
この記事が掲載されている雑誌は、こちらからお読みいただけます。
今すぐ試し読み!
フィジュアスケート男子シングル・フリーで、
羽生結弦さんは前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑みました。
ショートプログラム(SP)はアクシデントもあり8位。
表彰台を狙うなら、リスクの大きい4回転半を跳ばなくても、無難に演技をまとめることもできたはず。
しかし、羽生さんは平昌大会後の4年間、競技生活の集大成として位置づけてきた大技にこだわりました。

「天と地と」の旋律に乗って挑んだ冒頭のジャンプ。
前向きに踏み切った羽生さんは高く舞い、鋭く体を回転させましたが、片足で着水しようとして転倒。
ですが採点上は回転不足ながらジャンプとして認められ、
国際スケート連盟(ISU)公認の大会で史上初めてクワッドアクセルが認定されました。
「明らかに前の大会よりも、いいアクセルを飛んでいました。もうちょっとだったなって思う気持ちも、もちろんあるんですけど、でも、あれが(現時点での)僕の全てかなって」
その後、4回転サルコウも転倒。
後半2本の3回転トーループは決めたものの、SPの出遅れを取り戻せず4位。
五輪3連覇にはなりませんでした。
しかし羽生さんはフィギュア界の歴史に新たな爪痕を残しました。
「報われない努力だったかもしれないけど、うまくいかないことしかなかったかもしれないけど、一生懸命頑張りました」
絞り出すように言ったその言葉には、この8年間背負い続けてきた、五輪王者としての重圧が滲み出ていました。

本誌ではスポーツジャーナリストの野口美恵さんによる羽生結弦さんのコラムも掲載されています。
また、北京五輪での日本選手たちについても特集されています。
こちらからお読みいただけます。
今すぐ試し読み!