KOKKO(こっこう) 発売日・バックナンバー

全61件中 1 〜 15 件を表示
[第一特集]2024年版「税制改革の提言」
●人権保障のための税制へ
中村芳昭/伊藤周平/唐鎌直義

2024年からNISA(個人投資家のための税制優遇制度)の非課税枠が拡充され、「老後資金2000万円問題」などで広がった将来不安を背景に、政府・メディアがこぞって「貯蓄から投資へ」と国民を駆り立てています。NISA口座は23年9月時点ですでに2000万口座(一般+つみたて)・買付額34兆円を超えました。株価高騰の要因とも指摘されています。
庶民や一般労働者までが、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)などで個人投資による生活防衛を強いられる状況は、ある意味で異常です。裏を返せば、国民が税制による再分配と社会保障機能を信頼していない証左であり、それをさらに促進する日本政府の責任放棄が際立ちます。
「税制改革の提言」では毎年、基本的人権を保障するための応能負担の税制改革の方向を示していますが、今年は納税者の権利や社会保障のあり方・財源問題についても特別寄稿で論じています。誰もが安心して暮らせる社会に向けて、「公共」を支える税のあるべき姿を考える特集です。


[第二特集]ジェンダー平等へのアップデート
●深刻な性差別をなくすために
青龍美和子/中村果南子/岡野八代

芸能界の性暴力事件から労働現場のセクハラ、男女格差に至るまで、ジェンダーに関連するさまざまな問題がマスコミやSNS上で話題にならない日はありません。過去最低となったジェンダーギャップ指数(日本は146か国中125位、2023年)を持ち出すまでもなく、日本社会は各分野においてジェンダー差別がデフォルトといえるような状況が続いてしまっています。こうした状況を改善するため、国公労連は「ジェンダー平等宣言」の職場採択運動(今号の大門論考参照)をすすめています。そして、ジェンダー平等を実現していくための学びを深めることで、それぞれの人権感覚をアップデートしていくこととしています。そのスタートを切るのがこの第二特集です。

[第一特集]2024年版「税制改革の提言」

2024年版「税制改革の提言」
応能負担の原則で国民本位の税財政及び行政の確立を
日本国家公務員労働組合連合会

〈特別寄稿〉
納税者の権利保障立法または憲章はどのような枠組みで制定されるべきか
中村芳昭

社会保障の財源問題と税制改革の方向
伊藤周平

日本における社会保障の後進性とその克服
唐鎌直義


[第二特集]ジェンダー平等へのアップデート

ジェンダー平等社会のための基礎知識
青龍美和子 弁護士

職場からセクハラをなくすためのワークショップ──ハラスメントなくす第三者介入のスキルを身につけよう
中村果南子 ちゃぶ台返し女子アクション

バイアスを乗り越えてジェンダー平等を実現しよう
大門晋平 国公労連中央執行委員

〈インタビュー〉ジェンダー平等でケアを社会の中心に
岡野八代 同志社大学大学院教授


[単発]「国公労連2024年要求組織アンケート」の結果について
国公労連調査政策部

[連載] スミレとヒマワリ 第18回
労働組合の力で公共を取り戻そう
白神優理子 弁護士

[連載]国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第42回
「非常勤職員制度の運用の在り方」を検討?
国公労連

[書評]KOKKO Editor’s Book Review
『中流危機』/『コミュニティ・オーガナイジングの理論と実践』
KOKKO編集部

表紙イラスト オカヤイヅミ
デザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)
本文組版 はあどわあく
表紙
目次
[第一特集]公務「委託」の破綻から考える
〈インタビュー〉学校給食から考える公務アウトソーシング破綻の背景(吉田佳弘 自治労連/嶋林弘一 自治労連)
国立ハンセン病資料館不当解雇事件から見えてきた公務の民間委託が持つ危うさ(稲葉上道 国公一般国立ハンセン病資料館分会)
世田谷区の公契約条例から考える「公共」再形成の可能性(永山利和 元日本大学教授)
[第二特集] コストカットで失われた研究力
国立研究機関の独立行政法人化を考える──世界の流れは「再公営化」「未来は公共にあり」(尾林芳匡 弁護士)
日本の研究力低下まねく理化学研究所の研究者大量雇止め(金井保之 理化学研究所労働組合執行委員長)
国立研究機関で働く研究者等アンケート結果について(小滝豊美 筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)事務局次長)
[新刊案内]『公務員制度の持続可能性と「働き方改革」』紹介
[連載] スミレとヒマワリ 第17回 軍事演習場のど真ん中で平和の声をあげる──「矢臼別平和盆踊り」に参加して(白神優理子 弁護士)
[連載] 国家公務員の労働条件Q&A きほんの「き」から 第41回 給与制度のアップデート?アップグレード?(国公労連)
[書評]KOKKOEditor’sBookReview 『カデギ』/『パレスチナ特別増補版』(KOKKO編集部)
広告
奥付
[特集] 2023年人事院勧告
本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み ……………… 005

2023年人事院勧告等の分析と批判 ……………… 011

国公労連 調査政策部労働組合の声明・談話 ……………… 033

2023年人事院勧告の取扱い等に関する要求書 ……………… 042

2023年人事院勧告・報告 ……………… 045

2023年人事院勧告関連資料 ……………… 084

新旧俸給月額の対比 ……………… 170

人事院勧告の歴史的変遷 ……………… 226
[第一特集]
「公共の再生」という希望

●新自由主義が前提化した社会で、公務はどうあるべきか?
本特集では、新自由主義が社会の基礎的な枠組みであるかのごとく浸透した現代で公務のあり方を問い直します。
高給を取る少数の意思決定者と、手足となる非正規労働者の組み合わせ組織形態が公共にまで及んだ現状や、「賃金は会社が決めるものです」「最賃を上げると会社がつぶれるので、上げない方がいいです」等、現代の大学生によく見られる温度感を踏まえ、教育と労働の現場に焦点を当てます。
そのほかAppleやGoogleなどビッグテック企業に情報と権力が集中した場合の問題点や、「身を切る改革」として業務の民間委託を進めてきた大阪維新の会の失政を検証し、公務のあり方を多角的に検討します。

