月刊 税理のバックナンバー
2005/09/20発売号 (2005年10月号)
月刊税理 2005年10月号

月刊 税理

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■月刊 税理を買ったひとはこんな雑誌も買っています



■月刊 税理の目次

巻頭論文
改めて問われる物納環境のあり方と整備に向けての問題点
桜美林大学教授
野田秀三
 相続税の物納は、納税者が金銭納付や延納を困難とする場合に認められる制度である。ただし、物納できる財産の範囲はきわめて限定的で、“物納不適格”とされる財産の範囲も広い。加えて物納の許可・却下の判定には多くの時間を要し、取得費加算などの特例を適用できなくなる事態も生じている。
 ここでは、こうした課税庁の不適切な対応と物納制度そのものが抱える問題を追及し、求められる改善策を提言する。

税務論文
新しい資本制度と税制への影響
中央大学専任講師
久保大作
 新会社法では、従来の会社法制のほとんどの部分に何らかの制度変更を加えており、資本制度についても例外ではない。最低資本金制度が撤廃されたことは大きく取り沙汰されているが、それ以外にも資本金・準備金の増加・減少に関する規定、剰余金の配当に関する規定などで大きな改正が行われている。ところで、こうした資本制度の諸改正に伴い、税制にも少なからず影響があるのは確かだが、税法改正が実行されるかどうかは未知数だ。そこで本稿では、新会社法の制定で様変わりした新しい資本制度を詳解し、税制に求められる対応を提言する。

税務研究
借地権控除方式によらない貸宅地割合の設定と実務への影響
税理士
橋本守次
7月下旬の評価通達の改正で、底地の評価において、国税局長がこれまでの借地権控除方式によらない地域を決め、新たに「貸宅地割合」を定めて評価することにした。通常の底地に計算方法では実情にそぐわない地域を特別に指定するもので、その地域については更地価額×貸宅地割合で底地を計算する方法が表示された。貸宅地の底地は、これまで更地価格に(1-借地権割合)を掛ける借地権控除方式が実情に合わないのではないか、ということで裁判になる例も多くあった。今回の通達は、借地権控除方式を是正する措置とみられるが、その適用はどのようにされるか、17年の路線価図での表示などをもとに検討する。

事例研究
低額譲渡・低額譲受けの認定傾向とその事例検討
税理士
松浦宜子

本稿では、1)時価の2分の1を上回る金額で取引された譲渡事案において、当該譲渡の対価が「著しく低い価額に」に当たるとされた裁決例、2)公示価格を基に算出した土地の価額との著しい価額差等を理由として課税庁が行った更正処分が取り消された裁決例など、低額譲渡・低額譲受けに関する四つの事案を紹介し、検討を加える。

相続事案に対する行為計算の否認パターンと税務署長の判断
税理士・公認会計士
林隆一
 会社債権及び相続対策のために行った、同族会社所有の不動産を亡オーナーが銀行借入により取得した取引に対して、借入分の債務控除を相続税法64条に基づく行為計算規定により否認された事例をはじめ、最近、相続税をめぐり“伝家の宝刀”といわれる行為計算の否認の発動が目立っている。 本稿では、同規定による否認パターンを検討し、その問題点を探る。
情報公開裁判を通じ見えてきた国税当局の判断プロセス(下)
――消費税還付保留通達の裁判過程での一断面
税理士
藤田康雄
 開示請求から訴えの提起・判決に至る経過を紹介した前月号を踏まえ、今月号では、実例を通じて垣間見えてきた国税当局の税務行政内部における判断プロセスを探るとともに、情報公開請求・裁判の活用による税務行政の透明化への可能性について検討する。



特集/所得・資産の移転と認定されがちな関連会社間取引
最近、関連会社間の取引に基因した税務否認が増加している。その原因の大半が、商品の販売、経営指導料や業務委託料の支払い、債務免除や合併・分割等の組織再編等の際の設定価格の適正性が問題とされ、所得・資産の移転による「租税回避」と認定されている。
本特集では、関連会社間取引における課税庁の税務否認パターンを探るとともに、価格設定で恣意性を指摘されないための事前回避策を検討する。

<総論>

関連会社間における所得・資産の移転と課税            
明治大学教授
川田剛
1.関連会社とはなにか、同族会社との違いについて明らかにする。
2.国外関連会社の取引においては移転価格税制が設定されている。
3.関連会社において恣意性の介在はあるのか、その際の否認の根拠は何になるだろうか。また、同族会社行為計算否認規定(法法132等)の射程距離の限界はどこまでなのか。

