Lexis判例速報のバックナンバー
2006/04/10発売号 (4月号)

Lexis判例速報

 



■Lexis判例速報の目次

注目判決動向 2006年2月10日-2006年3月20日

裁判例総覧
第6回
営業権侵害をめぐる裁判例(6)
升田 純

判例解説
[民・商事]
升田 純
○架空請求詐欺事件に利用された預金口座の名義人、携帯電話のレンタル事業者の共同不法行為責任が肯定された事例(京都地裁平成17年10月26日判決)

○大臣等の要職を歴任した衆議院議員、その経営する会社がリゾート開発に関して法律違反をした等の旨の写真週刊誌の記事が議員に対する名誉毀損に当たるとし、100万円の慰謝料が認められた事例(東京地裁平成17年11月17日判決)

○1 夜間における冷凍基地の操業が60ないし70デシベルの騒音である等の場合の騒音につき、近隣住民の受忍限度を超えるとされた事例
2 近隣の住民による夜間における50デシベルを超える騒音の流入禁止請求が認容された事例
3 近隣住民が冷凍基地の操業等に対する抗議的活動の一環として自宅に電光掲示板を設置、運用し、冷凍基地を操業する会社の取引先に対して抗議の手紙を送付したことが違法ではないとされた事例
(名古屋地裁平成17年11月18日判決)

○医師が上眼瞼切除術を行った際、切除幅と症状改善の程度、顔貌変化の程度との相関関係をできる限り具体的に説明した上、症状改善を重視してある程度の顔貌変化は許容するのかどうか、特にまぶたが一重から二重になる程度の顔貌変化は許容するのかどうかについて質問し、そのような顔貌変化が生じても症状改善の効果がより大きい方をよしとするのか等の選択の機会を与えるべき診療上の義務ないし注意義務を負うとし、医師の義務違反が肯定された事例(東京地裁平成17年11月21日判決)

○市町村合併をめぐる村内の反対運動が激化している状況において、賛成派の元村長が反対派村議会議員のリコールに係る住民投票の数日前にテレビ放送の取材に対して反対派議員が暴力団と結託している等と発言等したことにつき反対派議員に対する名誉毀損による損害賠償責任が肯定された事例
(鹿児島地裁平成17年11月22日判決)

○1 2度の交通事故によって負傷したと主張する者の症状が詐病であるとされた事例
2 上記傷害につき診断、治療をした医師、病院の共同不法行為が肯定された事例
(さいたま地裁平成17年12月14日判決)

[国際民商事]
(監修)櫻田嘉章、渡辺惺之
渡辺惺之
○外国の港を陸揚地とする船荷証券の無効を宣言する除権決定を求めるため申し立てられた公示催告について、これら手続は義務履行地国で行われるのが最も適当であるとして、日本の裁判管轄を否定し、申立てを却下した事例(東京簡裁平成17年10月20日決定)

[民事手続]
慶應義塾大学民事手続判例研究会
(監修)三木浩一
○1 特許庁職員の過失により特許権を目的とする質権を取得することができなかったことによる損害の額
2 特許庁職員の過失により特許権を目的とする質権を取得することができなかったことを理由とする国家賠償請求事件において損害額の立証が困難であったとしても民訴法248条により相当な損害額が認定されなければならないとされた事例
(最高裁平成18年1月24日第三小法廷判決)

○弁済の抗弁の主張及び立証を、時機に後れた防御方法として却下した原審の訴訟指揮が、違法ということはできないとした事例(名古屋高裁平成17年12月9日判決)

○1 民事再生法(平成16年法律第76号による改正前のもの)127条に基づく無償否認について、行為時における再生債務者の債務超過の要否(消極)
2 否認権を行使された相手方において他の再生債権の不存在等を理由に否認権行使の効果を否定することの可否(消極)
(名古屋高裁平成17年12月14日判決)

[行政]
橋本 勇
○1 公立学校施設の目的外使用の許可における管理者の裁量判断は、許可申請に係る使用の日時、場所、目的及び態様、使用者の範囲、使用の必要性の程度、許可をするに当たっての支障又は許可をした場合の弊害若しくは影響の内容及び程度、代替施設確保の困難性など許可をしないことによる申請者側の不都合又は影響の内容及び程度等の諸般の事情を総合考慮してされるものであり、その判断が、重要な事実の基礎を欠くか、又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限って、裁量権の逸脱又は濫用として違法となるとすべきものと解するのが相当である
2 公の施設の使用許可の申請を拒否するには正当な理由の存在を管理者において立証しなければならないわけではない
3 公立小中学校の教職員の職員団体が教育研究集会の会場として市立中学校の学校施設を使用することを不許可とした市教育委員会の処分が裁量権を逸脱したものであるとされた事例
(最高裁平成18年2月7日第三小法廷判決)

○道路を一般交通の用に供するために管理している地方公共団体は、その管理の内容、態様によれば、道路がその事実的支配に属するものというべき客観的関係にあると認められる場合には、道路を構成する敷地について占有権を有する(最高裁平成18年2月21日第三小法廷判決)

越智敏裕
○保険医の登録及び保険医療機関の指定を取り消された申立人による行政事件訴訟法25条に基づく執行停止の申立てが認容された事例(甲府地裁平成18年2月2日決定)

[税法]
立命館大学税法判例研究会

安井栄二
○外国税額控除余裕枠を利用するために行われた外国会社との間のローン契約等は、外国税額控除制度を濫用するものであるとして、その利息収入に係る外国源泉税の税額控除が認められなかった事例(最高裁平成17年12月19日第二小法廷判決)

山名隆男
○本来の納税義務者に対する課税処分について第二次納税義務者がする不服申立ての可否及び不服申立期間の起算日(最高裁平成18年1月19日第一小法廷判決)

奥谷 健
オウブンシャホールディング事件
○外国子会社が親会社の関連会社に、その新株を著しく有利な価額で割り当て、親会社の保有する子会社株式の資産価値を当該関連会社に移転させたことが、法人税法22条2項にいう「取引」に当たるとされた事例(最高裁平成18年1月24日第三小法廷判決)

浪花健三
○民法上の組合を利用した映画フィルムリース契約による減価償却費の計上額を、当組合員である法人の所得の金額の計算上損金の額に算入することが否認された事例(最高裁平成18年1月24日第三小法廷判決)

三木義一
○契約の錯誤無効による更正の請求等が否定された事例(高松高裁平成18年2月23日判決)


[知的財産権]・・・不競法
今給黎泰弘
○被包括関係を解消した天理教の地方分教会が「天理教豊文教会」を宗教法人の名称として用いることは、不正競争防止法による規制の対象とはならないとし、さらに、宗教法人天理教の氏名権を違法に侵害するものでもないとした事例(最高裁平成18年1月20日第二小法廷判決)

小倉秀夫
○医療用医薬品のカプセル及びPTPシートの色彩構成が不正競争防止法2条1項1号の「商品等表示」に当たるとする要件を判示した事例(東京地裁平成18年1月13日判決)

米国注目訴訟
コーポレート・ガバナンス関連/檀 柔正・安達 理
知的財産関連/岩瀬吉和
クラスアクション関連/中野雄介



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