[第二特集] 
公務員の「柔軟な働き方」

●公務における、テレワーク、フレックス、週休3日等
コロナをきっかけにした、あるいはコロナとは無関係に進められてきた裁判所や省庁での柔軟な働き方。
省庁や司法機関等の人々が集う座談会で各職場の雰囲気を紹介しつつ、実施に際しての研究報告やQ&Aを付すことで、さまざまな立場から「柔軟な働き方」を検討する特集。


目次
[第一特集]「公共の再生」という希望

新自由主義の現段階と公務労働の役割
―「 公共の再生」のために何が必要か
竹信三恵子 和光大学名誉教授/ジャーナリスト

〈インタビュー〉 公共を再生する住民参加型の運動
― デジタル監視社会に抗する恐れない自治体
内田聖子 NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)共同代表

〈インタビュー〉 大阪の公共を壊し経済も衰退させた維新
― 住民との共同で公共の再生を
坂田俊之 大阪自治労連副執行委員長

[第二特集]  公務員の「柔軟な働き方」

〈座談会〉 公務の「柔軟な働き方」、どう思う?
― 若手・女性役員座談会
小田春香さん 全司法(30代女性)
吉原太一さん 国公労連(国土交通労組)(30代男性)
渡名喜まゆ子さん 全厚生(40代女性)
野口冬彦さん 全労働(30代男性)
野村直弘さん 全法務(30代男性)

「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会」の最終報告について
平井康太 弁護士

職場学習資料
「Q&Aで考える〈柔軟な働き方〉」
国公労連調査政策部

[単発] 2023年度 予算定員の分析
国公労連調査政策部

[リレー連載] 運動のヌーヴェルヴァーグ FridaysForFuture⑨
環境を破壊するバイオマス発電と
その抵抗運動(後編)
鴫原宏一朗 Fridays For Future Sendai

[連載]  国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第40回
病気休暇のクーリング期間
国公労連 

[書評] KOKKO Editor’s Book Review
『縛られる日本人』/『女性不況サバイバル』
KOKKO編集部

連載「難民アートプロジェクト」「スミレとヒマワリ」「KENちゃんの職場訪問記」「8プロ映画部日誌」は、都合
により休載といたします。


表紙イラスト オカヤイヅミ
デザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)
本文組版 はあどわあく
[第一特集]
仲間づくりのメソッド

●労働運動活性化に必要なスキル
日本の労働組合の組織率は2022年時点で16.5%と過去最低を記録しています。一方、欧米諸国では「ほとんどの公共交通機関が止まる(ドイツ)」など物価高騰に見合う大幅な賃上げを求める大規模なストライキが相次いでいます。とりわけアメリカでは、最低賃金15ドル運動、全米規模に広がる教員スト、アップルやアマゾン、スタバなどでの組合結成と労働運動が大きく盛り上がっています。しかもZ 世代(1997年以降生まれ)が運動の中心。2022年の労組支持率71%は1965年以降で最高となり、18~34歳は77%が労組支持。先日、アメリカ在住の知人とオンラインで話す機会があり、「なぜ若い世代が労働組合運動を活性化させているのか?」と問うと、知人は「いまの若い世代は#MeToo運動やBlack Lives Matter運動などを学生時代に経験していて、労働組合運動を推進するときに大切な対話やスピーチのスキルが高い。そこにアメリカ労働運動がコミュニティ・オーガナイジングを活用して戦略キャンペーンに取り組んでいるので活性化している」との回答。日本においてもコミュニティ・オーガナイジングの活用が労働組合運動を活性化させる鍵です。


[第二特集]
国家公務員の宿舎

●公務員宿舎の「失われた30年」?
2010年前後に公務員宿舎が「公務員優遇」であるとメディア上で批判され、民主党政権下で宿舎の売却と削減、新設凍結が方針化され、職員が宿舎に入居できる要件は「5類型」に厳格化されました。その後、現在に至るまで老朽化した宿舎の本格的な改修も進まず、とりわけ若年層職員の宿舎離れが加速し、空き部屋が問題化しています。
2021年(令和3年)11月に財務省の「行政財産の未来像研究会」がとりまとめた報告書では、これまでの方針を見直し、「借受と建設のコスト比較を早急に実施し、適切に宿舎確保を進めるべき」「個々の宿舎の状況に応じて長寿命化を図りつつ、必要に応じてコスト比較の上、借受移行や建替などから費用対効果の高い方法を実行し、計画的・効率的に行う必要がある」こと等を今後の基本的な対応方針として打ち出しました。
本特集では、公務員志望者の急減や若手職員の離職増が問題化するなか、今後の国家公務員の住まいのあり方について、宿舎等の実情と職員の声を中心にして考えます。


目次
[第一特集]仲間づくりのメソッド

〈座談会〉一人ひとりの力を引き出し問題解決できる労働組合へ
―コミュニティ・オーガナイジングは仲間づくりの処方箋
伊藤賢太 北海道勤医労執行委員/北海道医労連執行委員/道労連事務局次長
更科ひかり 北海道高教組中央執行委員/さっぽろ青年ユニオン執行委員
福本えりか 京都市職労書記長
小松康則 大阪府職労委員長
司会 井上伸 国公労連中央執行委員

〈インタビュー〉みんなの力引き出すファシリテーション
―会議が変われば組織文化は変わる
嶋田 至 組織開発ファシリテーター

全員参加型の運動スタイル追求の到達点と課題
―これからの国公労働運動を考える全国会議から1年にあたって
大門晋平 国公労連中央執行委員


[第二特集]国家公務員の宿舎

国家公務員宿舎をめぐる経過と今後の在り方について
浅野龍一 国公労連書記長

国家公務員の宿舎と住まいの実態とは?
本誌編集部

民間企業の住宅支援施策の動向
本誌編集部


[単発]メディアのMeToo運動
―ジェンダー平等で労働組合の活性化を
吉永磨美 新聞労連前中央執行委員長

[単発]「国公労連2023年非正規で働く仲間の要求アンケート」結果について
国公労連調査政策部

[連載] スミレとヒマワリ 第16回
母が勝ち取ったこと―「女性には無理」の誤り
白神優理子 弁護士

[連載]運動のヌーヴェルヴァーグ FridaysForFuture⑧
「エネルギー貧困」と気候変動はいかにつながっているか
鴫原宏一朗 Fridays For Future Sendai

