Lexis判例速報のバックナンバー
2006/03/10発売号 (3月号)

Lexis判例速報

 



■Lexis判例速報の目次

□注目判決動向
2006年1月10日-2006年2月20日

□連載[裁判例総覧]
第5回
営業権侵害をめぐる裁判例(5)
升田 純

□判例解説
[民・商事]
升田 純
○1 貸金業の規制等に関する法律17条1項所定の書面の該当性を判断する基準
2 貸金業者によるリボルビング方式の貸付けに係る書面について、貸金業の規制等に関する法律17条1項6号所定の「返済期間及び返済回数」、同法施行規則13条1項1号チ所定の各回の「返済金額」の記載がない書面が同法17条1項所定の書面に該当せず、同法43条1項所定のみなし弁済が否定された事例
(最高裁平成17年12月15日第一小法廷判決) 

○賃貸建物につき賃借人が通常の使用に伴って生ずる損耗の原状回復義務を負う旨の特約の成立が否定された事例(最高裁平成17年12月16日第二小法廷判決) 

○個人が注文者である建物の建築請負契約につき民間連合協定工事請負契約約款32条による仲裁合意が、訴訟に比較して消費者保護に欠けることがない等として有効であるとされた事例(名古屋地裁平成17年9月28日判決) 

○弁護士が弁護士会館に展示されていた裸婦画をめぐる週刊誌の記事により名誉が毀損され、記事が真実でもなく、真実と信じたことにつき相当の理由もないとされた事例(慰謝料が300万円認められた事例)(京都地裁平成17年10月18日判決) 

○全国紙発行会社の持株会社の経営者につき自宅居室内のガウン姿の写真を週刊誌に掲載したことがプライバシーの侵害に当たるとされた事例(東京地裁平成17年10月27日判決) 

○1 モニター契約一体型寝具販売システムにおける寝具に関する売買契約とモニターに関する業務委託契約は、法形式的には別個の契約であるものの、密接不可分の関係にあり、売買契約と業務委託契約の全体から観察して瑕疵がある場合には、売買契約の瑕疵に当たるとされた事例
2 上記寝具販売システムは破綻必至のものであり、公序良俗に反し、無効であるから、寝具の売買契約は無効であり、この無効を信販会社に対して主張することができるとされた事例
3 上記寝具販売システムにおける寝具の売買契約が無効であるとして全額につき抗弁の接続が認められると、顧客らは、対価に見合うだけの労務を提供することなく、何らの金銭的出捐もなしに、受領したモニター料等の金員から信販会社らへの既払金を差し引いた差額の金員及び布団を取得することになり、顧客らがこれらの金員等を保持する結果となる主張をすることは信義則に反するといえること等から、顧客らは、各モニター料等受領金額に、寝具の実質的価値に相当する価額を加えた金額から、その既払金額を控除した金額については、信義則上、抗弁権を主張して支払を拒むことはできないとされた事例
(名古屋地裁平成17年10月27日判決) 

○1 妻が数回にわたり同居の夫の郵便貯金を担保として貸付けを受けたり、払戻しを受けたことが、郵便貯金法26条の正当な払渡しとして有効であるとされた事例
2 上記の妻が同居の夫の農業協同組合の貯金を夫の代理人又は使者として払戻しを受けたことが、民法478条の債権の準占有者に対する弁済として有効であるとされた事例
(松山地裁平成17年10月27日判決) 

○約束手形を利用した金融商品、抵当権付債権を利用した金融商品を販売していた会社の関連会社の元役員につき、商品内容の助言等をした幇助による不法行為責任が肯定された事例(大阪地裁平成17年11月14日判決) 

○1 美容院において顧客の十分な確認を得ないで顧客が希望したデザインと異なるカット、カラーリングを受けたことが美容契約上の注意義務違反、違法行為に当たるとされた事例
2 上記注意義務違反による損害として通院慰謝料30万円が認められた事例
(東京地裁平成17年11月16日判決) 


