ハーバードビジネスレビュー日本版のバックナンバー
2007/09/10発売号 (2007年10月号)

ハーバードビジネスレビュー日本版

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■ハーバードビジネスレビュー日本版の目次

特集:お客様主義 経営論

Feature Articles

調整、協力、ケイパビリティ、協業
カスタマー・フォーカスの四C

ランジェイ・グラティ ノースウェスタン大学 ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント 教授

顧客からの低価格圧力と過当競争の激化に直面して、多くの企業が、製品やサービスの単品販売から、これらを複合させたソリューション販売に転換を図りつつある。しかし、その先鞭をつけたゼネラル・エレクトリックですら、最初は思惑どおりの成功を収めたが、うまくいかなかった。なぜか。その最大の障害は、縦割りの組織構造にあった。カスタマー・フォーカス・ソリューションは、四つのC、すなわち、「調整」「協力」「ケイパビリティ」「協業」があり、これらすべてに改革のメスを入れることで実現する。本稿では、GEヘルスケア、JLL、スターバックスが、いかにソリューション志向の組織へと転換を図ったかについて、その失敗も含めて、詳細に解説する。

全社的な取り組みがカギ
顧客経験のマネジメント

クリストファー・メイヤー ストラテジック・アラインメント・グループ 会長
アンドレ・シュワッガー サトメトリクス・システムズ 創設者

顧客満足は、顧客の「期待」と「経験」が一致した時に高まる。顧客の期待を調査・分析する企業は多いが、顧客の経験となると稀である。顧客のほとんどがその顧客経験に不満を抱いているにもかかわらず、企業のほとんどが顧客経験を勘違いしている。製品やサービスの過剰機能や機能過多、条件のわかりにくい特典、人が対応するまで延々とボタンを押させる自動応対サポートなど、どれも顧客経験を見失っている証拠にほかならない。不愉快な顧客経験は、満足度を低下させるばかりか、離反を促す。

企業は無意識に顧客を搾取している
お客様が敵に変わる時

ゲイル・マクガバン ハーバード・ビジネススクール 教授
ヤンミ・ムン ハーバード・ビジネススクール 教授

意図的かどうかにかかわらず、多くの企業が、顧客がミスを犯すことを期待している。事実、携帯電話サービス、銀行、スポーツ・ジムなど、いくつかの業界では、料金プラン、最低口座残高、長期契約など、複雑でわかりにくい契約によって、顧客の判断ミスやルール違反を誘い、これを通常よりも高い収益源としている。しかしその結果、短期的には儲かるが、不満を募らせた顧客を敵に回し、訴訟を起こされたり、善意のライバルに乗り換えられたりする。ヴァージン・モバイルUSAやINGダイレクトなど、顧客本位のシンプルなビジネスモデルを武器にした企業が伸びているのは、既存のビジネスモデルに不満を感じていた顧客の支持を集めたためだ。

【名著論文再掲】売った後が肝心
顧客との絆をマネジメントする

セオドア・レビット 元 ハーバード・ビジネススクール 名誉教授

セオドア・レビットが一九六〇年、『ハーバード・ビジネス・レビュー』に歴史的名著論文「マーケティング近視眼」を発表するまで、マーケティングは主要な機能として認識されていなかった。時代に先駆けたコンセプトを次々と発表したレビットだが、いち早く現在のCRM(顧客リレーションシップ・マネジメント)のアイデアを提示したのが、八三年に発表した本稿である。今後、製品の価値は技術とサービスに負うところが大きくなることを予見し、顧客と企業の商品購入後のリレーションが成功の秘訣であることを示唆した。

