Lexis判例速報のバックナンバー
2006/11/10発売号 (11月号)

Lexis判例速報

 



■Lexis判例速報の目次

注目判決動向
2006年9月4日-2006年10月20日

連載 裁判例総覧 第13回
第3 現代型プライバシーの侵害(1)
升田 純

連載 US Case Studies
―最新アメリカ判例・裁判情報
第4回
連邦商標希釈化法(FTDA法)および合衆国憲法修正1条等との関係で、「Nissan Computer Corp.」という営業表示の使用、日産自動車株式会社に対する批判文を掲載したサイトへのリンクを「nissan.com」のサイトに置く行為等が問題となった事例
―Nissan Motor Co. v. Nissan Computer Corp.,
378 F. 3d 1002, 2004 U.S. App. LEXIS 16212,
72 U.S.P.Q. 2d (BNA) 1078 (9th Cir. Cal. 2004).
Writ of certiorari denied, 544 U.S. 974, 125 S. Ct. 1825,
161 L. Ed. 2d 723, 2005 U.S. LEXIS 3332, 73 U.S.L.W. 3619 (2005)―
関西学院大学米国判例情報研究会
(監修)丸田 隆

米国注目訴訟
コーポレート・ガバナンス関連/檀 柔正・安達 理
知的財産関連/岩瀬吉和
クラスアクション関連/中野雄介

判例解説
[民・商事]
升田 純
○1 先順位に譲渡担保が設定されている集合動産につき、後順位の譲渡担保権者による譲渡担保権の私的実行の可否(消極)
2 集合動産の譲渡担保の設定者が通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合における目的物の所有権の承継取得の可否(消極)
(最高裁平成18年7月20日第一小法廷判決)

○保存された男性(夫)の精子を用いてその死後に行われた人工生殖により女性(男性の生前の妻)が懐胎し、出産した子とこの男性との間における、認知による法律上の親子関係の成否(最高裁平成18年9月4日第二小法廷判決)

○建物の建築工事の請負契約に先立ち、建具を納入する下請業者が建物の設計業者の依頼と施主の了承を得て建具の納入につき準備作業を開始していたところ、下請業者の支出費用の補填等の措置を講ずることなく施工計画を中止した施主の行為が不法行為に当たるとされた事例(最高裁平成18年9月4日第二小法廷判決)

○「すべての偶然な事故」によって生じた損害に対して保険金を支払い、保険契約者、被保険者、又はこれらの法定代理人、保険契約者、被保険者が法人であるときは、その理事、取締役等(保険契約者等)の故意又は重大な過失によって生じた損害に対しては保険金を支払わない旨の定めのあるテナント総合保険普通保険約款を有する加盟店総合保険契約に基づく火災に係る保険金が請求された場合における、事故の発生が保険契約者等の意思に基づかないものであることの保険金を請求する者による主張・立証責任(最高裁平成18年9月14日第一小法廷判決)

○営業用建物の賃貸借契約において、賃借人が通常損耗分の原状回復費用を負担する旨の特約の成立が否定された事例(大阪高裁平成18年5月23日判決)

○5歳の幼児の火遊びにより隣接建物に延焼した火災事故につき、母親の監督上の重過失が認められ、監督義務者の責任が肯定された事例(大阪高裁平成18年6月22日判決)

○1 狩猟を行っていた者が狩猟中、鹿と誤認して人を散弾銃で射殺した事故につき、狩猟を行った者の不法行為が認められた事例
2 散弾銃につき銃砲刀剣類所持等取締法所定の所持許可が失効した後に前記事故が発生した場合について、所持許可を所管する公安委員会等の担当者の職務上の義務違反が認められたものの、前記事故発生との因果関係が否定された事例
(名古屋地裁平成18年4月28日判決)

○1 インターネット接続サービス、これに付随するメールサーバーのレンタル等の総合電気通信サービスを提供する事業を展開する電気通信事業者が多数の会員の個人情報を漏洩したことにつき不法行為が認められた事例
2 会員の住所、氏名、電話番号、メールアドレス、ヤフーメールアドレス、ヤフーID、申込日の漏洩がプライバシー権の侵害に当たるとされた事例
3 前記プライバシーの侵害による慰謝料が5000円であるとされた事例
(大阪地裁平成18年5月19日判決)

○レーザー光線を利用した脱毛機の売買契約について、売主の勧誘による内容の脱毛効果が得られない性能であるとし、要素の錯誤が認められた事例(名古屋地裁平成18年6月30日判決)


○「カタロくじ事業」と称する事業を行い、契約者に契約金を支払わせていた会社、その代表取締役、契約勧誘の説明者の共同不法行為が認められた事例(さいたま地裁平成18年7月19日判決)

○幼稚園児が幼稚園内において他の園児に衝突され、頭を強打し、病院に搬送され、各種検査を受ける等の治療を受けたところ、その約9年後にてんかんに罹患した場合について、病院の治療上の過失はなく、現在の症状と事故との間の因果関係が認められないとし、病院の使用者責任、園児の両親の不法行為責任が否定された事例(東京地裁平成18年7月19日判決)

○1 会社の代表者が取締役を兼務する幹部従業員に対して罵倒し、煙草の火を押し付け、うつ病のため休暇をとっていたのを取り止めさせる等したことが不法行為に当たるとされた事例
2 前記の不法行為とうつ病の発症との因果関係を否定したが、一部の不法行為とうつ病の慢性化との間の因果関係が認められた事例
(京都地裁平成18年8月8日判決)

[民事手続]
慶應義塾大学民事手続判例研究会
(監修)三木浩一
○上告審は、判決で訴訟の終了を宣言する前提として原判決を破棄する場合には、口頭弁論を経ることを要しない(最高裁平成18年9月4日第二小法廷判決)

○強制執行を受けた債務者が、その請求債権につき強制執行を行う権利の放棄又は不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合には、執行抗告又は執行異議の方法によることはできず、請求異議の訴えによるべきである(最高裁平成18年9月11日第二小法廷決定)

[行政]
橋本 勇
○公道との接続部分として利用するため、国家公務員宿舎の敷地として利用されている国有地ではなく、これに隣接する民有地を公園の区域に含むものと定めた都市計画決定について、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものということはできないとした原審の判断に違法があるとされた事例(最高裁平成18年9月4日第二小法廷判決)

[税法]
立命館大学税法判例研究会

伊川正樹
○租税特別措置法35条の適用に関し、譲渡財産が居住用財産であるか否かの立証責任は納税者にあると判断した事例(名古屋地裁平成18年2月23日判決)

安井栄二
○厚生年金基金の解散に伴う残余財産の分配金の所得区分(東京地裁平成18年2月24日判決)

[知的財産権]…審決取消訴訟
上沼紫野
○第9類に属する商品を指定商品とする“Anne of Green Gables”という商標の登録が国際信義に反してなされたものであり、商標法4条1項7号の規定に違反して無効とする審決が維持された事例(知財高裁平成18年9月20日判決)

[知的財産権]…不競法
橋口尚幸
○特許権者が、競合他社の取引先へ特許権侵害の警告状を送付したことが、その後当該特許権が無効と判断されたにもかかわらず、当該競合他社との関係で不正競争防止法2条1項14号の不正競争行為には該当しないと判断された事案(東京地裁平成18年8月8日判決)

[知的財産権]…著作権等
小倉秀夫
○プロ野球選手はその所属球団にその氏名・肖像について独占的包括許諾を行ったものと認定された事例(東京地裁平成18年8月1日判決)



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