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..れたと述べており、「医学の父」として知られるヒポクラテスは、芳香植物を燻してアテネをペストから救ったと言われている。ギリシャ文明がその頂点に達したとき、香料の調合、製造、使用の技術はすでに急速な..
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..た。アーユルヴェーダ医学では、緩下剤、強壮剤として、心臓、眼、皮膚に有益だと言われている。古代ギリシャの医者であり植物学者でもあるディオスコリデスは、著書『薬物誌』の中で、バラは頭痛、眼と耳の疾..
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..た。18世紀に入ると医学は科学的なアプローチに変わっていき、伝統的な薬剤は衰退。ハーブ薬剤は化学薬剤に取って代わられ、薬局方は次第に化学合成された代替物で埋めつくされた。治療薬としてのバラ190..
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..志(監修),『バラ大百科』,日本放送出版協会,2006山本淑子Yoshiko Yamamoto山本淑子ハーブ・アロマアカデミー校長。近畿大学非常勤講師。日本アロマ環境協会アロマテラピープロフェッ..
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..水))」と呼ばれ、各家庭の冷蔵庫に常備されているほど、食品として一般的である。ローズウォーターは精油と生産過程をともにし、抗菌イランではローズウォーターをチャイに入れるのがポピュラー,{D16B..
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..言われており13)、医学の父と呼ばれる古代ギリシアの医師ヒポクラテス(B.C.460 ~ 370)や、水蒸気蒸留法を確立した古代ペルシャの医師イブン・スィーナー(980 ~ 1037)は、治療薬..
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..る14)15)。古代医学におけるダマスクローズの主な治療効果には、腹部および胸部の痛みの緩和、心機能の改善、生理痛や消化不良の改善など多岐にわたっている。また穏やかな作用の便秘薬として服用されて..
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..ブン・スィーナー,『医学典範(日本語訳)』,第三書館, 201016)Mohammad Hossein Boskabady, et al., Iran J Basic Med Sci,Vol.1..
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..和メディカルリサーチ医学研究所神保太樹はじめにローズは、ほとんどの人が好む普遍的な香りです。精油としては高価であることも知られていますが、それにもかかわらず、ローズの研究は比較的多数実施されてい..
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..るでしょう。たとえば医学文献データベースであるPubMedで、“Rose, Essential oil”で検索を行ってみると、1957年に最初の文献が登録されて以来、研究の数がずっと増え続けてい..
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..)メディカルリサーチ医学研究所所長、(株)CHIKEN取締役、愛知医科大学先制・統合医療センター研究員、トリノ大学医学部客員教授等を併任。日本長寿健康応用学会理事、日本アロマセラピー学会副理事長..
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..なると思います。——家庭で手軽にケアする方法があれば教えていただけますか?東福:ローズオイルをマッサージオイルとして使うと良いでしょう。そのあと、浸透性を高めるためにホットタオルを使うと代謝も上..
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..たっぷり使います。各家庭ごとに微妙に味が違うんですよ。田中さん:ユズノンは圧搾で採れるから、ゆず酢にもユズノンが含まれています。絞り方も、果肉を下にして絞るのではなく、南半球絞りで皮を下にして絞..
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..。編集部:ゆず酢は各家庭で絞るんですか?中野さん:ゆずの木がある家は大体作っています。うちもシーズンになると収穫します。でも収穫できる時期は短くて1ヵ月ない。10月末~11月半ばくらいまで。接木..
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..)ルイ・パストゥール医学研究センター)を設立した岸田綱太郎博士が、すぐなすと大原の赤しそのみで漬けられる「しば漬け」。7月後半~翌5月末ころ出回る。7月後半は乳酸発酵し始めで爽やかな味わい、9月..
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..草園で栽培され、僧院医学や薬草療法の一翼を担いました。蒸留器の普及により、ラベンダー水やアルコールベースの香水も登場します。お風呂に入れたり、衣類や寝具の虫よけや香りづけに用いたりなど、暮らしの..
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..学者たちを招集、西洋百科事典を翻訳せよ江戸期後半、日本は幕府の鎖国政策により、西洋の国では唯一オランダとのみ交易を行いました。そうした状況下に台頭するのが、オランダの書物を通じて西洋の学問を学ぶ..
