料理王国
バーモントカレーはなぜ「永遠のベストセラー」なのか
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日本人が初めてカレーと出会ったのは幕末、
文明開化とともにカレーは日本列島に広がっていきました。
1903年に「今村弥」が国産初のカレー粉を作り、
その3年後には東京・神田「一貫堂」がお湯で溶くだけで食べられるという
「カレーライスのタネ」を発売しました。
1950年に、日本で初めて固形カレールウが登場し、
カレー人気はますます高まっていきました。
しかし当時お母さんたちを悩ませていたのは、
子どもたちと一緒に食べられるカレールウがないこと。
そこで考え出されたのがリンゴとハチミツを使ったまろやかなおいしさの
「バーモントカレー」でした。
いまだに一番人気の商品というバーモントカレー。
幼い子どもからお年寄りまで誰もが美味しく食べられるので
発売から50年以上経った今も辛みをはじめ味わいの構成要素は
ほとんど変えていないそうです。
ハウス食品の考える『辛み』の捉え方
入社以来24年間、カレーやシチューのルウ製品の開発に携わっている
ハウス食品株式会社 開発研究所 開発二部 次長の清水愼太郎さんによると
作りたい製品の味覚イメージを考えるそうです。
「例えば、食べ初めは甘味が強く出て、中盤はこうなって、後半はこうなるといったように、目指す味の出方を考えていく。そのときに、組み立てたさまざまな味覚をいったん切るために、辛みを利用します」
それまでの味わいを一度リセットしてくれるので、また一口食べたくなる、
“辛みの術中”にまんまとはまって食べ続けるというのが狙い。
「辛み」とは味覚ではなく、痛覚や温覚で捉えられます。
カレーが老若男女を問わずいつの時代でも愛され続ける裏には
絡みを利用したこんな隠れワザがありました。
カレーは家族全員がおいしく食べられて本当に誰からも愛される食事ですよね。
カレーの歴史や、人気の秘密、辛さについて記事にまとめられています。
記事の有効期限: 2020年7月24日 Friday