Lexis判例速報のバックナンバー
2007/06/10発売号 (20号)

Lexis判例速報

 



■Lexis判例速報の目次

注目判決動向
2007年4月12日-2007年5月24日

■連載
◇裁判例総覧 第18回
第3 現代型プライバシーの侵害(6)
升田 純

◇US Case Studies
―最新アメリカ判例・裁判情報
第11回
殺人事件の被害者の遺族たちが、公判で被害者の写真が印刷されたバッジ(buttons)を着用して傍聴人席に着席する行為は、被告人に対する偏見を陪審員に与えるものとはいえないとされた事例
―Carey v. Musladin, 127 S.Ct.649, 2006 U.S. LEXIS 9587(2006)―
関西学院大学米国判例情報研究会
(監修)丸田 隆

◇米国注目訴訟
コーポレート・ガバナンス関連/檀 柔正・安達 理
知的財産関連/岩瀬吉和
クラスアクション関連/中野雄介

■判例解説
◇[民・商事]
升田 純
○ポリープの摘出手術を受けた患者が数日後に出血性ショックにより死亡した医療事故につき、担当医師の追加輸血を行うべき過失に関する専門家である医師の作成に係る意見書を比較検討等しないで過失を否定した原審の判断に採証法則に違反する違法があるとされた事例
(最高裁平成18年11月14日第三小法廷判決)
○ポイント制を採用する外国語会話教室の受講契約の中途解除において、受講契約の締結時におけるポイント単価よりも高額の単価を基礎として使用済ポイント数の控除額を算定することとなる受講契約上の清算規定が特定商取引に関する法律49条2項1号に反して無効であるとされた事例
(最高裁平成19年4月3日第三小法廷判決)
○被保険自動車の盗難を保険事故とする家庭用総合自動車保険契約においては、車両保険金の支払を請求する者は、「被保険者以外の者が被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったこと」という外形的な事実を主張、立証すれば足り、被保険自動車の持ち去りが被保険者の意思に基づかないものであることを主張、立証すべき責任を負わない
(最高裁平成19年4月17日第三小法廷判決)
○1 被保険自動車の盗難に係る保険金請求者の主張・立証責任の内容
2 被保険自動車の盗難の事実を推定した原判決の判断が破棄された事例
(最高裁平成19年4月23日第一小法廷判決)
○内縁の夫の運転する自動車に同乗し、第三者の運転する自動車に衝突された事故において、内縁の妻の第三者に対する損害賠償額を定めるに当たっては、内縁の夫の過失を過失相殺することができるとされた事例
(最高裁平成19年4月24日第三小法廷判決)
○自動継続定期預金契約における預金払戻請求権の消滅時効は、預金者による解約の申入れがされたことなどにより、それ以降自動継続の取扱いがされることのなくなった満期日が到来した時から進行する
(最高裁平成19年4月24日第三小法廷判決)
○ドキュメンタリー番組の企画につき長期にわたって取材に協力したところ、当初説明されたものと異なる内容の番組が放送された場合について、テレビ放送をしたテレビ局、番組制作業者等の取材協力者に対する期待権侵害の共同不法行為が認められた事例
(東京高裁平成19年1月29日判決)
○1 競走馬の手術につき獣医師の過失と安楽死との因果関係が肯定された事例
2 競走馬の死亡による損害賠償として、休業損害、逸失利益、種牡馬としての価値の喪失の損害が認められた事例
(札幌高裁平成19年3月9日判決)
○第三者による放火によって建物が全焼した保険事故について、保険契約者の代表者が第三者に依頼したものであると推認し、保険者の免責事由が認められた事例
(札幌高裁平成19年3月16日判決)
○銀行の株式を購入する等した者が銀行の経営破綻により損害を被った場合について、監査法人のした有価証券報告書中の無限定適正意見が虚偽記載に当たらないとし、監査法人の証券取引法24条の4、民法709条所定の損害賠償責任が否定された事例
(東京地裁平成18年9月27日判決)
○自動車の盗難事故を理由とする自家用自動車総合保険契約に基づく保険金の請求について、第三者による自動車の持ち去りが認められないとし、請求が棄却された事例
(さいたま地裁平成19年1月17日判決)

◇[民事手続]
慶應義塾大学民事手続判例研究会
(監修)三木浩一
○1 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等と受送達者との間にその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある場合における上記書類の補充送達の効力
2 受送達者あての訴訟関係書類の交付を受けた同居者等がその訴訟に関して事実上の利害関係の対立がある受送達者に対して上記書類を交付しなかったため、受送達者が訴訟提起を知らないまま判決がされた場合と民訴法338条1項3号の再審事由
(最高裁平成19年3月20日第三小法廷決定)

◇[知的財産権]…特許権
岩原将文
○1 100円ショップ最大手のダイソーで被告製品が販売されていたこと等から、特許法102条1項ただし書における特許権者が販売することができないと認められる数量が販売総数の99%であるとして、損害賠償額が大幅に減額された事例
2 特許法102条1項ただし書における特許権者が販売することができないと認められる数量分について、特許法102条3項に基づく実施料相当額が認められなかった事例
(大阪地裁平成19年4月19日判決)

◇[知的財産権]…審決取消訴訟
東谷幸浩
○同日付で出願され、審査官の過誤によって重複登録された商標登録について、商標法8条2項及び同5項に違反するとの無効審判の請求が棄却された事例
(知財高裁平成19年4月26日判決)

◇[知的財産権]…著作権
小倉秀夫
○宗教法人の会長の写真を何者かが改変してネット上にアップロードした画像データを複製して当該会長を批判するウェブサイトに掲載する行為が複製権侵害、公衆送信権侵害に当たるほか、同一性保持権侵害にも当たるとされた事例
(東京地裁平成19年4月12日判決)

◇[行政]
橋本 勇
○厚生年金保険の被保険者である叔父が死亡した場合に、同人と内縁関係にあった姪が遺族厚生年金を受けることができる配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者)に当たるとされた事例
(最高裁平成19年3月8日第一小法廷判決)
越智敏裕
○産業廃棄物処理施設の周囲3km以内に居住又は勤務する住民に産業廃棄物処分業変更許可取消訴訟の原告適格を認めた上で、法律所定の許可を受けていない施設を「その事業の用に供する施設」としてなされた産業廃棄物処分業変更許可は違法を帯びるとされた事例
(さいたま地裁平成19年2月7日判決)

◇[税法]
立命館大学税法判例研究会
浪花健三
○相続により平成10年4月1日以降に取得した減価償却資産である建物は、当該資産について被相続人が選定した減価償却方法(定率法)を承継することはできず、所得税法施行令120条1項1号ロが、定額法による旨定めたことが憲法84条等に違反すると解することはできないとした事例
(東京高裁平成18年4月27日判決)
大森 健
○分掌変更による役員退職給与が実質的に退職したと同様の事情に該当しないとされた事例
(大阪高裁平成18年10月25日判決)
伊川正樹
○知的障害児施設についての児童福祉施設負担金が所得税法73条の医療費控除の対象にならないとされた事例
(那覇地裁平成18年7月18日判決)
望月 爾
○入湯税相当額を消費税等の課税標準額に含めた課税処分を違法として取り消した事例
(東京地裁平成18年10月27日判決)



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