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..業」といわれる、西洋百科事典の翻訳プロジェクトが始動します。フランスで出版されたショメール編著による『日用百科事典』(1709年)のオランダ語版(1778年)を、翻訳しようという事業です(写真2..
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..ール編著による『日用百科事典』(1709年)のオランダ語版(1778年)を、翻訳しようという事業です(写真2)。幕府の命により、オランダ語通詞(通訳)の中で最も優秀といわれた馬場佐十郎と、蘭学塾..
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..厚こうせいしんぺん生新編』と名づけられ、翻訳作業は実に30年余りにわたり、総冊数はのべ約100冊*1におよびました。「厚生」という言葉は、「生を厚くして民を養う」とする儒教の教えに由来しています..
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..訳局でしたが、『厚生新編』というタイトルには「人々の健やかで豊かな暮らしのため」という思いが込められていたようです。扱われている分野は、植物、疾病・治療、動物、鉱物、天文、産業技芸、地理、物理な..
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...ショメール編『日用百科事典』のオランダ語版(1778年)。オランダでは初版が1743年に出ているが、『厚生新編』の翻訳に用いられたのは第二版で、写真はその第1巻の扉。(国立国会図書館デジタルコ..
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..に出ているが、『厚生新編』の翻訳に用いられたのは第二版で、写真はその第1巻の扉。(国立国会図書館デジタルコレクションより) 233.『厚生新編』に描かれている蒸留器の絵図のひとつ。「諸薬蒸溜法」..
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..り) 233.『厚生新編』に描かれている蒸留器の絵図のひとつ。「諸薬蒸溜法」の説明に添えられている。(恒和出版『厚生新編5』より)江戸時代最大の翻訳事業、『厚生新編』に登場するラベンダー『厚生新..
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..る。(恒和出版『厚生新編5』より)江戸時代最大の翻訳事業、『厚生新編』に登場するラベンダー『厚生新編』には、「ラーヘンデル」や「刺ラーヘンデル賢垤兒」という表記でラベンダーが登場します。その記述..
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..大の翻訳事業、『厚生新編』に登場するラベンダー『厚生新編』には、「ラーヘンデル」や「刺ラーヘンデル賢垤兒」という表記でラベンダーが登場します。その記述を読み解いていくと、ショメールの『日用百科事..
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..するラベンダー『厚生新編』には、「ラーヘンデル」や「刺ラーヘンデル賢垤兒」という表記でラベンダーが登場します。その記述を読み解いていくと、ショメールの『日用百科事典』が発行された18世紀初頭の、..
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..、ショメールの『日用百科事典』が発行された18世紀初頭の、ヨーロッパにおける薬草治療の様相が浮かび上がってきます。例えば、疾病・治療の部では、脳卒中などの治療薬として、各種の薬草を細かく砕きラベ..
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..いたようです。『厚生新編』の稿本には、訳校に当たった人物の署名が入っています*3。その署名を確認してみると、以上のラベンダーに関する記述のうち、宇田川玄真の没後に成立した第66巻の記述は宇田川榕..
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..、宇田川三代と『厚生新編』宇田川玄真(写真4)は『厚生新編』全体の約4割もの翻訳を手がけており、なかでも特に薬用植物に関する事項を熱心に翻訳したことが知られています。1832年に隠居するまで19..
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..真(写真4)は『厚生新編』全体の約4割もの翻訳を手がけており、なかでも特に薬用植物に関する事項を熱心に翻訳したことが知られています。1832年に隠居するまで19年にわたりこの翻訳事業に力を注ぎ、..
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..家に迎えられた。西洋医学書や西洋薬学書、薬学事典などを著し、『厚生新編』でも中心的役割を担った。蘭学者としての実力は随一であったといわれ、18世紀末に作成された「蘭学者見立番付」で最高位にランク..
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..典などを著し、『厚生新編』でも中心的役割を担った。蘭学者としての実力は随一であったといわれ、18世紀末に作成された「蘭学者見立番付」で最高位にランクづけされている。5.宇田川榕菴(1798 ~1..
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..は日本初の西洋内科の医学書を著し、内科医学が普及するきっかけを作りました。以後、玄真、榕菴と続く三代にわたり、藩医を努めつつ蘭学シーンで各々の学問を究め活躍しました。宇田川玄真は、西洋の解剖学や..