<ケース別所得・資産移転のパターン>

物品販売の価格設定
税理士・文京学院大学大学院講師 山口義夫
1.関連会社間取引は、第三者間取引と異なり、恣意的に行われる可能性があり、その取引価額が適正か否かについて税務調査官のチェックが厳しい。
2.関連会社間では、高収益(黒字)法人から低収益(赤字)法人に対する資金援助目的などで取引価額への上乗せ・削減を利用する事例がある。
3.関連会社間の価格設定が関連会社への所得の移転と認定された場合には、その差額相当額につき寄附金としての課税が行われる。
4.税務対策上、関連会社間取引価額は市場価格を基準とし、その市場価格がないときは、移転価格税制の算定基準を参考に「適正な価格」を設定する。

業務のアウトソーシング
税理士
吉村博一
1.物の販売と異なり、サービスの提供である業務委託については、業務委託費に見合う便益を受けたことを立証しうる証拠資料の保存が重要である。
2.業務委託費の役務提供については、土地などと違い売買実例に基づく実勢価額のようなものがないため、取引価額を決定する際には、通常の取引価額を立証することがポイントとなる。
3.単なる人材派遣ではなく請負による業務委託であることを証明するためには、設備等の実態を備えることが重要である。
4.業務委託契約の収益計上時期は、役務提供の完了時を固定的・硬直的な判断基準として考えるのではなく、取引態様を把握し判断していく必要がある。

売上割戻し・仕入割戻し等の実施
税理士
塩島好文
1.関係会社間の取引に係る売上割戻しや仕入割戻し等の実施には、その計算根拠となる裏付けが必要である。
2.関係会社の従業員等に対する売上割戻し等の実施について、その計算根拠や処理方法に留意する。
3.売上割戻しや仕入割戻しの計上時期に留意する。

出向者に対する給与の支給
税理士
中里昌弘
1.出向先法人が実質的に給与負担金の性質を有する金額を支出した場合には、出向者に対する給与として取り扱われる。
2.出向先法人において役員となっている場合は、出向元法人に支出する給与負担金について報酬と賞与の区分が必要となる。
3.出向先法人が支出する超過負担金は、そのことに合理的な理由がない場合には出向元法人に対する寄附金となる。
4.出向元法人が給与ベースの較差を補てんするため出向者に支出した給与は、出向元法人において損金の額に算入される。

技術指導・教育研修費の支出
税理士
宮森俊樹
1.親子会社及び関連会社間における役員又は使用人を外部講師等として招聘する場合 は、謝金等の対価の妥当性を立証する必要がある。
2.親子会社及び関連会社間で施設等の使用料等の負担を行う場合は、使用料等の妥当性を立証する必要がある。
3.親子会社及び関連会社間における取引は、いわゆる身内の取引となるため、教育訓練 費の税額控除の適用に当たって,税務では妥当額の算定及び証拠資料の整備保存を慎重 に行いたい。

関係会社に対する債権放棄
税理士
嶋協
1.子会社等の関係会社救済のために債権放棄を行う際には、合理的な再建計画に基づくものであるなど、相当の理由がある旨を立証する必要がある。
2.合理的な再建計画かどうかは、個々の事例に応じて総合的に判断するが、相当な理由がある旨を立証する場合には、証拠書類の整備が必要となる。

関連会社による増資の引受け
税理士
轟木洋二
1.株式の有利発行や、高額引受けを行う場合には、問題が生じる場合がある。
2.増資取引の当事者でなくとも、増資取引によってもたらされた経済効果によって取引当事者と認定される場合がある。
3.非公開会社の時価算定は困難な場合が多い。

損出しを目的にした資産の譲渡
税理士
掛川雅仁
1.税務上、関連会社の範囲は、資本(親子)関係、取引関係、人的関係、資金関係等において事業関係性を有するもの、個人も含み、広汎である。
2.譲渡損が計上される資産の典型は、不動産・有価証券・ゴルフ会員権・絵画・金銭債権である。
3.譲渡価額の客観的な妥当性を疎明する方法と資料は、資産の種類に依存する。
4.譲渡の形態にも、なぜ、その行為を選択したのかという客観的な合理性ある説明が求められる。
5.客観的な経済合理性の判断には、「関係会社間の取引に係る土地・設備等の売買益の計上についての監査上の取扱い」が参考になるが、組織再編成税制の観点が欠落している。また、客観的な経済合理性は、譲渡法人だけでなく、譲受法人にも求められる。