大手セメント・メーカーの脱コモディティ経営
B2B企業のマーケティング化

フランソワ・M・ジャック ラファージュ・グループ シニア・バイス・プレジデント

マーケティングと営業は似て非なるものである。とりわけ産業財の世界では、これら二つの職能を混同し、顧客の言いなりになることが顧客ニーズに応えることであり、顧客のご機嫌取りが顧客リレーションシップのカギであると誤解している、マーケティング不在の企業が少なくない。セメント業界最大手のラファージュ・グループもその一つだった。コモディティ化に苦しむ同グループのセメント部門は、二〇〇二年、マーケティング志向の組織へと生まれ変わるために、CMO職を新設し、ここにマッキンゼーの元コンサルタントを起用して、五カ年計画のプロジェクトを始動させた。本稿は、このプロジェクト・チームが、いかにマーケティングの文化を定着させていったかの物語である。

「買わせる」のではなく「買いたくさせる」
ロー・プレッシャー営業

エドワード・C・バースク 元 ハーバード・ビジネススクール 教授

デパートやブティックに出かければ、必ず売り込みに出くわす。ファスト・フードや高級レストランでも、また家にいても、会社に行っても売り込みに遭う。そのスタイルは、辟易とするものから、スマートなものまでさまざまだが、あの手この手を弄して顧客に売りつける営業を「ハイ・プレッシャー営業」、顧客が買いたくなるように促す営業を「ロー・プレッシャー営業」という。本稿は一九四七年のものだが、二一世紀のいまを見回しても、ハイ・プレッシャー営業は絶滅するどころか、捲土重来している。「売ってさよなら、買わせてさよなら」の営業の限界を指摘し、誠実さと率直さを武器にしたロー・プレッシャー営業の有効性を考える。

生産性向上のためのTOPSアプローチ
科学的営業のすすめ

ダイアン・レディンガム ベイン・アンド・カンパニー パートナー
マーク・コバチ ベイン・アンド・カンパニー パートナー
ハイディ・ロッキー・サイモン ベイン・アンド・カンパニー パートナー

売上げは、営業の力が大きく影響する。しかし、ガンバリズムやトップ営業マンに頼った営業はいい加減限界を迎えており、賢い企業はすでに方向転換を図っている。GEコマーシャル・ファイナンス、シスコシステムズ、シティグループ、SAPアメリカなどの企業では、データと科学的分析を駆使して市場や顧客基盤を見直し、生産性を改善している。これら科学的営業を導入している企業を詳しく調査したところ、筆者らが「TOPSアプローチ」と呼ぶ施策を実践していた。


OPINION

社会起業家の時代

ウィリアム・ドレイトン アショカ財団 CEO兼創設者

HBR Articles

野放図な権限委譲が凋落を招いた
マークス&スペンサー 復活の秘密

スチュアート・ローズ マークス・アンド・スペンサー CEO

イギリス文化を象徴する小売業大手として一〇〇年以上の歴史を持つマークス・アンド・スペンサーは、一九九八年に同国小売業史上最高益を記録したのをピークに、以来長い低迷にあえいでいた。商品や店舗は流行に乗り遅れ、社員のモチベーションも低下し、すっかり以前の輝きを失っていた。二〇〇四年、有力投資家がしかけたTOBの危機に瀕し、急遽招請された一人のCEOによって再生への取り組みが始まる。それは「商品」「店舗」「サービス」という小売業の原点を立て直すものだった。

人材投資のパフォーマンスを最大化する
HCM 人的資本の成熟度評価

ローリー・バッシ マクバッシ・アンド・カンパニー 共同創設者兼CEO
ダニエル・マクマラー マクバッシ・アンド・カンパニー リサーチ担当バイス・プレジデント

高賃金の先進国企業に残された道は本質的には一つしかない。それは、人的資本を競争優位の基盤とすることである。しかし、人材はいまだ間接費と見る企業が多く、資本として投資・管理している企業は少ない。本稿で紹介するHCM(人的資本マネジメント)測定法は、過去五年間にわたる四二組織の分析結果を踏まえて開発されたもので、業績に大きく影響を及ぼすHCM要因を特定し、その改善によって組織全体のパフォーマンスを向上させる。なお、自社のHCM成熟度を測定するための簡易ツールを併載する。

