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1冊タダ読み!
新型コロナウイルス感染症対策以前から常識だった『石鹸で手洗い』。
戦後の日本に清潔習慣を根付かせたのは大阪の会社・サラヤでした。
まさかのサラヤが衛生途上国でのビジネスから、『アフリカで刺身』というサプライズ…!?
今回は、あまから手帖の連載『食のSDGs辞典』(文・沢田眉香子さん)から
アフリカで行われた日本の衛生向上システムについて紹介します。
SDGsの課題は大小さまざまありますが、
紛争や貧困を抱える人口13億人のアフリカの持続可能な発展への貢献は、地球最大級のものでしょう。
21世紀、爆発的な経済発展を続けるアフリカ。
食という面から見れば、飢餓人口を抱える一方で、都市化とともに肥満や心臓病を引き起こす不健康な食が問題となっています。
残念ながらアフリカへの進出で中国などに比べて後れを取る日本ですが、世界に誇るヘルシーな和食でこの問題を解決できまいか、
沢田さんがそう思っていたところに目にしたのが、ウガンダに高級和食店がオープンしたというニュース。

写真を見ると豪華な木造建築の店内でピチピチの刺身や寿司が提供されています。
赤道直下の内陸の国で、一体どのようにしているのでしょうか。
さらには、このお店に出資しているのは、『ヤシノミ洗剤』のサラヤとのこと。
重なる、日本の戦後とアフリカの今
昭和の小学校の手洗い場に必ずあった緑色の液体石鹸のメーカーとして知られるサラヤ。
戦後、赤痢などに悩まされていた日本を、この簡単で効果的な感染症対策で清潔大国に導きました。
そのサラヤとアフリカの出会いは2010年の、ユニセフ(国連児童基金)の『100万人の手洗いプロジェクト』への支援。
これをきっかけにウガンダで感染予防に貢献するビジネスを立ち上げました。
その動機を後方の秋吉道太さんは、
「衛生問題で子どもたちが苦しんでいるアフリカの状況には、サラヤが石鹸を普及させてきた戦後の日本に重なるところがあります」と語ります。
食の安全と本格和食を同時に提供
まず、医療機関での衛生支援で成果をあげ、食品衛生事業へとサービスを広げました。
とはいえ、ウガンダには高い衛生レベルを必要とする食品産業はまだ少ないとのこと。
海外営業部アフリカ開発室室長の北條健生さんはこう話します。
「食品衛生を広めるのにも、ニーズが全くないところからのスタートでしたので『日本基準の、こんな衛生環境を目指しませんか』と提案するショーケースとして、我々の衛生システムを注ぎ込んだキッチンを作ったんです」
首都・カンパラに2018年オープンした『やま仙』の厨房には、
エタノールを使う急速冷凍機・ラピッドフリーザー、微酸性電解水での殺菌システム・サニスターが導入されています。
鮮魚を安全に提供するためだけではなく、食材を保存して定量、安定提供できるシステムです。
さらに、ケニアにレンタルキッチンを解説。
「そこでうちの施設設備を使っていただいて、起業を目指す人のインキュベーション装置となりながら“デフォルトで食品衛生が組み込まれた人”を育てようと。そういう人たちが増えていけば、全体的な底上げに繋がるんじゃないか」
徐々に衛生インフラを普及させてから和食を提供するのではなく、
新鮮な刺身とそれを実現する環境を同時に伝える、いわば一足とびの提案です。
サラヤはアフリカビジネスに取り組む日本企業の中では抜きんでた存在。
食品衛生以外にも、砂漠の緑化、石鹸などの原料となるパーム油原産地の生物多様性保全に貢献、
甘味料『ラカントS』の原料・羅漢果の生産者を支援するなど、SDGs全項目に取り組んでいます。
本誌では、こちらの連載や他にも海外のレストランや、海外を感じることができるレストランも紹介されています。
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1冊タダ読み!- 記事の有効期限 2022.06.24