組織再編による所得・資産移転
公認会計士
神門剛
1.適格要件等の一定要件を満たさない場合には、課税の繰延べを認めないとされる。また、繰越欠損金や含み損の損金算入についての個別的な制限規定が存在する。
2.加えて、行為計算を否認する包括的な規定が用意されている。
3.包括規定の具体的な適用ケースとして、例えば、損出し再編、取引関係のある会社との再編、合併直後の分割、上場準備会社、相続税対策会社、逆さ連結、他社買収型の株式移転などが考えられる。

国外関連者との取引における移転価格
税理士法人 トーマツ
1.移転価格税制は関連者間取引を、「取引相手が関連者でなかったなら採用したであろう価格(独立企業間価格)」で行うことを納税者に求めている。
2.実際のケースにおいては、見逃されがちな以下のような点に留意する必要がある。
(1) 国外関連者から余剰在庫の買戻しなどをする際は、買戻し時点における独立企業間価格を考慮しなくてはならない。
(2) 無形資産取引対価であるロイヤルティを独立企業間料率に設定することが困難な場合には、有形資産取引においてロイヤルティ相当分を回収することも可能である。
(3) 同一セグメントの有形資産取引と無形資産取引であれば、セグメント単位で移転価格を検証することも可能である。
(4) 出張者による国外関連者への役務提供も独立企業間基準に沿った対価の請求が必要となる。
3.移転価格の調査で否認を受けないためには、納税者自身が取引の全体像及びその構造を熟知し、移転価格の分析と文書化、取引価格設定方法の見直し、税務当局との事前合意等の対策を行うことが必要である。



法人税実務
長期滞留化債権の処理に係るトラブル回避策
税理士
新村中
 関係会社間取引では、会社の財務状況によって売掛金等の債権が長期にわたって滞留することがある。この滞留債権に関して債権放棄を行うこともあるが、税務上では寄附金認定が危惧される。そこで、最近の債権放棄事例を検討すると共に、法基通9-4-1、9-4-2の取扱いを検討し、その寄附金認定の回避策を探る。

新しい業務責任者ポストの設置とみなし役員の判定
税理士
秋山典久
執行役員や、CEO、CFOなど新しい役員の呼称が増え、採用される例も多くなってきている。こうした役員については、みなし役員として賞与認定などの税務否認を受けることもあり、留意が必要になる。これら新しい役員形式の税務取扱いはどうなるか。商法の役員と、税法の役員を確認し、税法の「みなし役員」とされるのは、どういう場合かを、例を挙げながら検討する。

資産税実務
親族間における不動産の使用貸借のトラブルポイント
税理士
鈴木高広
 親から子が建物を使用貸借により借り受けることや、親から土地を使用貸借で借受け、その上に子が建物を取得(建築)することは特に頻繁に行われている。そして、その建物を子が自らの居住用とする場合、子が自らの事業に使用する場合、子がそれを転貸する場合などについて、その土地が賃貸借ではなく使用貸借であるがゆえの税務上のトラブルも考えられる。そこで、これらに関する具体的なトラブルを想定し、その回避策と留意点について検討する。

広大地新通達が引き起こす相続事案の問題点
税理士法人 思援
 昨年の財産評価基本通達の改正で、広大地評価の方法が簡便化され、改正前を大きく上回る評価減が可能となった。この大幅な評価減の改正は、実務家から好評をもって迎えられたが、その一方で実務上のデメリットも存在し、税理士を脅かしている。
 本稿では、これまで2度にわたり公表された新通達をめぐる情報を踏まえて、広大地をめぐる実務の場面――遺産分割、売買、物納、相続対策――における落とし穴を検討する。また、併せて広大地に対する課税当局の取扱いの変遷を整理している。

前払賃料方式による定期借地権の相続評価と経済的利益の取扱い      
税理士
笹岡宏保
 今年になってから国税庁より明らかにされた「前払賃料方式」の定期借地権は、借地人・地主の所得計算、相続評価の面で従来の定期借地権が抱えてきた問題のほとんどを解消しており、今後はこの方式による定期借地権の設定が増えるのではないかと見られている。本稿では、これらの取扱いが明らかにされた国税庁の2つの文書回答を精密に分析し、実際にどのように有利なのかを具体的な設例を用いて解説する。


法律実務
商品の売掛債権者に認められた先取特権の活用              
弁護士
池田秀敏
 景気に明るさは見えてきたものの、まだまだ中小企業を取り巻く経営環境は厳しい。取引先が倒産して売掛金の回収に支障が生じれば、自社の資金繰りにも大きな悪影響をもたらすことになる。商品の販売に際して担保や保証をとっておけばよいが、現実にはあまり行われておらず、債権者は泣き寝入りせざるを得ないのが実情だ。しかし、売掛金の優先的な回収が可能となる場合がある。それは、「先取特権」に基づく優先的権利が的確に行使できた場合だ。本稿では、動産売買の先取特権を主張するための法的手続、主張・立証の方法を解説し、さまざまな場面での活用方法を検討していく。

