【特集】知っておきたい心不全治療薬の目的と使い方
企画編集/佐藤直樹
〈目次〉
ますます増え続ける心不全患者にいかに対応していくかが大きな課題となっています。その背景には,高血圧,糖尿病といった生活習慣病や,心不全の起因として今一つ認知されていない心房細動,睡眠時無呼吸症候群を有する患者さんが非常に多いこと,さらに,2025 年問題で注目されている超高齢社会があります。この背景を踏まえて,心不全患者が増加し続け,対応ができなくなる状況が差し迫っています。これが,心不全パンデミックです。
これらに対して,心不全チームとして多職種による介入も普及してきてはいますが,限られた人的資源では到底,心不全パンデミックには対応できません。それを解決する手段として,心不全をしっかりと理解し,心不全の啓発や治療法について,専門外の医療スタッフや一般市民に伝えることができる人材を広く,しかも早急に育成していく必要があります。このような状況において,循環器疾患にかかわっている看護師のみならず,看護師のすべての方が,この心不全認知活動においてきわめて重要な立ち位置にいます。多くの看護師の皆さんが,心不全治療の基本である薬物療法について,基本的な考え方を踏まえ,どうしてこの薬が必要で,使われているのかを理解し,最適な治療を築く一端を担い,患者さんや家族に薬物治療の重要性を的確に伝えらえるようになることが今後増々求められるようになります。
このような背景を踏まえて,日本の心不全領域のエキスパートの先生方に,薬剤各種について,一人でも多くの看護師が「そういうことだったのね!」と理解し,誰にでもわかりやすく説明ができるようになるための知識とコツをご解説いただきました。本特集が読者の皆さんの日常臨床に役立ち,一人でも多くの患者さんに反映されれば,編集者の望外の喜びです。最後に,大変お忙しいなか,執筆いただいたエキスパートの先生方に心より御礼申し上げます。
佐藤直樹
(日本医科大学 循環器内科学 教授)
〈目次〉
〔静注薬編〕
1. 利尿薬
2. 血管拡張薬
3. 強心薬
4. 抗不整脈薬
〔経口薬編〕
1. アンジオテンシン変換酵素阻害薬・アンジオテンシン?受容体拮抗薬
2. 抗アルドステロン薬
3. β遮断薬
4. 利尿薬
5. 強心薬
6. 抗不整脈薬
Heart(循環器ナーシング)の内容
- 出版社:医学出版
- 発行間隔:不定期
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