扱いと、活用におけるメリットを検討する。

消費税実務
不動産取引で課税売上割合が変動する場合の留意点
税理士
池田 陽介
 課税事業者が通常の事業年度では、課税売上割合が95%以上であるのに、土地の譲渡や住宅の貸付けなどがあって、その事業年度で課税売上割合が突然95%未満になることがある。すると、消費税の取扱いでは、個別対応方式か一括比例配分方式、及び個別対応方式の課税売上割合に準ずる割合を使って仕入税額控除をすることになる。この計算をするために、留意が必要なのは支出科目が一緒でも、何に支出したかによって課税仕入か非課税仕入かあるいは共通仕入かに区分しなければならないことだ。さらに、一括比例配分方式では2年間の継続要件があること、前年又は前3年の通算の課税売上割合を採用することもできる、などの方法の選択もできる。

法務と税務
遺言執行業務における実務上の留意点
税理士・名古屋経済大学大学院講師
川崎 賢二
 高齢社会を迎えつつある昨今、資産を持つ高齢者の遺言件数が急増している。それに伴い、今後、遺言執行者に対するニーズも増えていくと予想される。相続税の申告業務であれば、業務対象となるのは一部の資産家のみとなるが、遺言執行者という立場であれば、あらゆる遺言者を業務の対象として関与することができることから、税理士にとっても、注目の業務といえよう。
 本稿では、遺言執行業務につき、税理士にあまりなじみのない遺言執行者や遺言施行業務について、民法における規定を中心に紹介するとともに、実務上のアドバイスを行う。

難問事例
税務における代理と専門家責任
税理士
山田 俊一
 父から贈与を受けたとする長女が、相続時精算課税制度の適用を税理士に頼んだ。ところが、依頼して間もなく長女は、脳疾患で意識の回復が困難になった。さらに、依頼された税理士が、調べていくと父は長女に贈与したという意識はなく、長女が無断で父名義の預金を下ろし賃貸用マンションを購入していたことが判明した。税理士は長女の代理人として、長女の権利を確定していくことができるか、また税理士としての果たすべき役割はどのようなことか。それに加えて、意識不明になった長女の権利の確定、又は修正をどのようにするかを検討していく。

利益計画
食品スーパーのモデル利益計画
中小企業診断士
平村 一紀
 ここ数年、食品スーパーは年間販売額を順調に増やしている。その背景として、営業時間の延長や売り場面積の増加といった要因が考えられるところである。本稿では、生鮮食品を中心に取り扱っている駅前立地店をモデルに、時代の流れに対応し、生残りを図るための経営改善策を提示する。

◆ポイント・オブ・ビュー
東京学芸大学教授 山田昌弘 氏に聞く
◆税理士事務所みてある記
 市川 俊夫 税理士事務所(関東信越税理士会上尾支部)
◆好調関与先にはワケがある!
 デルフィ株式会社(東京都港区)/中田研二税理士(東京税理士会芝支部)
◆クローズアップ税務争訟
合併に伴う退職慰労金としての一時金/古谷文子
◆クマオーの消費税トラブル・バスター
 マンション管理費は税額控除できる!?/熊王征秀
◆法律問題ワンポイント・レクチャー
 あらかじめ「休日振替」をすると、休日手当は必要ない?/服部弘
◆金融機関との上手な付合い方 実践編
 金利について考えてみる/甲賀伸彦
◆新時代の中小企業会計
 事業用固定資産と減損会計/長岡勝美
◆実務の焦点
 土壌汚染の土地の物納と納税者の負担/鹿志村裕
 事後設立に係る留意点/菅原万里子
 介護保険と消費税/三宅真弥
◆税務・会計相談コーナー
(法人税関係)その他有価証券の評価差額がある場合の総資産の帳簿価額/諸星健司
(資産税関係)連帯保証人が複数いる場合の譲渡の保証債務の特例/渡邉正則
(会計関係)外貨建取引に係るヘッジ会計/板橋淳志
◆ケース・スタディ 多税目取引の落とし穴
◆私のKeyword/平井智子
◆税理士の休日/杉田浩二

別冊付録Ⅰ●税務情報(類似業種目別株価一覧 平成17年1、2月分・ほか)
別冊付録Ⅱ●租税判例の回顧(平成16年上半期)


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月刊 税理の読者レビュー

  • 総合評価:★★★★ 4.0
  • 投稿数:11
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必需品
投稿日 2012/02/24
投稿者 かっぱ
会社員
★★★★★ 5.0

会計実務に携わる際とても参考になります

毎月欠かさず読んでいます
投稿日 2011/11/20
投稿者 なお
自営業
★★★★ 4.0

税務実務について役立つ記事が多いです。毎月欠かさず読んでいます。

いろいろ役に立ちます。
投稿日 2011/10/06
投稿者 あっきー
会社員
★★★★★ 5.0

税制改正にも対応しているし、解説も具体的でわかりやすく、とても役に立っています。これ1冊であらゆる税法に使えます。

税務実務に役立ちます
投稿日 2010/07/23
投稿者 お父さん
コンサルタント
★★★★★ 5.0

税務実務には必須の雑誌です。税法改正・トピックスの特集が充実しており税務・会計プロフェッショナル必携だと思います。

税理
投稿日 2009/12/23
投稿者 なな
専門職
★★★★★ 5.0

改正点だけではなく税務の主要ポイントは定期的に掲載されているため、会計実務に携わる際とても参考になっています。

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