[連載] KENちゃんの職場訪問記
第7回 東京出入国在留管理局の巻
KEN

[連載] 国家公務員の労働条件Q&Aきほんの「き」から
第39回 男女賃金格差の公表、公務職場では?
国公労連

[書評]KOKKO Editor’s Book Review
『何が問題か マイナンバーカードで健康保険証廃止』/『こんな大人になりました』/『学校で育むアナキズム』
KOKKO編集部


連載「難民アートプロジェクト」「8プロ映画部日誌」は都合により休載いたします。


表紙イラスト オカヤイヅミ
デザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)
本文組版 はあどわあく
[第一特集] 公務員の労働基本権
●どう使う? なにを得る?

 国公労連など公務労働者の労働組合にとって、制約された労働基本権の回復は積年の課題です。90年代後半には橋本行革と省庁再編があり、2000年代に入り民主党政権、東日本大震災と公務員賃下げ臨時特例法(それに対する違憲訴訟)、人事院の給与制度改革など、公務員のあり方は注目を集めてきました。この間の経験から、労働基本権制約の「代償」たる人事院や人事院勧告制度がいかに不十分な「保障」か、働く権利が守られていないかを、多くの公務労働者が実感しています。
 現在では、労働者の賃上げの必要性が各方面から叫ばれています。波及効果の大きい公務員賃金が勧告制度によって社会全体の賃上げに寄与せず、むしろ賃金抑制の効果をもたらしていることなど、マクロ経済の観点からも公務員賃金決定プロセスの問題が指摘されています。
 本特集では、これまでの労働基本権回復に向けたとりくみや議論を振り返り、今後のあるべき方向性について考えます。


[第二特集] 2023年版「税制改革の提言」
●防衛増税vs.庶民の暮らし守る税財政

岸田政権が敵基地攻撃能力保有などを盛り込んだ安保3文書を閣議決定し、防衛費を5年間で43兆円にするかつてない大軍拡をすすめています。狙いどおり防衛費がGDP比2%に倍増すると、日本はアメリカ、中国に次ぐ世界第3位の軍事大国になります。さらに、岸田首相は防衛費増額の財源確保について「国民が自らの責任としてその重みを背負って対応すべきもの」「今を生きるわれわれが自らの責任を果たさなければならない」などと述べ、庶民への大幅な増税といっそうの社会保障改悪など国民生活関連予算の削減を実施していく姿勢をあらわにしています。四半世紀に渡る実質賃金の低下と41年ぶりとなる激しい物価高騰の中で労働者・国民の暮らしは悪化しています。庶民増税による軍拡でなく、物価高騰から国民の暮らしを守る財政支出と、応能負担原則に基づく公平な税制改革による財源確保がいまこそ必要です。



目次

[第一特集] 公務員の労働基本権

公務員労働者の労働基本権回復のたたかいと課題 005
小田川義和 全労連顧問

労働基本権に関する意識調査(2022年6月実施)の結果について 028
笠松鉄兵 国公労連書記次長

〈インタビュー〉
何のための、誰のための労働基本権なのか議論しよう
―非正規公務員も含めた権利保障を 046
早津裕貴 金沢大学准教授


[第二特集] 2023年版「税制改革の提言」

2023年版「税制改革の提言」
―応能負担の原則で国民本位の税財政及び行政の確立を 061
日本国家公務員労働組合連合会


[単発]国葬儀への国家公務員の関与のあり方などに関わる問題認識 118
笹ヶ瀬亮司 国公労連中央執行委員

[単発]「国公労連2023年要求組織アンケート」の結果について 126
国公労連調査政策部


[連載]スミレとヒマワリ 第15回
ある先輩弁護士の物語 150
白神優理子 弁護士

[連載]KENちゃんの職場訪問記 第6回
埼玉労働局休業支援金センター&助成金センターの巻 156
KEN

[連載]国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第38回
非常勤職員の給与遡及改定、なぜできない?
国公労連

[連載]8プロ映画部日誌 第6回
知性でハンマーをふるわせる
皿倉のぼる 放送作家/8プロ映画部総合演出

[書評] KOKKO Editor’s Book Review
『聞く技術 聞いてもらう技術』/『日本国憲法と公務員』/『闘う図書館』
KOKKO編集部


連載「難民アートプロジェクト」「運動のヌーヴェルヴァーグ」は都合により休載といたします。




表紙イラスト オカヤイヅミ
デザイン ナルティス/末吉亮(図工ファイブ)
本文組版 はあどわあく
[第一特集] 物価と公務員賃金
●物価上昇を上回る賃上げの波、公務から起こせ

2021年から世界規模でインフレが加速しています。これまで30年以上物価が動かなかった日本でも、輸入物価の上昇や円安等の影響を受けて2022年に消費者物価指数が上昇局面に入りました。
 22年の春闘では、物価高騰のもとで実質賃金が下がらない水準のベースアップ確保が焦点になりましたが、コロナ前の水準である2%程度の賃上げにとどまりました。8月の人事院勧告の基礎となった職種別民間給与実態調査(民間事業所の4月分給与)では0.23%の官民較差しか出ず、それを受けた俸給表改定は原資が少ないために初任給近辺のみにとどまりました。公的セクターでも実質賃金低下が避けられない見通しです。
 そもそも物価変動を直接反映しない人事院勧告制度は、インフレ時に公務労働者の生活を保障できず、公務員賃金の社会的影響力の大きさからも制度の弊害が大きくなっています。本特集では、長らく等閑視されてきた物価と公務員賃金のあるべき関係について議論します。


