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■Medical Bioの目次
◆【特別インタビュー】Special Interview
中川正春 文部科学副大臣に聞く
─事業仕分け, ポスドク問題, 最先端研究開発プログラム
…聞き手:斉藤勝司(サイエンス・ライター)
昨年11月に開催された行政刷新会議の事業仕分けでは,科学技術関連予算が俎上にのぼり,予算計上の見送りや大幅な縮減との表決が出された。これを第一線の研究者がこぞって批判するなど,議論百出となった。文部科学省の中川正春副大臣に,事業仕分け後の科学技術関連予算の行方についてうかがった。
◆【特集】Special Issue
ウイルス感染による発がんメカニズム
─発がん機構の解明と予防・治療へ向けて─
わが国における2009年の悪性新生物(がん)による死亡数は34.4万人(全体の30%)と推計され死因第1位であり,1981年以降, 死因トップの座にある。ウイルス感染を原因とするがんのなかで,C型肝炎ウイルスによる肝がんが,医療行為の普及によって感染拡大しつつある。また,性行為で感染するパピローマウイルスを原因とする子宮頸がんも静かに拡がりつつあり,社会的な課題となっている。本特集では,ウイルス感染による発がんのメカニズムに注目し,その解明にもとづくワクチン開発やウイルスを利用したがんの治療法を紹介する。
(1)ウイルス感染による発がんメカニズム―特集にあたって―
…松岡雅雄:京都大学 ウイルス研究所
ウイルス感染は,がんの原因として大きな部分を占めている。その重要性は,ウイルス研究が発がん機構の解明に寄与するということだけではなく,ウイルスによっておこるがんは予防可能であり,将来のがん発生の減少に直結するという点である。
(2)エプスタイン・バーウイルス(EBV)による発がん
…勝村紘一 高田賢藏:北海道大学 遺伝子病制御研究所 癌ウイルス分野
エプスタイン・バーウイルス(EBV)は,ヒトがんウイルスとして最初に同定されたウイルスである。EBVは,バーキットリンパ腫や日和見リンパ腫,上咽頭がんなど,さまざまな腫瘍性疾患に関与している。その発がん機構の解明は,これらの疾患の治療法開発につながると期待され,精力的になされてきた。
(3)C 型肝炎ウイルス(HCV)による発がん
…小池和彦:東京大学 大学院医学系研究科 消化器内科学
C型肝炎ウイルス(HCV)のコアタンパク質が生体内で肝がんを誘発する作用をもち,HCVが肝発がんにおいて「直接的役割」をはたすことが示されている。コアタンパク質は,酸化ストレスを引きおこし,細胞遺伝子に変異を誘発する一方,細胞遺伝子発現,シグナル伝達修飾,肝細胞増殖をもたらす。
(4)ヒトパピローマウイルス(HPV)による発がん
…齋藤真子 清野 透:国立がんセンター研究所 ウイルス部
内臓脂肪の蓄積によって引きおこされるメタボリックシンドロームは,糖尿病,高脂血症,高血圧症,動脈硬化性疾患への進展もきたすためその予防が重要である。メタボリックシンドロームに対する予防医学として,私たちがおこなっているSNP解析とその臨床応用について紹介する。
(5)ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)による発がん
…佐藤賢文 松岡雅雄:京都大学 ウイルス研究所 ウイルス制御研究領域
HTLV-1感染者の大部分は,病気をおこさない無症候性キャリアであるが,一部の感染者に白血病や慢性炎症性疾患を引きおこす病原性をもっている。本稿では,HTLV-1によるT細胞腫瘍化機構に関して最近の知見を中心に紹介し,今後の課題について考察する。
(6)弱毒化単純ヘルペスウイルスを用いた悪性腫瘍治療
…藤原多子 那波明宏:名古屋大学 大学院医学系研究科 産婦人科学
五島 典 西山幸廣:名古屋大学 大学院医学系研究科 ウイルス学