税理士業務
国税関係書類のスキャナ保存の実行と申請実務(下)           
税理士・公認会計士
佐久間裕幸
 決算関係書類や額面3万円以上の契約書・領収書を除くすべての文書の電子保存を可能とする「国税関係書類のスキャナ保存制度」が今年度税制改正で創設された。本稿では前回に続き、本制度を活用する場合の保存申請の仕方について詳細に解説する。加えて、法務省令など税法以外の法令における電子保存の留意事項を検討する。

難問事例
指定受取人死亡後の保険金受取り
税理士
山田俊一
 保険契約の指定受取人が、保険契約者より先に死亡し、指定受取人の変更をせずにその後保険契約者が死亡したならば、保険の受取人は誰になろうか。指定受取人の相続人がその対象になるようだが、その中に指定受取人の配偶者・複数の子がいると、保険金の配分はどうなるか。また、保険金は通常はみなし相続財産になるが、被相続人本人の保険金でない保険金はみなし相続財産になるのか等々、難問があり検討を加える。

利益計画
学習塾のモデル利益計画
中小企業診断士
宮田貞夫
学習塾・予備校の市場規模は、深刻化する少子社会の影響を受け、縮小傾向にあった。しかし、「ゆとり教育」に対する懸念から、2000年を境に下げ止まりの傾向がみられるようになっている。今後、各学習塾は、生残りのために、こうした顧客ニーズを敏感に捉え、展開していく必要があろう。本稿では、塾経営の基本である教務力を強化し、周辺塾との差別化を目指すとともに、情報管理・収益管理の徹底を図るための方策を提案する。



◆ポイント・オブ・ビュー
(株)日本総合研究所調査部主席研究員 翁 百合 氏に聞く
◆税理士事務所みてある記
 税理士法人SANO(東京税理士会渋谷支部)
◆好調関与先にはワケがある!
 株式会社連合社印刷(神奈川県横浜市)/益子良一税理士(東京地方税理士会神奈川支部)
◆クローズアップ税務争訟
分掌変更による役員退職給与/藤井茂男
◆クマオーの消費税トラブル・バスター
 特定収入って、何だ?/熊王征秀
◆法律問題ワンポイント・レクチャー
 就業規則に退職金規定がないのに、退職金を請求された場合は?/菅原万里子
◆金融機関との上手な付合い方 実践編
 中小企業金融が直面する問題点とは!?/甲賀伸彦
◆新時代の中小企業会計 中小企業会計指針編
 (1) 目的・対象/長岡勝美
◆実務の焦点
 広大地評価と共有物の分割/山本晋也
 法人事業税の分割基準の見直しと留意点/山下久康
◆ケース・スタディ 多税目取引の落とし穴
◆私のKeyword/山崎哲哉
◆税理士の休日/小川 実
別冊付録Ⅰ●平成17年度全国市町村税税率一覧表
別冊付録Ⅱ●税務情報 措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)通達の一部改正・ほか


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月刊 税理の読者レビュー

  • 総合評価:★★★★
  • 投稿数:10
  • 総合評価  
  • 投稿日

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毎月欠かさず読んでいます
投稿日 2011/11/20
投稿者 なお
自営業
★★★★

税務実務について役立つ記事が多いです。毎月欠かさず読んでいます。

いろいろ役に立ちます。
投稿日 2011/10/06
投稿者 あっきー
会社員
★★★★★

税制改正にも対応しているし、解説も具体的でわかりやすく、とても役に立っています。これ1冊であらゆる税法に使えます。

税務実務に役立ちます
投稿日 2010/07/23
投稿者 お父さん
コンサルタント
★★★★★

税務実務には必須の雑誌です。税法改正・トピックスの特集が充実しており税務・会計プロフェッショナル必携だと思います。

税理
投稿日 2009/12/23
投稿者 なな
専門職
★★★★★

改正点だけではなく税務の主要ポイントは定期的に掲載されているため、会計実務に携わる際とても参考になっています。

いろいろ役に立ちます。
投稿日 2009/12/08
投稿者 あっきー
会社員
★★★★★

税制改正にも対応しているし、解説も具体的でわかりやすく、とても役に立っています。これ1冊であらゆる税法に使えます。

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