[第二特集] 研究者使い捨てと科学技術衰退
●研究者数千人が雇止めの危機

いまだに「日本は解雇規制が強くて雇用の流動化が低いから衰退している」「解雇規制緩和で日本はハッピーになる」などと主張する方がいます。各国2019年のOECD統計によると加盟38か国の中で日本の正規雇用の解雇規制は強い方から27番目、弱い方から12番目。非正規雇用の解雇規制の強さは30番目で正規も非正規もすでに解雇規制は緩和されています。文部科学省の統計によると国立大学の40歳未満の任期付き教員の割合は2007年の38.7%から2021年の68.2%へ毎年右肩上がりに増えています。そして、今回の第二特集の中で榎木英介さんが指摘しているように、日本のトップ10%の論文数は世界4位から12位へと大きく落ち込み、研究者の「雇用の流動化」が高くなればなるほど日本の科学技術は衰退しています。さらに2023年3月末、国立大学や国立研究機関の任期付き研究者数千人が雇止めの危機にある問題などについて第二特集では考えます。

目次
[第一特集] 物価と公務員賃金

〈インタビュー〉日本の賃金が上がらないのはなぜか
――「管理」された春闘の失敗と今後のたたかい方
伊藤圭一 全労連 雇用・労働法制局長

公務員の賃金はどう決めるのがよいのか
――アメリカの事例から考える
山崎 憲 明治大学経営学部准教授

人事院勧告制度の矛盾と限界
浅野龍一 国公労連書記長


[第二特集] 研究者使い捨てと科学技術衰退

日本の科学技術力の衰退をまねいた研究体制の脆弱性
榎木英介 科学技術ジャーナリスト

理研の研究者大量雇止めは日本の研究力低下を加速させる
理化学研究所労働組合

経済安全保障法と国立研究機関
井原 聰 東北大学名誉教授


[単発]2022年度予算定員の分析
国公労連 調査政策部


[連載] 難民アートプロジェクト 第13回
《対談》 日本の移民・難民問題に対して何ができるのか?
指宿昭一 弁護士
西 亮太 中央大学法学部准教授

[連載] 国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第36回
人事院の「柔軟な働き方」研究会って?
国公労連

[書評] KOKKO Editor’s Book Review
『物価とは何か』/『ヨノナカを変える5つのステップ』/『外国人差別の現場』
KOKKO編集部


連載「スミレとヒマワリ」「KENちゃんの職場訪問記」「8プロ映画部日誌」は都合により休載といたします。
[特集]2022年人事院勧告
◉3年ぶりの賃上げも生活苦解消せず◉

 8月8日(月)、人事院勧告・報告が国会と内閣に提出されました。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続くなかでの人勧も今年で3回目になります。
 2022年の勧告は、3年ぶりに月例給(+0.23%)、一時金(+0.1月分)の引上げとなりましたが、月給引上げとなるのは初任層から30歳台半ばまでで、中高年層のベースアップは見送られました。物価・生計費の上昇分に満たないわずかな賃上げであり、多くの職員にとって実質賃金は下がる内容です。引き上げられる初任給についても、最低賃金の引上げペースに追いつかず、高卒初任給が最低賃金割れする地域はさらに広がります。
 また、労働組合として力を入れてきた非常勤職員や再任用職員の処遇改善もなく、職場からは不満と失望の声が挙がっています。
 報告では、深刻な国家公務員離れ(試験応募者の急減と離職者の急増)に対し、公務員試験の見直しや長時間労働の是正などに強い姿勢でとりくむと述べています。
 「2022年人事院勧告等の分析と批判」では、そうした今年の人事院勧告のポイントを、現場の労働者の目線から紹介します。

目次
[特集] 2022年人事院勧告

給与勧告の仕組みと本年の勧告のポイント ……………… 005

2022年人事院勧告等の分析と批判 ……………… 010
国公労連 調査政策部

労働組合の声明・談話 ……………… 026

2022年人事院勧告の取扱い等に関する要求書 ……………… 035

2022年人事院勧告・報告 ……………… 038

2022年人事院勧告関連資料 ……………… 070

新旧俸給月額の対比 ……………… 156

人事院勧告の歴史的変遷 ……………… 194
[第一特集] 公務職場のテレワーク
●何のために進めるのか

2020年以降、新型コロナの感染拡大防止のため、緊急避難的に在宅勤務を中心としたテレワークが広がりました。とはいえ、民間企業などでは、テレワーク可能な業種・職種であるか否か、都市部か地方部か、大企業か中小企業かなどによって、テレワーク実施率に大きな差が生じました。国の職場でも、緊急事態宣言が出されて以降、各省庁に出勤抑制のためのテレワークの実施が求められていますが、職場・職種によって対応が分かれ
ています。
 人事院は今年から「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会」を開催しています。これは新型コロナ収束後を見据え、公務職場のテレワーク等の位置づけと必要な制度整備について議論するもので、国公労連もヒアリングに応じました。本特集では、こうした情勢を踏まえ、現場の実態と組合員の声にもとづき、テレワークと公務職場の関係をあらためて考えます。


[第二特集] 労働組合のバージョンアップ――これからの国公労働運動を考える
●全国会議採録と振り返り座談会

これからの国公労働運動を考える全国会議
開催日時⃝2022年4月22~23日
会場⃝TKP市ヶ谷カンファレンスセンターおよびオンライン併用
主催⃝国公労連
プログラム
①〈講演〉「仕方ない」から「あきらめない」へ――コミュニティ・オーガナイジングの導入で当事者目線の元気な活動を
 講師:小松康則 大阪府関係職員労働組合(大阪府職労)執行委員長
②〈講演〉全員参加型に向けた北海道国公のチャレンジ
 講師:木村憲一 北海道国公議長
③〈基調報告〉 全員参加型の運動スタイルの確立をめざして
 報告者:大門晋平 国公労連中央執行委員
④分散会討論(Zoomブレイクアウトセッション)

目次

[第一特集] 公務職場のテレワーク

国家公務員のテレワークの実態と諸問題 ……………… 005
笹ヶ瀬亮司 国公労連中央執行委員

国土交通職場におけるテレワークの実態 ……………… 016
国土交通労働組合

経済産業省におけるテレワーク導入について ……………… 022
全経済産業労働組合

裁判所におけるテレワーク・在宅勤務の状況 ……………… 030
全司法労働組合

法務局の職場におけるテレワークについて ……………… 036
全法務省労働組合

労働行政におけるテレワークの実態 ……………… 041
全労働省労働組合

民間におけるテレワークの法的問題について ……………… 046
平井康太 弁護士

[第二特集]  労働組合のバージョンアップ――これからの国公労働運動を考える

「仕方ない」から「あきらめない」へ――コミュニティ・オーガナイジングの導入で当事者目線の元気な活動を ……………… 057
小松康則 大阪府関係職員労働組合(大阪府職労)執行委員長