民事手続
慶應義塾大学民事手続判例研究会
(監修)三木浩一
○民訴法209条1項の過料の裁判についての訴訟の当事者の申立権(最高裁平成17年11月18日第二小法廷決定) 

○根抵当権の実行としての競売の申立書に被担保債権及び請求債権の表示としてされた「金8億円 但し、債権者が債務者に対して有する下記債権のうち、下記記載の順序にしたがい上記金額に満つるまで。」との記載が被担保債権の一部について担保権の実行をする趣旨の記載ではないとされた事例(最高裁平成17年11月24日第一小法廷判決) 

○健康保険法上の保険医療機関、生活保護法上の指定医療機関等の指定を受けた病院又は診療所が社会保険診療報酬支払基金に対して取得する診療報酬債権は、民事執行法151条の2第2項に規定する「継続的給付に係る債権」に当たる(平成17年12月6日最高裁第三小法廷決定) 

○不作為を目的とする債務の強制執行として間接強制決定をするには、債権者において、債務者がその不作為義務に違反するおそれがあることを立証すれば足り、債務者が現にその不作為義務に違反していることを立証する必要はない(最高裁平成17年12月9日第二小法廷決定) 

○差押えがされている動産引渡請求権を更に差し押さえた債権者が、先行する差押事件で実施される配当手続に参加するために、執行裁判所に対して競合差押債権者の存在を認識させる措置を執るべき義務の有無(消極)(最高裁平成18年1月19日第一小法廷判決) 


[行政]
橋本 勇
○地方自治法237条2項の議会の議決があったというためには、当該譲渡等が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上当該譲渡等を行うことを認める趣旨の議決がされたことを要する(最高裁平成17年11月17日第一小法廷判決) 

○情報公開条例に基づき多数の食糧費の支出に関する文書の写しの交付を受けた日から約4か月後にされた住民監査請求について地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由がないとされた事例(最高裁平成17年12月15日第一小法廷判決) 


[知的財産権]…侵害訴訟
岩原将文
○キヤノンインクタンク事件
1 物の発明に関する特許製品の使用済み品を再利用したリサイクル製品について、国内消尽が認められず、特許権を行使することができるとされた事例
2 物の発明に関する特許製品の使用済み品を再利用したリサイクル製品について、国際消尽が認められず、特許権を行使することができるとされた事例
3 物を生産する方法の発明に関する特許製品の使用済み品を再利用したリサイクル製品について、国内消尽が認められず、特許権を行使することができるとされた事例
4 物を生産する方法の発明に関する特許製品の使用済み品を再利用したリサイクル製品について、国際消尽が認められず、特許権を行使することができるとされた事例
(知財高裁平成18年1月31日判決) 


[知的財産権]…審決取消訴訟
上沼紫野
○同日出願において、事前協議が不成立な場合、商標法8条5項によって特許庁長官が行うくじにおいて、第2順位以下の出願人を定めることができ、くじの実施に際して、出願人に対し、順位を定めることを明確に伝え、くじの実施に対して意見を述べる機会を与えなくても違法ではないとされた事例(知財高裁平成17年11月8日判決) 


[知的財産権]…著作権等
小倉秀夫
○海外に居住する利用者を対象にテレビチューナー付きコンピュータのホスティングサービスを営む業者が複製の主体とされた事例(知財高裁平成17年11月15日決定) 

○広告用のパンフレットの製作を外部のパンフレット製作会社に委託した者は、特段の事情のない限り、パンフレットに使用される写真の著作権については、パンフレット製作会社において適切な対応がされていると信じ、その写真を使用することが他者の著作権を侵害するものではないものと考えたとしても、注意義務に違反するものとはいえないとした事例(大阪地裁平成17年12月8日判決) 

□米国注目訴訟
コーポレート・ガバナンス関連/檀 柔正・安達 理
知的財産関連/岩瀬吉和
クラスアクション関連/中野雄介



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