《世界が変わるとき》この時代に、本が教えてくれること。

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フィガロジャポン(madame FIGARO japon)

《世界が変わるとき》この時代に、本が教えてくれること。

 
2020年、私たちが生きてきた世界は大きく変わりました。
それに伴い、私たちの価値観まで本当に変わったのでしょうか。
変えてはいけないのに、変えてしまったこともあるのではないのでしょうか。
 
これからの日々、何を大切にして、どう生きるべきなのか、
書物の中に、その答えがあるのかもしれません。
今回は世界が変わる時に読みたい、さまざまなことを教えてくれる本を紹介します。
 


『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』ドミニク・チェン著


 

 
台湾やベトナムにルーツがあり、日本生まれで仏国籍を持つ著者。
彼は吃音という自分の体が意図から外れる状態と長年付き合ううちに、
これこそが身体という他者との対話になっていると気付く。
 
しかも、自分の弱さをさらけ出すことが他人を力づけると知って驚く。
私たちは完全にはわかりあえない。
だが、そのことから生まれる空間からこそ、新たな世界が出現するのだ。
著者が紡ぐ共生の思想には、弱さに徹することの強さがある。
(選・文/都申)
 


『沈黙』ドン・デリーロ著


 

 
突然すべての電子機器が止まり、画面が真っ暗になる。
第三次世界大戦の勃発だろうか。だがインターネットもマスコミも動かないいま、理由はわからない。
機械から切り離された状況で、主人公たちはあることに気付く。
日頃、彼らは自分たちの身体を忘れ、生身の他人と深く関わることを避けてきた。
だがいまぽっかりと空いた時間の中で、彼らは神に祈ることさえ思い出す。
現代社会における聖なるものの訪れをデリーロは見つめている。
(選・文/都申)
 


『むしろ、考える家事』山﨑ナオコーラ 著


 

 
いくらやっても賃金をもらえることはなく、社会参加している気分にもなれず、
時短の工夫が提唱されることが多い仕事、それが家事。
では、家事時間ははたして無駄なのか?
著者は家事労働の時間を、楽しく考えて過ごそうと思い立つ。
そうして料理や後片付け、掃除や洗濯の間に家事について思い巡らせた内容を綴るエッセイ集。
文化的、社会的な側面からの考察も多く、日々家事をやることだって社会につながっているのだと思わせてくれる。
(選・文/瀧井)
 


 
たまにはスマホやSNSを閉じて、ゆっくりと本を読むのもいいかもしれません。
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