「これからの国公労働運動を考える全国会議」基調報告――全員参加型の運動スタイルの確立をめざして ……………… 084
国公労連中央執行委員会

〈座談会〉 組合員一人ひとりが主体になる労働組合へ
―「 これからの国公労働運動を考える全国会議」を振り返る……………… 094
関口香織 全司法中央執行委員/神奈川県国公議長
渡名喜まゆ子 全厚生本省支部執行委員
木村憲一 北海道国公議長/全労働北海道支部執行委員長
大門晋平 国公労連中央執行委員
司会:井上 伸 国公労連中央執行委員

[連載] スミレとヒマワリ 第14回
ある日の甥っこからの質問――署名って意味あるの? ……………… 112
白神優理子 弁護士

[連載] KENちゃんの職場訪問記
第5回 千葉県港湾事務所海洋環境・防災課(べいくりんセンター)の巻 ……………… 120
KEN

[連載] 国家公務員の労働条件Q&Aきほんの「き」から
第36回 再任用職員の処遇改善は置き去り? ……………… 128
国公労連

[連載] 8プロ映画部日誌
第5回 ナンシー・マイヤーズ作品のすすめ ……………… 130
皿倉のぼる 放送作家/8プロ映画部総合演出

[書評] KOKKO Editor’s Book Review
『私がつかんだコモンと民主主義』/『おいしいごはんが食べられますように』/『人間狩り』 ……………… 135
KOKKO編集部
[第一特集]気候危機と公務

●100年後の世界への責任
 世界各地で異常気象による災害が頻発し、生態系への不可逆的な変化が現れています。日本でも、猛暑、集中豪雨、巨大台風が毎年のように各地を襲い、河川の氾濫や崖崩れ等の甚大な被害が出て、多くの公務労働者が対応に追われています。こうした「気候危機」は将来にわたって私たちの生存基盤を脅かし、国家間、地域間の格差を増幅するもので、若い世代を中心に「気候正義 Climate Justice」を求める世界的な運動が巻き起こっています。
 昨年秋にはCOP26(気候変動枠組条約第26回締約国会議)が開かれ、パリ協定が定める2020年以降の「勝負の10年」の具体的取組が確認されました。温度上昇を1.5℃に抑えるためには、世界全体のCO2排出量を急激に減らさなければいけません。
 こうした差し迫った状況で、国家公務員の仕事は「気候危機」にどう関わり、市民として、労働者として何をなすべきなのか、本特集を通じて考えます。


[第二特集]2022年参院選KOKKO的観点

●改憲/維新/ジェンダー/統計問題
今年実施される参議院選挙の投開票日は7月10日が有力とマスコミ報道されています。そして、自民党の憲法改正実現本部・古屋圭司本部長は、「次の参院選が終われば最長3年ほど大型国政選挙がない期間が続く。その間に(改憲国民投票を)実施できればいい」(「日本経済新聞」1月14日付)とあからさまに語っています。改憲をめざす勢力にとっての「黄金の3年」が手に入るというわけです。加えて現時点(4月25日現在)では、ロシアによるウクライナへの侵略戦争に便乗した改憲と軍拡の流れも強まっています。いよいよ正念場となる憲法9条を守ることや新自由主義に対抗して生活改善をはかること、ジェンダー平等の推進、公的統計の立て直しなど参院選の課題をKOKKO的観点で考えます。


[第一特集] 気候危機と公務

気候危機の現在と課題 ……………… 005
伊与田昌慶 国際環境NGO 350.org Japan, Communications Coordinator

気象行政からみた近年の自然災害の特徴について
――急がれる線状降水帯予測 ……………… 013
国土交通労働組合気象部門

気候変動を踏まえた自然災害対策のあり方について
――あらゆる関係者が流域全体で行う持続可能な治水行政への転換 ……………… 021
国土交通労働組合建設部門

脱炭素対策・省エネと再生可能エネルギーシフトと地域発展 ……………… 028
歌川 学 産業技術総合研究所主任研究員


[第二特集] 2022年参院選KOKKO的観点

自衛隊明記・緊急事態条項による改憲の危険性
――自民党改憲4項目・「同性婚」改憲論を考える ……………… 041
木村草太 東京都立大学教授

維新政治を全国に広げないために
――いまこそ新自由主義とのたたかいを ……………… 077
冨田宏治 関西学院大学教授

ジェンダー平等へ男女ともにアップデートを
――誰もが持つ無自覚な特権と加害性を見つめて ……………… 104
太田啓子 弁護士

国土交通省統計調査不適切処理による二重計上問題 ……………… 112
笛田保之 国土交通労働組合中央執行副委員長

[単発]「国公労連2022年非正規で働く仲間の要求アンケート」結果について ……………… 122
国公労連調査政策部

[連載] 難民アートプロジェクト 第12回
「わたしは未来を描きたい」(後編) ピーターの場合 ……………… 136
西 亮太 中央大学法学部准教授

[連載] スミレとヒマワリ 第13回
軍事力に頼らない道こそリアル――ウクライナ軍事侵攻と憲法 ……………… 141
白神優理子 弁護士

[連載] 国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第35回
年度をまたいで一時金引下げ? ……………… 146
国公労連

[連載] 8プロ映画部日誌 第4回
見知らぬ土地で生きる人びとの物語 ……………… 148
皿倉のぼる 放送作家/8プロ映画部総合演出

[書評]KOKKO Editor’s Book Review
『維新政治の本質』/『告発と呼ばれるものの周辺で』/『パイプライン爆破法』……………… 153
KOKKO編集部

連載「運動のヌーヴェルヴァーグ」「KENちゃんの職場訪問記」は、都合により休載といたします。
[第一特集]公務員の「やりがい」のゆくえ

◉問題は広報不足か?

