
RETRIEVER (レトリーバー)
《震災後の犬猫救出から議員になった女性》
これからの動物保護について
特定非営利活動法人SORAアニマルシェルターの代表理事、二階堂利枝さんは 東日本大震災直後から被災した犬や猫たちを救出保護し、 2011年4月、福島市にシェルターを開設しました。 そして2019年6月には福島市議会議員に立候補して当選し、 現在はシェルターの運営を続けながら市議として動物の福祉向上の啓発活動を行っています。震災直後、福島では物流が止まってドッグフードが届いていないと聞いた二階堂さんは 東京から福島までトラックにできるだけフードを積んで運びました。 そして避難所にフードを届けたり、 飼い主に頼まれて原発の避難区域内の犬を保護してきたりという活動を始めました。 地震や津波の影響で荒れた道を四駆のパジェロミニで走り抜け、 避難区域内に入ると、つなぎっぱなしの犬や放浪している犬が 避難区域内に多数残されていることに愕然。 放って置けず、福島県から山を越えて片道2時間、週4で通って犬たちにごはんをあげたそうです。 2ヶ月ほどで100頭ほどの犬を保護したという二階堂さん。 その中で預かった犬は40頭。 半数は飼い主さんがわからず、わかっていてもなかなか引き取りにこられず、 無償で預かり続けて7年経ったケースもあったそうです。
東日本大震災のように被害がとても大きく予想だにしない災害も稀なケースですが、 二階堂さんは普段から災害時にしっかりと自分の犬を守れるか、 備えをしっかりできるかを考えてから飼うことを考えてほしい、と話します。
東日本の震災を機に、被災動物の救護に関するガイドラインが作られ、 現在は「人とペットの災害対策ガイドライン」によって災害時には自治体や環境省、 獣医師会を中心に動物救護本部を立ち上げることとされています。 人間の都合によって殺処分が増えることを止めるため、 福島の動物福祉に関する意識向上のために二階堂さんは行政や議員にずっと訴えてきたものの そもそも状況を理解してもらえなかったとのこと。 そして自らが議員なり、動物福祉向上の啓発活動に取り組まなければという考えになり、 現在は実際に取り組んでいます。 これからも、日本ではどんな災害が起こるかわかりません。 でも「絶対に起こらない」ことはないので、いつか来てしまうときのために 私たち人間は、自分のことはもちろん、愛するペットを守るための準備や 住んでいる地域のガイドラインを頭に入れておかなければいけません。 この記事を読むと、その気持ちを改めて強く感じますし、 ただかわいいからと飼う人には絶対にやめてほしいなとも思います。 こちらから記事をお読みいただけます。
