Lexis判例速報のバックナンバー
2006/10/10発売号 (10月号)

Lexis判例速報

 



■Lexis判例速報の目次

注目判決動向
2006年8月3日-2006年9月21日

連載 裁判例総覧
第12回
第2 ゴルフ場の営業譲渡をめぐる裁判例(4)
升田 純

連載 US Case Studies―最新アメリカ判例・裁判情報
第3回
若者向けアパレル会社の雇用および商品販売方法が人種差別的であるとしてクラスアクションが提起され、5000万ドルの支払と差別のない雇用方針の義務付けで和解した事例
―Consent Decree, EEOC v. Abercrombie & Fitch Stores, Inc., Nos. 03-2817-IS, 04-4730 and 04-4731 (N.D. Cal. Nov. 16, 2004).―
関西学院大学米国判例情報研究会
(監修)丸田 隆

米国注目訴訟
コーポレート・ガバナンス関連/檀 柔正・安達 理
知的財産関連/岩瀬吉和
クラスアクション関連/中野雄介

判例解説
[民・商事]
升田 純
○団体定期保険を締結していた会社が従業員の死亡により保険金を受領した場合、死亡した従業員の遺族に対して社内規定所定の給付額を超える保険金の一部相当額の支払義務を認めた原審の判断が違法であるとされた事例(最高裁平成18年4月11日第三小法廷判決)
○共同相続が開始し、共同相続人の1人が、意思無能力である他の共同相続人のために相続税の申告をし、相続税を納付した場合においては、相続税納付の費用の負担状況によっては、事務管理に基づく費用償還請求権が認められる可能性があるとされた事例(最高裁平成18年7月14日第二小法廷判決)
○内閣官房副長官、自由民主党幹事長、同党幹事長代理等を経て、内閣官房長官の要職にある衆議院議員の政策、政治的資質等に関する月刊誌の記事の一部が名誉毀損に当たるとされた事例(東京地裁平成18年4月21日判決)
○1 運送会社、代表取締役、常務取締役の従業員である貨物自動車運転手に対して安全配慮義務違反が肯定された事例
2 貨物自動車運転手が高速道路で過労運転をし、トレーラーに追突し、死亡したことにつき、運送会社、代表取締役、常務取締役の安全配慮義務違反との因果関係が肯定された事例
(東京地裁平成18年4月26日判決)
○健康診断を受けた者が、胸部X線写真に異常陰影が存在していたのに、担当医師がその陰影を見落とし、その翌年に肺がんと診断され、手術を受けたものの、5年生存率が低下し、担当医師、健康診断を実施した市の損害賠償責任が認められる場合について、統計資料によって5年生存率が30%低下したと認め、慰謝料400万円が認められた事例(東京地裁平成18年4月26日判決)
○文部科学省所管の登山研修所が開催した大学の山岳部等の学生を対象とする研修会において、参加学生が雪庇の崩落等によって死亡した事故について、国家賠償責任が肯定された事例(富山地裁平成18年4月26日判決)
○会社の上司による部下に対するセクシュアルハラスメント、パワーハラスメントが認められ、会社、上司の不法行為責任が肯定された事例(京都地裁平成18年4月27日判決)
○生命保険契約上の被保険者の死亡が保険契約者又は死亡保険金受取人の故意により生じたときは、保険金を支払わない旨の特約に該当するとし、保険金の支払の免責が認められた事例(千葉地裁佐倉支部平成18年5月17日判決)
○アダルトビデオに出演する等していた元芸能人につき、週刊誌がその引退後5年余を経て、過去の写真を掲載する等して記事を掲載したことが、同意の範囲を超え、人格的利益の侵害として違法であるとされた事例(東京地裁平成18年5月23日判決)
○婦人科健康診断を受診し、乳房科において乳房のしこりを訴えたものの、異常なしとの所見を得た翌年に乳がんに罹患していることが判明した場合につき、担当医師の乳房X線検査等を実施すべき注意義務違反による過失が否定された事例(東京地裁平成18年5月24日判決)
○ミャンマー国籍の医学生が日本の大学院で研究中に交通事故に遭い、研究修了後、米国に居住している場合について、米国における専門医としての逸失利益が認められた事例(広島地裁平成18年5月29日判決)
○農地につき農業委員会が農地転用届出を受理したため、第三者に売却された場合、農地を賃借していたと主張する者の賃借権侵害による農業委員会の国家賠償責任、不法行為責任が否定された事例(岐阜地裁平成18年6月1日判決)
○市議会議員が補助金の返還をめぐる問題に関する質問内容等を自己の広報誌、ウェブサイトに掲載したことが補助金を受領した者等の名誉毀損に当たるとされ、謝罪広告の掲載請求等が認容された事例(東京地裁平成18年6月7日判決)

[国際民商事]
(監修)櫻田嘉章・渡辺惺之
多田 望
○日本会社に対する貸金返還訴訟と併合提起(後に弁論分離)された韓国会社に対する連帯保証債務履行訴訟について、保証行為を行ったとの客観的事実関係が証明されたとはいえないから、義務履行地及び主観的併合のいずれの裁判籍についても国際裁判管轄を認めることはできないとした事例(東京地裁平成16年10月25日判決)
中野俊一郎
○仲裁契約に基づく仲裁人選定請求に対して、仲裁契約の存否を判断した上、仲裁人の選定を行った事例(東京地裁平成17年2月9日判決)

[行政]
越智敏裕
○土地収用法上の事業認定の要件の審査に当たり、事業により得られる公共の利益は、本件土地が本件事業の用に供されることによって失われる私的な利益及び公共の利益に優越すると認められ、事業認定庁が法20条3号の要件を充たすと判断したことに裁量権の逸脱、濫用があると認めることはできない等とされた事例(圏央道あきる野訴訟控訴審判決)(東京高裁平成18年2月23日判決)
○西大阪高速鉄道株式会社の西大阪延伸線(西九条駅から近鉄難波駅)計画予定地の近隣住民等である原告らが提起した同延伸線の工事施行認可取消請求訴訟で、法人等の原告らについて、原告適格が認められないとして同原告らの訴えが却下され、近隣住民である原告らについて、原告適格は認められるものの、著しい騒音被害発生の蓋然性が認められないなど国土交通大臣の判断に違法な点はないとして同原告らの請求が棄却された事例(大阪地裁平成18年3月30日判決)

[知的財産権]…審決取消訴訟
南 かおり
○商標法3条1項3号に該当し、使用による自他商品識別力を取得したものと認めることはできないとして3条2項にも該当しないとされた審決が、同様の理由により維持された事例(知財高裁平成18年6月12日判決)

[知的財産権]…不競法
市川 穣
○米国法人により製造販売されていた女性用下着(ヌーブラ)の独占的販売権者である原告が、類似商品を販売する被告を不正競争防止法2条1項1号、同2号及び同3号に違反するとして損害賠償請求及び差止請求を認めなかった事例(大阪高裁平成18年4月19日判決)
今給黎泰弘
○訪問介護事業所の従業員が退職後同種の事業を開始し、ヘルパーや従来の利用者が新会社へ移ったことに関して、利用者名簿の「営業秘密」該当性を否定し、さらに不法行為責任も否定した事例(東京地裁平成18年7月25日判決)



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