第33回 GQ JAPAN 編集長 竹内大さん

- ナンバーワンでオンリーワンのメンズ誌をめざす「GQ JAPAN」。そうありたいと願う読者にスタイリッシュで斬新でオリジナリティに富む情報をお届けします。iPadへもいち早く対応、インタラクティヴな雑誌もお楽しみに!


- GQ JAPAN
- 一冊定価:580円
- 発行間隔:月刊
- 発売日:毎月24.日
- 出版社: コンデナスト・ジャパン

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コンデナスト・ジャパン
「GQ JAPAN」編集長 竹内大さん 
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たけうちだい 愛媛県生まれ。千葉大学卒業後、日之出出版に入社し「FINEBOYS」編集部に配属。季刊誌「D−file」創刊編集長を経て退社。その後「Esquire日本版」副編集長、「Dear」副編集長、「OCEANS副編集長」を経てコンデナスト・ジャパン入社。2009年10月より現職(「GQ JAPAN」編集長代理)。
…出版されているのですが、基本は「GQ」DNAとでもいうべきものがあって、それをどうローカライズしていくのか、というつくりかたなんですよ。
―デザインもキャップさんで、以前のままですね。

ページ構成はボードに磁石で貼って考える

編集部員は取材で外出中です
ええ、デザイナーの方々には編集部にデスクを持ってもらっていて、そこで作業をお願いしています。iPadのデザインも考えていかねばならないので、大変でしょうが、楽しんでやってくれているようです。
日本の雑誌って、特徴があるとしたら、「特集」の見せ方でしょうかね。あんなに何ページも特集が組まれる雑誌って欧米ではまず見ないですよ。それに右開きで縦組みの文字(笑)。
左から開いて横組みの文字があたりまえの他国の事情とは比べると日本は本当に特殊な環境にあるのだと思いますね。ですからデザインにも特別なセンスが必要ですよね。
―竹内さんはいままでどんな雑誌で仕事をしてこられたのですか。
「GQ」に来る前に僕は「Esquire日本版」で7年仕事をしました。この雑誌のスタイルにプライドを持っていました。高級ライフスタイル誌には、やはりスタイルが必要ですね。「GQ」よりはカルチャーよりで、エッジが利いている媒体でしたが。
「GQ」はもっとメジャーで、メンズ誌では断トツナンバー1、オンリー1の雑誌だと思っています。また、そうあらねばなりません。このブランド、スタイルを正しく伝えていくのが僕の使命です。
中心になる読者は30代後半の感度の高いビジネスマンですが、常に新しく、スタイリッシュな内容のものを、提案していかねばと思っています。
ですので、彼らのいろんな興味にも対応できるように、これからは小特集をもっとさまざまに幅広くつくっていきたいと思っています。
―読者の幅をあまり広げるのはこの手の雑誌だとなかなか難しいところがありますよね。少数でも優良なコミュニティが担保されることに広告価値もうまれるのでしょうし。
まさにそうです。ただ単にいろんな読者に迎合しようということではないのです。読者との接点をもっと増やそうと思っているのだけなのです。そのためには「GQ」というものの認知度がもっと上がらねばなりません。
iPad展開にしても、コンテンツをデジタル化して見せることで紙の媒体との相乗効果を期待してのことです。いまは消費者にメディアが近づかないとその良さが生きてこない時代です。いい本をつくっても、ただそれだけじゃ売れないですよね。だから間口を広げて多くの人に見てもらってチョイスしてもらえばいいと。
―雑誌の内容については、今後どんな方向に行きそうですか。

「WIRED」は研究材料として重要に
僕自身、編集者としてのスタートが「FINEBOYS」(日之出出版)なんです。以来ずっとファッションは担当してきました。もともとファッション好きの人間だったんですよ。「ポパイ」(マガジンハウス)や「ホットドッグ・プレス」(講談社・休刊)を読んで育った人間ですから。
日之出出版に入ったのもファッションをやりたかったからなんです。ずっと培ってきたファッションへの理解度やスキルに基づく、独自の視点をもっと入れていきたいです。秋にはファッションの特別号を出す予定です。
―逆に、やりたくないことって何ですか。
「日本沈没」とか「底」とか、最近の週刊誌に多いネガティブ・キャンペーンみたいなのは嫌ですね。こういう時代だからこそ、ビジネスのヒントになるような読者に希望を抱かせるポジティブなコンテンツをたくさん提供して、日本の社会に勢いを与えていければいいなと思っています。
コンテンツでは、紙とデジタルを全部まとめて雑誌です、って外部には言ってまして、それで取材や広告を進めているのですが、まだスタンダードがないので、毎回説得に時間を要します。でもそのスタンダードを協力者と一緒につくりあげていく。WEB世代の考えをちゃんと取り入れて、世の中の時流を捉えてフレキシブルに対応できる組織で、他誌が見本にしたいと思えるようなチームができればいいなと思っています。
(2010年4月)

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「GQ JAPAN」の創刊に私が参画したのは、いまから20年近くも前のこと。創刊編集部はたった3人でした。当時「マリクレール」の黄金時代をつくったヤスケンこと安原顕さんにも声がかかったそうですが、彼は「オレにゃこんな雑誌はできねえ〜」と米国版のページをめくりながらつぶやいてましたっけ。で、結局、編集長が「新潮45」のデスクだった中さん、「週刊プレイボーイ」「エスクァイア日本版」などで編集者をしていた木下さん、それとほぼ海外プー状態だった私ということになりました。
周りに大勢のコントリビュータがいたとはいえ、なんとも心もとない船出でした。当時は「GQ」なんたって誰も知らないし、交渉先が外国人だし(笑)。そのときのバカみたいな苦労を、なんとなく懐かしく思い出しながら、竹内さんから近況を聞かせていただきました。
電子書籍、電子雑誌の議論がかまびすしい昨今ですが、技術やビジネスサイドからの理屈が多いような気がします。それは間違いではないのですが、編集サイドから言うと本質論ではない。雑誌や本が好きな人、編集することが3度のメシより好きだという人は、世間がどう言おうが、自分なりに闘いながらやっていくことになるのでしょう。
新しいことをやる、前例のないことをやる。これがまさに雑誌づくりの原点だと思います。竹内さんは、それをしようとされています。しんどいでしょうが、がんばってください。時間はかかるでしょうが、そのうち周りがついてくるでしょう。応援しています。

インタビュアー:小西克博
大学卒業後に渡欧し編集と広告を学ぶ。共同通信社を経て中央公論社で「GQ」日本版の創刊に参画。
「リクウ」、「カイラス」創刊編集長などを歴任し、富士山マガジンサービス顧問・編集長。著書に「遊覧の極地」など。