近年ウイルスの特性を利用した,新たながん治療法の研究が精力的に進められている。腫瘍溶解性ウイルス療法は,ウイルスの増殖によってがんの細胞死を引きおこす新規の治療法である。本稿では,腫瘍溶解性ウイルス療法の現状,および腫瘍溶解性ウイルスHF10について概説する。
(7)ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの開発
…神田忠仁:国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター
ヒトパピローマウイルス(HPV)は,ヒトの皮膚や粘膜に感染し,イボなどの良性病変や子宮頸がんの原因となる。発がん性をもつ高リスク型HPV 群が特定され,その一部の感染を予防するワクチンが開発され,がんを予防するワクチンとして期待されている。ワクチン開発の経緯と残された課題を解説する。
◆【解説】Mining Column
筋ジストロフィー患者由来のiPS細胞における遺伝子修復
─ヒト人工染色体ベクターによる新たな遺伝子治療戦略の
可能性─
…香月康宏 押村光雄:鳥取大学 大学院医学系研究科 機能再生医科学専攻/ 鳥取大学 染色体工学研究センター
自己の細胞から誘導できるiPS細胞は,遺伝子治療のソースとして期待が高まっている。一方,デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)などの原因遺伝子サイズが巨大な疾患では,完全な遺伝子修復が困難である。筆者らは近年,DMD患者由来のiPS細胞で欠損している原因遺伝子を,独自に開発したヒト人工染色体ベクターを用いて完全に修復する技術を開発した。
◆【技術コラム】
マイクロ流路チップを用いた小型フローサイトメーター
FISHMAN-R
…本間 賢:株式会社 オンチップ・バイオテクノロジーズ
◆【連載】Serial Articles
新ミクログラフィア
カタツムリのなかのコルチ器
…牛木辰男・甲賀大輔:新潟大学 大学院医歯学総合研究科 顕微解剖学分野
細胞操作技術の最前線
細胞治療技術─肝硬変も治る時代へ,自己細胞で肝炎治療
…高見太郎:山口大学 医学部附属病院 検査部
寺井崇二 坂井田 功:山口大学 大学院医学系研究科
プレカーサー(先駆者)
腸管免疫が異物を取り込むメカニズムを解明
大野博司氏(理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター)
…斉藤勝司:サイエンスライター
生命科学者のための疫学入門
疫学研究方法論(1)概要─疫学研究デザインそれぞれの長所・短所を考える
…西 信雄:国立健康・栄養研究所 国際産学連携センター
Sayer Says!
師との関係法
…斎藤成也:国立遺伝学研究所 集団遺伝研究部
自閉症を科学する─精神神経疾患への生物学的アプローチ
自閉症の病態―有効な治療薬からの考察
…阿部敏明:保健医療・福祉施設あしかがの森常勤顧問
石浦教授のEnjoy!生命科学
既知薬の思いがけない新標的
…石浦章一:東京大学大学院総合文化研究科
生命科学者のための創薬化学ABC
抗ウイルス薬―最小・最強の敵と闘う医薬
…佐藤健太郎:サイエンスライター
科学広報奮闘記 ─ラボと世間の狭間から
テレビ取材を受ける
…長神風二:東北大学 脳科学GCOE
◆【社会との接点】Social Impact
海外ヘッドライン de ライフサイエンス
「与えざる者,受けるべからず」!?
再編される臓器移植のルール
…粥川準二:科学ジャーナリスト
バイオベンチャー・ウォッチ
アキュセラ社が加齢黄斑変性治療薬のフェーズⅡ試験を開始
…水月ゆう子:バイオベンチャー・ウォッチャー
医療・医科学政策,ここが焦点
深刻化する医師不足とメディカルスクール(後編)
…NPOサイコム・ジャパン
ライフサイエンスQ&A
世界一薄い「ナノ絆創膏」って,どんなもの?/感染症対策の効果とは?
【書評】Book Shelf
『新薬ひとつに1000億円!?』『医薬品クライシス』
『「物質」から「生命」へ』ほか
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