日本最大級の雑誌数 定期購読者100万人以上!

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2005年 販売はどうなる?
販売チャネルが多様化出版社側の 更なる工夫も必要に~定期購読~

-富士山マガジンサービス社長 西野伸一郎

富士山マガジンサービスは今から約2年前に、「定期購読」と「e-コマース」をキーワードに立ち上げた会社。既存の取次ぎでは、大阪屋さんと提携をしています。

この2年間で、トーハンさんや日販さんでも定期購読の扱いを始めました。アマゾンさんでも雑誌の一部売りを開始するなど、新たな動きが見られるようになり、当社の波及効果を感じ始めています。

定期購読のメリットは、返品なし、1年分の購読料が確実に入る、ユーザー情報を手にすることでマーケティングが可能、といったことにあります。

とはいえ出版社は歴史的に見て、「取次・書店流通」というものに頼りすぎており、今までそれほどマーケティングを重視していなかったように思います。

今後、マーケティング無しに雑誌販売は不可能となるでしょう。マーケティングとは、読者ニーズを掴むことから始まります。ですから、定期購読制度を取り入れることは出版社にとって、読者ニーズを掴む上で、またとないチャンスなのです。

これからも定期購読の市場は一定の比率で伸びるでしょう。我々「売る側」の体制は既にできています。しかし、ブレイクスルーをするには、出版社側の更なる工夫が必要と見ています。2005年に限って言えば、「定期購読者を増やそう、そのための工夫をしよう」という認識を持つ出版社が、ぼちぼち現れ始める、というレベルでしょう。この際の「出版社側の工夫」とは、定期購読者がメリットと感じる価格設定や、専用のコンテンツのこと。こうしたものが無ければ、売る側がいくら努力しても、ブレイクスルーには至りません。必要とあらば定期購読のためのノウハウをお教えしたいので、声をかけていただきたいですね。

e-コマース市場も同様に伸びるでしょう。この分野では、「記事単位での販売」も視野に入れています。出版社側では「記事だけ売れて雑誌は売れないのでは?」という恐怖感があると思いますが、今後は一つの記事からその雑誌を知り、雑誌を買うようになるという流れがますます広がるのではないかと思うのです。逆転の発想をし、2005年こうした流れをマーケティングのチャネルとして積極活用するべきではないかと思うのです。