第64回 つり人 編集長 山根和明さん

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創刊から65年を迎えた伝統のつり雑誌です。毎号、特集をメインに捉えた読みごたえある誌面展開、臨場感あふれる写真によって、内容も一層充実。明日の釣り、釣り場の環境改善に真剣に取り組んでいます。

つり人 表紙

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つり人 表紙

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つり人
一冊定価:980円
発行間隔:月刊
発売日:毎月25日
出版社: つり人社
編集長プロフィール
つり人社
「つり人」編集長  山根和明さん
編集長写真
やまねかずあき 1994年つり人社入社。2006年より『月刊つり人』編集長を務める。渓流釣り、アユ釣り、磯釣り、沖釣り、コイ釣りなどなど四季折々の釣りを楽しむ。コイ釣りニュースタイルマガジン『Carp Fishing』、渓流釣り専門誌『渓流』、トラウトルアー専門誌『鱒の森』編集長を兼務。

伝統にあぐらをかかず新手法を取り入れて

―山根さんは「つり人」編集長であると同時に専務取締役でもあるわけですね。現場と経営を両方見るのは大変ではないですか。

風格のある新ビルに編集部はある
風格のある新ビルに編集部はある
地下には撮影スタジオもある
地下には撮影スタジオもある

ええ、そのほか、季刊の「鱒の森」、年2回ですが「CarpFishing(カープフィッシング)」と「別冊渓流」の編集長も兼務です。たしかに激務ですが、つりの全国規模の総合誌って、いまは「つり人」しかないんですよ。だから専門誌的なものをこなして新しい情報や知識を総合誌にも活かせるように一通りやんなきゃって感じなんです。

―伝統の雑誌ですから力が入りますよね。

はい、自分の憧れの雑誌でもありましたから。2011年3月号で創刊777号でした。もう65年やってるのかって感慨深いものがありました。創刊したのは佐藤垢石(こうせき)ですが、彼自身も物書きで井伏鱒二などとの交友もあったような人です。釣りでは井伏さんが佐藤の弟子だったということです。表紙がレオナール藤田とか(笑)。そんな巨匠たちがつくっていた雑誌ですから、私が潰すわけにはいかないんですよ(笑)。

―やはりつり好きな少年だったのですか。

そうですね。「釣りキチ三平」とか影響受けてますね。僕は川崎で育ったのですが、多摩川だとフナがちょっとつれるくらいでイマイチおもしろくはない。たまたま母の実家が九州の柳川で、夏休みなど遊びに行くとおじいさんがつりに連れて行ってくれる。これがつれるんですよ、東京の比じゃない(笑)。それではまったんですね。

―では就職は迷わずつり関係だと。

何と言うか、僕らのときって就職氷河期の入り口で、なかなか就職先が見つからなかったんです。僕もどうしようかと思ってました。そのときレスター・ブラウンの「地球白書」を読んだら、21世紀は環境の世紀だとあった。僕はコレだと思いまして、いや実は、学生時代から北海道の田舎の川につりに行ったりしても上流に堰堤があったりして、なんだこれは、って思ってたんですよ。長良川の河口堰問題もあったりして、環境ということを大切に考えられる、そんなメッセージを出せる仕事をやるべきと僕は考えたんです。「つり人」に入って記事を書けば、北海道の田舎に堰堤をつくる馬鹿馬鹿しさを、つり人にメッセージとして出せると思った。

それで直接ここに電話して働きたいと言ったら、じゃあ面接に来いといわれました。実は現社長の鈴木以外は全員僕を入れるのに反対したらしいですが(笑)。

でもバイトに来いと言われ、まだ大学4年でしたが、バイトで潜り込むことに成功し、それが縁で採用されました。

―当時の編集部の印象ってどうでした。

創刊号の復刊本も出された
創刊号の復刊本も出された

93年なんですが、まず上には上がいるということを痛切に感じました。

釣りに対する取り組みというか姿勢はまさに草野球とプロ野球くらいの差がありました。

編集部の人たちの釣りに対する思いは、「好き」などという生易しいものではなく「釣りがすべて」という感じで、知識はもとより、イトの結び方、作る仕掛けの美しさ、キャスティングの技術などなどすべてが洗練されていました。

それまでの自分は、釣果は運が半分、ウデが半分くらいの認識でしたが編集部で働き始めてから、釣りは8割方はウデで決まるということを知りました。

そして、各ジャンルのエキスパートを取材していく過程で、さまざまなことを教わった結果、それまでと比較にならないくらい魚が釣れるようになり、さらに釣りが面白くなっていったんです。

―じゃあ毎日が楽しくってしょうがない。

ええ。仕事と趣味が一体化しているわけですから、これはもう取材に行くのが楽しくてしょうがない。徹夜も苦にならないし。それに若いうちは金を残すな、金は自分に投資しろと鈴木(現社長)から言われてましたので、まったくお金もない(笑)。いまの人はそうじゃないのかもしれないけど、僕らのときはまだそんな空気がありましたね。

社長の鈴木など、・・・(次頁へ続く)

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