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..の医学書を著し、内科医学が普及するきっかけを作りました。以後、玄真、榕菴と続く三代にわたり、藩医を努めつつ蘭学シーンで各々の学問を究め活躍しました。宇田川玄真は、西洋の解剖学や病理学、生理学まで..
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..範提綱』を著し、西洋医学の入門書としてベストセラーとなりました。また西洋薬学書や薬学事典を刊行し、後進の育成でも功績を上げました。玄真が400種もの薬物を集大成してまとめ上げた日本初の本格的な西..
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..考』には、彼が『厚生新編』を通じて向き合い続けたショメールの『日用百科事典』からの引用が随所に見られます。宇田川榕菴は、リンネの学説を取り入れた日本初の本格的な西洋植物学書『植しょくがくけいもう..
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..たショメールの『日用百科事典』からの引用が随所に見られます。宇田川榕菴は、リンネの学説を取り入れた日本初の本格的な西洋植物学書『植しょくがくけいもう学啓原』を著し、シーボルトとも親しく交流しまし..
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..、ショメールの『日用百科事典』がきっかけでした。彼はまた、日本初の本格的な化学書『舎せい密みかいそう開宗』を著し、数々の化学用語を生み出しており、「日本の化学の父」ともいわれています。,{F28..
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..榕菴の学問に、『厚生新編』とのかかわりが大きな影響をもたらしていたことがわかります。『厚生新編』は江戸幕府の存立中には出版に至らず、昭和に入るまでお蔵入りとなってしまうのですが*4、かかわった蘭..
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..がわかります。『厚生新編』は江戸幕府の存立中には出版に至らず、昭和に入るまでお蔵入りとなってしまうのですが*4、かかわった蘭学者とその後の蘭学の発展に多大な影響をおよぼし、その成果は日本の近代科..
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..らの翻訳により『厚生新編』に登場したラベンダーは、紙上だけのものだったのでしょうか。実は、『厚生新編』の翻訳事業に参加した数年後、玄真はラベンダーを含む西洋の薬草の輸入を実現すべく、動き出してい..
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..ょうか。実は、『厚生新編』の翻訳事業に参加した数年後、玄真はラベンダーを含む西洋の薬草の輸入を実現すべく、動き出していました。果たして彼は、実物のラベンダーを目にしていたのでしょうか…。*1『厚..
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..ょうか…。*1『厚生新編』の和訳稿本は、70巻(2巻が欠巻のため68冊)が江戸幕府旧蔵史料として伝わっており、のちに古書店から新たに32冊(続稿)が見出された。続稿には、欠巻だった2巻のほか旧来..
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..れている。*3『厚生新編』の和訳作業は、一人が訳述(翻訳と著述)した箇所を、もう一人が校合(原著と照らし合わせて確人体用語、化学用語に見る、宇田川家の功績大腸や小腸の「腸」、リンパ腺の「腺」、膵..
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..文字は、宇田川玄真が医学書『医範提綱』(1805)を著す際に、各器官の働きから考案した和製漢字です。同書からは、このほか「尿道」「腹膜」「線維」「靭帯」「脂肪」など、たくさんの人体用語が生まれて..
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..行われた。*4『厚生新編』は、江戸幕府旧蔵史料群を収蔵する葵文庫の初代文庫長・貞松修蔵氏の手により、1937年(昭和12)に初めて出版された。参考文献・クリスティアヌ・ムニエ著,岡崎英生訳,『ラ..
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..佐十郎ほか訳,『厚生新編1 ~5』,恒和出版, 1978・菊池俊彦編,『厚生新編索引<別巻>』,恒和出版, 1979・杉本つとむ,『江戸時代西洋百科事典-厚生新編の研究』,雄山閣出版, 1998..
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..・菊池俊彦編,『厚生新編索引<別巻>』,恒和出版, 1979・杉本つとむ,『江戸時代西洋百科事典-厚生新編の研究』,雄山閣出版, 1998・『蛮書和解御用と津山藩の洋学者』,津山洋学資料館, 2..
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..とむ,『江戸時代西洋百科事典-厚生新編の研究』,雄山閣出版, 1998・『蛮書和解御用と津山藩の洋学者』,津山洋学資料館, 2011協力・津山洋学資料館(岡山県津山市)プロフィールYukiko ..