昨年着任した川本裕子人事院総裁は、人事院勧告・報告時の記者会見で「特に、公務員志望者の減少、若手職員の離職増加、社会全体のデジタル化といった状況において、人材の確保は喫緊の課題であります」と強調しました。そのため、長時間労働の是正、テレワークへの対応などの職場環境の整備とともに、情報発信や官民人材交流を進める意向を打ち出しています。「上級広報戦略官」ポストも人事院に新設され、仕事の「やりがい」PRが強化される見通しです。
ただ、広報が弱いから国家公務員の「やりがい」が若い人に伝わらず、人が集まらないというロジックは危ういようにも思います。働き方の実態は、学校の先輩やSNS・メディア等を通じて昔よりもよく伝わっているはずです。本特集では、すでに同様の発想から大炎上を起こした「# 教師のバトン」問題も参照しつつ、どうしたら若い人が10~20年先まで働き続けたいと思える職場になるのかを考えます。



[第二特集]2022年版「税制改革の提言」

◉コロナ禍で国民の命と暮らし守る公平な税収確保を

矢野康治財務事務次官が「財務次官、モノ申す『このままでは国家財政は破綻』」(「文藝春秋」2021年11月号)と公言し物議を醸しました。矢野氏は、「日本の状況を喩えれば、タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなもの」「氷山(債務)はすでに巨大なのに、この山をさらに大きくしながら航海」「バラマキ政策がいかに問題をはらんでいるか、(中略)財務省の人間が(中略)黙っていてはいけない。私はそれは不作為の罪だと思います。」と言います。それなら、森友公文書改ざん関連(安倍昭恵氏付職員給与等)やアベノマスクと持続化給付金「中抜き」の無駄遣い、武器爆買いなど数々の放漫財政が「氷山(債務)」を大きくしていることこそ問題視すべきです。ところが矢野氏はそれらには言及せず、財政支出一般が問題であるかのように言っています。そして、この「税制改革の提言」が指摘している、大企業と富裕層を優遇する「逆累進課税」が「タイタニック号(日本)」の船底に穴をあけ沈め続けていることにも矢野氏は触れていません。こうした財務省の姿勢こそが「不作為の罪」です。いま求められているのは、コロナ禍で国民の命と暮らしを守るための財政支出と、応能負担原則に基づく公平な税制改革による財源確保です。


[第一特集]公務員の「やりがい」のゆくえ

国家公務員志望者の減少傾向の背景と原因を考える
浅野龍一 国公労連書記長

「働き方」と「やりがい」についての若手国家公務員の本音
本誌編集部

教員のやりがいを取り戻すために
――「#教師のバトン」問題、コロナ禍で考える
井上一洋 全教中央執行委員


[第二特集]2022年版「税制改革の提言」

2022年版「税制改革の提言」
――応能負担の原則で国民本位の税財政及び行政の確立を
日本国家公務員労働組合連合会


[単発]「カスタマーハラスメント実態調査2021」の分析結果(2021年12月公表)
国公労連 調査政策部

[単発]「国公労連2022年要求組織アンケート」の結果について
国公労連 調査政策部


[連載]難民アートプロジェクト 第11回
「わたしは未来を描きたい」(前編) ピーターの場合
西 亮太 中央大学法学部准教授

[リレー連載]運動のヌーヴェルヴァーグ FridaysForFuture 6
なぜ私たちの闘いはメガソーラー建設を「止める」ことができたのか
――これまでの運動の成果とこれからの展望(上)
鴫原宏一朗 Fridays For Future Sendai

[連載]KENちゃんの職場訪問記 第4回
国立感染症研究所の巻
KEN

[連載]国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第34回
どうなる?退職手当の見直し
国公労連 

[連載]8プロ映画部日誌 第3回
仕事と、なかまと、歳月と
皿倉のぼる 放送作家/8プロ映画部総合演出

[書評]KOKKO Editor’s Book Review
『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か』/
『あいつゲイだって』
KOKKO編集部


連載「スミレとヒマワリ」は休載いたします。
[第一特集]公務員賃金と地域格差

賃金の地域間格差解消戦略構築プロジェクトチーム最終報告書 ……………… 005
国公労連・賃金の地域間格差解消戦略構築プロジェクトチーム

最低賃金アクションプランと公務員賃金運動への期待 ……………… 051
黒澤幸一 全国労働組合総連合(全労連)事務局長

[第二特集]  研究機関の多様性とデジタルトランスフォーメーション

研究機関にとってダイバーシティとは?
―― 理化学研究所の体験から ……………… 061
原山優子 理化学研究所理事・ダイバーシティ推進室長

デジタルトランスフォーメーションと国立研究機関 ……………… 075
市川 類 一橋大学イノベーション研究センター教授

グラフで見る日本の激しい研究力低下 ……………… 092
井上 伸 国公労連中央執行委員

[連載]難民アートプロジェクト 第10回
来たるべき「アフガニスタン」にむけて ……………… 098
西 亮太 中央大学法学部准教授

[連載]スミレとヒマワリ 第12回
父を誇りに思った日 ……………… 104
白神優理子 弁護士

[連載]KENちゃんの職場訪問記 第3回
特許庁の巻 ……………… 110
KEN 

[連載]国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第33回
公務員なのに最低賃金割れ? ……………… 116
国公労連 

[連載]8プロ映画部日誌 第2回
ジャーナリズムを支える人々 ……………… 118
皿倉のぼる 放送作家/8プロ映画部総合演出

[書評]KOKKO Editor’s Book Review
『時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?』/
『オードリー・タンの思考』/
『不寛容の時代 ボクらは『貧困強制社会』を生きている』 ……………… 123
KOKKO編集部
[特集]2021年人事院勧告

