第1特集:「図形」における高次の資質・能力を育成する数学的活動
第2特集:子どもの個性・多様性を生かす算数の授業づくり
8月号の第一特集では、「図形」をテーマとして取り扱いました。本号に至るまでの間、まずは「豊かな概念の形成」をいかに捉えるか、といった議論から始めました。そして、「意味のネットワーク」がその「豊かさ」を決める重要な一つの要素ではないかと考えました。ややもすると学びが分断されている現状を踏まえ、さまざまな学びが有意味につながるようにしよう、という方向性が打ち出されました。それを「図形」において実現するために、性質、構成、計量、活用といった活動同士のつながりが強調された活動が計画されるに至りました。本号で提案された教材や単元デザインについては、そのような経緯を経て提案されたものです。ぜひ、そうした思考のプロセスも含めて、皆さまのご参考になればと願っております。
第二特集では、「子どもの個性・多様性を生かす算数の授業づくり」をテーマに、全国の新進気鋭の先生方に、様々な実践事例をご紹介いただきました。 以前、 ある有名企業のホームページに、「ダイバーシティ×インクルージョン=イノベーション」という「言葉の式」が書かれていました。また、多様なバックグラウンドを持った人財がいれば、 環境の変化に素早く対応できる。だからダイバーシティは企業の持続的な成長に欠かせないんだ、と説明されていました。社会の変化は予測できないけれども、多様性のある組織にしておくことが予測不可能な社会への対応になる、という説明に、なるほどと思いました。「多様な人がいて、みんなで学ぶからこそいいんだ」と心から思えるようになった子どもたちの存在が、将来の社会全体を方向づけていくことを期待したいと思います。算数科は、その実感を得る上で、うってつけの教科であると言えないでしょうか。
(以下、目次)-----------------------------------------------------
新しい算数研究8月号
August 2026 CONTENTS
年間共通テーマ
次期教育課程への提言 ~豊かな概念の形成を目指す数学的活動の実現~
第1特集
「図形」における高次の資質・能力を育成する数学的活動
論説
場面を超えて働く図形の学びのために
影山 和也 6
事前検討会
「図形」における高次の資質・能力を育成する数学的活動
齊藤 一弥/大井 慶亮/刀根 正秀/元田 光二/三上 顕/純岡 尚史/黒木 正人/横地 健一郎/太田 博英/鴨志田 岳大/久保 真梨子/池上 葵/渡邉 敏尚/関口 泰広/下村 怜史/小泉 健輔/岡田 秀亮/岡田 かおり/松井 恵子/桑原 俊和/富張 恵/瀬野 萌/肥後 和子/伊藤 美幸/深田 大和 12
本時の指導案
本時の目標と本時の展開案
宮入 優佳 18
授業の実際
対称の図形 ~「対称の眼鏡」で伝統の美に隠された文化を解き明かそう~
(伝統文様「麻の葉」に潜む数学的節約性の探究) 6年
宮入 優佳 20
事後研究会
授業を振り返って
⿑藤 ⼀弥/池⽥ 敏和/笠井 健⼀/⼩泉 健輔/元⽥ 光⼆/⼑根 正秀/⿊⽊ 正⼈/梅本 樹徳/宮⼊ 優佳/横地 健⼀郎 24
第2特集
子どもの個性・多様性を生かす算数の授業づくり
論説
インクルーシブ算数教育のデザインに向けて
松島 充 34
実践事例1
多様な見方を接続し再構成する算数授業
-第1学年「かたちあそび」における概念形成の再設計-
至田 文美 38
実践事例2
子どもの個性・多様性を生かす算数の授業づくり
-第2学年「はこの形」の実践から-
竹島 悟 42
実践事例3
子どもの経験知を活かした算数の授業づくり
~第3学年「長いものの長さのはかり方と表し方」の実践から~
一色 裕亮 46
実践事例4
経験や思考の多様性を担保した対話による数の概念形成に関する授業実践
-第4学年「がい数」の導入場面の授業実践-
高山 新悟 50
実践事例5
児童の「困った」「分からない」に寄り添う算数の授業づくり
-第5学年「小数のかけ算」の導入場面における授業実践-
工藤 尋大 54
実践事例6
多様な見方を生かし,学びをつなぐ図形指導
~第5学年「合同な図形」直観・操作・論理をつなぐ学習過程の工夫~
河野 加奈子 58
今月の話題
調査官を終えて,現場に戻って考えていること
笠井 健一 1
スイカはまる? 図形も夏も、楽しく味わうだワン!
2026年(令和8年度)『新しい算数研究』年間テーマ 4
第36回新算研・教育研究賞 〔募集要項〕 32
新算数教育研究会主催 セミナー 記念 第50回大会 一次案内 62
次号予告・編集後記 内田 謙太郎 64
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