Serial Article

立石一真ものがたり できませんと云うな
【第四回】プロデューサー・システム

湯谷昇羊 ダイヤモンド社 論説委員

三三人で再建をスタートさせた一真は、創業二〇周年となる一九五二年(昭和二七年)に「会社再建」を宣言する。またオートメーションの現状を視察するためにアメリカに赴き、そこで大いに啓発された一真は、帰国後さっそく組織改編、人事考課制度や予算管理を導入。そしてかの有名な「プロデューサー・システム」(分権制による独立専門工場方式)が開発された。

BRAIN FOOD

コンサルタントいらずのROI改善法

マルゴー・クバル クバル・フォン・ハプスブルク・グループ 創業者兼CEO
ジョン・A・クウェルチ ハーバード・ビジネススクール 教授

アフリカは有望な投資対象である

ビジェイ・マハジャン テキサス大学オースティン校 マコモス・スクール・オブ・ビジネス 教授

情報検索サイトと企業の共生

デイビッド・ワインバーガー ハーバード・ロー・スクール バークマン・センター・フォー・インターネット・アンド・ソサイエティ 研究員

マーケティングと経理のジレンマ

ジョナサン・ノールズ タイプ2コンサルティング 創立者兼CEO
リチャード・エッテンソン サンダーバード国際経営大学院 准教授

ポッドキャスティング研修の時代

アンダース・グロンステット グロンステット・グループ社長

転職組の管理職がつまずく理由

マイケル・D・ワトキンス ジェネシス・アドバイザーズ共同設立者

生物も企業も失敗する運命にある

ポール・オームロッド 経済学者

従業員に愛される企業は業績が高い

ゲイリー・デイビス ほか マンチェスター・ビジネススクール 教授

顧客教育でロイヤルティを高める

サイモン・J・ベル ほか ケンブリッジ大学 ジャッジ・ビジネススクール 上級講師

CHIEF OFFICERS

組織への共感を育み、人材活性化に取り組む

内田士郎 ベリングポイント 代表取締役社長


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  • 総合評価:★★★★ 4.0
  • 投稿数:121
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読者レビューは他のお客様によって書かれたものです。感想には個人差がありますのでご了承ください。

ビジネスマンの働き方・生き方のヒントが満載
投稿日 2012/05/15
投稿者 mitsu
会社員
★★★ 3.0

ビジネスに限らず、幅広く「仕事と人生」の切り口で書かれた論文は非常に興味深く、自分の組織や上司のマネジメントスタイルを分析するのに有益である。特にグローバル企業への脱皮をはかる多くの企業の課題がわかり、その過酷な競争に勝つためのヒントも多い。グローバルを舞台に活躍したい人には必読の雑誌といえる。

テーマが深いです。
投稿日 2012/03/10
投稿者 みつみつ
会社員
★★★★★ 5.0

1つのテーマをいろいろな観点から深掘りされており読みごたえがあります。

流されない思考をもつため
投稿日 2011/11/13
投稿者 gari
会社員
★★★ 3.0

日々の仕事に忙殺されているなかで、本質的な思考が何か考えるきっかけを与えてくれる良書。すべてを理解をするのは難しいが、自分の仕事に直接かかわる部分を精読している。

おもしろビジネス誌
投稿日 2011/06/10
投稿者 富士ハーネス
課長
★★★★★ 5.0

ハーバードビジネスレビューという、名称から少々底知れない格調の高さを想像した自分ですが、内容はなんと平易かつ親しみやすい雑誌でしょうか!以前聞いたことがある内容でも、再度あらためて執筆陣の絢爛な文章よりレビューすることにより、仕事にも日常にも、また思考にもすぐ反映できそうな内容ばかりです!

自信がつく!
投稿日 2011/06/03
投稿者 ひろきち
会社員
★★★★★ 5.0

毎号楽しみにしています。複雑な現代社会を生き抜く自信がつきます。

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