◉2年連続ボーナスカットのしわ寄せは誰に◉
コロナ禍での2年目の人事院勧告(人勧)です。今年は例年通りのスケジュールで、8月10日に勧告・報告、意見の申出が国会と内閣に提出されました。
勧告・報告では、月例給については昨年と同様に較差が小さいとして改定を見送り、民間企業の一時金減少を反映して国家公務員の一時金を0・15月分引き下げる内容となりました。
コロナ禍の影響は業界・業種ごとに大きなバラつきがあり、とりわけ飲食業や宿泊業、交通・運輸業などで甚大でした。また、民間病院ではコロナ患者を受け入れたことによって経営不振に陥るなど、私たちの生命を支える医療従事者の命がけの奮闘に見合った対価が支払われていないことも問題になりました。
勧告は、日本の雇用者人口の約13%・770万人の労働者に直接影響を与えると試算され、公務労働者とともに病院や社会福祉施設で働く労働者の賃金引下げ圧力にもなります。しかしこの非常時にも、人事院は例年と考え方を変えず「民間準拠」にこだわりました。
一方で、賃金原資の必要ない休暇・両立支援制度等、働き方の課題においては、報告・意見の申出でこれまでより前進した考え方を示しました。その背景には、社会情勢の変化だけでなく、国の職場における長時間労働やハラスメント、人員不足の問題の深刻さがあります。
このような2021年人勧について「分析と批判」で詳述しました。

2021年人事院勧告等の分析と批判
国公労連 調査政策部

労働組合の声明・談話

2021年人事院勧告の取扱い等に関する要求書

2021年人事院勧告

国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出

2021年人事院勧告関連資料

人事院勧告の歴史的変遷
[第一特集] 労働組合のなかのジェンダー平等

◉真に民主的な組織へ
年度途中の役員の任務変更などもあって、国公労連が毎週開いている中央執行委員会はついに参加者が全員男性になってしまいました。この状況を、職場の民主主義を実現する組織としての危機だと思うのか、役員を派遣する加盟組織の事情だからある程度仕方ないと思うのか。残念ながら、まだ後者の意識を持っている役員が少なくないようです。
 国公労連は8月の定期大会に提案する21年度運動方針で「労働組合におけるジェンダー平等」を掲げ、その実現のための専門チームを立ち上げることとしています。日本の労働環境における深刻なジェンダーギャップを解消し、誰もが属性によって差別されない職場や政治を実現するためにも、それを求める立場の労働組合内のジェンダーギャップ解消が喫緊の課題です。本特集では、具体的なとりくみを進めている労働組合の事例を紹介しながら、自らの足元を見つめ直します。


[第二特集] 行政の私物化を終わらせる

◉赤木俊夫さんの誇りと菅義偉首相の無責任
「私の雇い主は日本国民。国民のために仕事ができる国家公務員に誇りを持っています」と語っていた赤木俊夫さんの命を奪ったのは、安倍晋三前首相による行政の私物化でした。この行政私物化の共犯者だった菅義偉氏が「安倍家の生ゴミのバケツのふた」の役割で現在、首相の座にあります。そして、菅首相の長男による総務省接待問題が発覚するなど行政の私物化はとどまる所を知りません。行政の私物化で問題が起こっても、コロナ対応について問題が起こっても、菅首相はきちんと説明するつもりもなければ、責任を取るつもりも全くありません。「私の雇い主は日本国民」という意識も、「国民のための仕事」をするつもりも持ち合わせていない菅首相。民主主義の根本が棄損され続けている日本社会において、行政の私物化を終わらせるにはどうすればいいのかを考えます。

[第一特集]労働組合のなかのジェンダー平等

◆〈座談会〉意思決定の場に女性を増やすことの意味
渡名喜まゆ子 全厚生本省支部執行委員
小畑雅子 全労連議長
伊吹五月 国公労連女性協議長(全労働)
根本厚子 国公労連女性協スタッフ(全司法)

◆「組合員一人一人の尊重」に根差して――新聞労連が進めるジェンダー平等の実現
吉永磨美 日本新聞労働組合連合・中央執行委員長

◆海外の労働組合のなかのジェンダー平等のとりくみ
布施恵輔 全労連事務局次長・国際局長

◆「呪いの言葉」を解くこころのストレッチ
上西充子 法政大学キャリアデザイン学部教授


[第二特集] 行政の私物化を終わらせる

◆民主主義を棄損する行政私物化――コロナ禍で重要性が増す公共セクター
中野晃一 上智大学教授

◆デジタル庁設置は行政の公正・中立性をゆがめる――行政組織の在り方と公務員制度からの検証
晴山一穂 専修大学名誉教授

◆赤木俊夫さんの命を奪った「森友学園」決裁文書改ざん・総務省接待問題・経産省若手キャリア官僚腐敗を考える
飯塚盛康 全経済産業労働組合執行委員


[単発]
2021年度 予算定員の分析
国公労連調査政策部

[連載] 難民アートプロジェクト 第9回
故郷が欲しいだけなのに――パリッサ、パラストゥー、ネダの場合
西亮太 中央大学法学部准教授

[連載] スミレとヒマワリ 第11回
過労死防止の授業を通して思うこと
白神優理子 弁護士

[連載] 運動のヌーヴェルヴァーグ FridaysForFuture⑤
「気候変動対策」で破壊される地方
鴫原宏一朗 Fridays For Future Sendai

[連載] KENちゃんの職場訪問記 第2回
宮崎労働局 雇用環境・均等室の巻
KEN

[連載] 国家公務員の労働条件Q&A
きほんの「き」から 第32回
人事評価制度が変わる?
国公労連

[連載] 8プロ映画部日誌 第1回
映画『シェフ』で再発見する働く人の世界
皿倉のぼる 放送作家/8プロ映画部総合演出

[書評] KOKKO Editor’s Book Review
『マチズモを削り取れ』/『コロナ対応最前線 仕方ないからあきらめないへ』/『リアル労働法』
KOKKO編集部
[第一特集] 労働組合の「メリット」

労働組合の価値を伝える言葉とは
 本特集は、労働組合の「メリット」という言葉をめぐる葛藤を通じて、労働組合の価値とそのあり方について議論すべく企画しました。
 今号で映画評連載が最終回となった熊沢誠さんの『労働組合運動とはなにか』(岩波書店、2013年)によれば、労働組合の基本的な機能は、①労働力商品のダンピングを防ぎ価格の標準化を行わせる機能(経済的機能)、②労働者の生活を左右する労働条件への当事者の発言権・決定参加権を保障する「産業民主主義」を担う機能(政治的機能)、③生活上の具体的な必要性と可能性を共有する「可視的ななかま」を意識的な居場所や帰属集団にする機能(社会的機能)、などに大別されます。こうした労働組合運動は「ノンエリートの自立」、つまり苛烈な個人競争を勝ち抜かずとも支配されたり操作されたりせず自立して働き暮らせる社会をつくるために、最も重要な拠り所となります。
 労働組合の組織率が低下し、必ずしも人びとがそうした前提を共有しなくなったとき、どう対話すれば労働組合の価値や必要性を伝えられるか。「メリット」という言葉から、古くて新しい労働組合の存在意義を考えます。


[第二特集] デジタル改革は誰のため?

公務員を「国民全体の監視者」「一部のIT企業の奉仕者」に
コロナ禍の日本において、特別定額給付金の支給に時間を要したことや教育現場でのオンライン対応に不備があることなど、行政・社会のデジタル化の遅れが露見しました。それならば、国民の暮らしを守るためにデジタル化をすすめる必要があると考えるのが普通ですが、菅義偉首相は、「デジタル化の流れに乗り遅れ、新たな成長の原動力となる産業が見当たらない」ので「次の成長の原動力をつくり出します。それが、『グリーン』と『デジタル』です」(第204回国会施政方針演説)と明言しました。今後も続くであろうコロナ禍において、国民の暮らしを守るために行政のデジタル化をすすめるのではなく、産業における新たな成長戦略として、企業に最大限の利益をもたらすためにデジタル化をすすめています。法律家からは菅政権のすすめるデジタル化は「デジタル監視社会化」だとの指摘もされています。
「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」(憲法15条)のに、公務員を「国民全体の監視者」「一部のIT企業の奉仕者」に変質させてしまう危険性もあります。第二特集ではデジタル改革がいったい誰のためにすすめられているのかを考えます。

[第一特集] 労働組合の「メリット」

◆労働組合の「メリット論」についてのまえがき ……………… 005
本誌編集部

◆既に確立している労働組合の意義を相手に身近な言葉で語ろう ……………… 010
鳥井絵美 全司法労働組合愛知支部委員長

◆労働組合の成果は「私」だけに返らない ……………… 016
木村憲一 北海道国公議長

◆組合員を守る力を分会から鍛えよう ……………… 023
吉岡京子 国土交通労働組合北海道航空支部書記長

◆労働組合はノアの方舟のようなもの ……………… 028
宮風耕治 全労働省労働組合大阪基準支部書記長

◆労働組合のメリットとは ……………… 033
藤江成夫 全厚生労働組合近畿社会保険支部書記長

◆法律家からみた公務労働組合の意義と役割 ……………… 039
渡辺輝人 弁護士

◆〈対談〉 コミュニティ・オーガナイジングで全員参加型の労働組合へ
 ――「メリットないから労働組合やめる」の処方箋 ……………… 042
鎌田華乃子 NPO法人コミュニティ・オーガナイジングジャパン理事/共同創設者
小松康則 大阪府関係職員労働組合執行委員長


[第二特集] デジタル改革は誰のため?

◆デジタル改革で労働者・社会はどう変わるか ……………… 049
大住広太 弁護士/自由法曹団事務局次長

◆「デジタル監視法案」(デジタル化関連法案)について、プライバシー保護の観点から慎重審議と問題個所の撤回・修正を求める意見書 ……………… 062
デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク

◆行政のデジタル化等の急進による個人情報保護制度の改悪に反対する ……………… 079
自由法曹団

◆労働行政におけるデジタル化の諸課題 ……………… 088
全労働省労働組合


[単発]「国公労連2021年非正規で働く仲間の要求アンケート」結果について
 ――安定雇用と均等待遇の実現を ………………100
国公労連調査政策部

[連載] KENちゃんの職場訪問記 第1回
 気象庁本庁の巻 ……………… 114
KEN

[連載]  国家公務員の労働条件Q&A
 きほんの「き」から 第31回
 定年延長の今後のスケジュールは? ……………… 119
国公労連

[連載] スクリーンに息づく愛しき人びと 第42作(最終回)
 ホワイトカラーの従属と自立
 『アパートの鍵貸します』/『私が棄てた女』 ……………… 122
熊沢 誠 甲南大学名誉教授

[書評] KOKKO Editor’s Book Review
 『世界を動かす変革の力』/『失われた賃金を求めて』/『労働組合とは何か』 ……………… 127
KOKKO編集部
おすすめの購読プラン

KOKKO(こっこう)の内容

  • 出版社:堀之内出版
  • 発行間隔:年5回刊
  • 発売日:2,5,8,10,11月の10日
「国(くに)」と「公(おおやけ)」を現場から問い直す情報誌
公務員や公共に関わって働く人たちの「はたらく」を応援します。「公務員」と聞くと自分には関係ないかな?と思いがちですが、役場で働く方だけが「国」と「公」に関わっているわけではありません。また、仕事相手や生活で関わる方も多くおられると思います。毎号、時事にそったテーマを特集。公務員の働き方から日本で働くことの全体が見えてきます。

KOKKO(こっこう)の目次配信サービス

KOKKO(こっこう)最新号の情報がメルマガで届く♪ メールアドレスを入力して登録(解除)ボタンを押してください。

※登録は無料です
※登録・解除は、各雑誌の商品ページからお願いします。/~\Fujisan.co.jpで既に定期購読をなさっているお客様は、マイページからも登録・解除及び宛先メールアドレスの変更手続きが可能です。
以下のプライバシーポリシーに同意の上、登録して下さい。

この雑誌の読者はこちらの雑誌も買っています!

KOKKO(こっこう)の所属カテゴリ一覧

Fujisanとは?

日本最大級雑誌の定期購読サービスを提供

デジタル雑誌をご利用なら

最新号〜バックナンバーまで7000冊以上の雑誌
(電子書籍)が無料で読み放題!
タダ読みサービスを楽しもう!

総合案内
マイページ
マイライブラリ
アフィリエイト
採用情報
プレスリリース
お問い合わせ
©︎2002 FUJISAN MAGAZINE SERVICE CO., Ltd.