 日経産業新聞 (2006/08/31)
電子雑誌 出版社に提案
米大手と契約
雑誌の定期購読申し込みサイトを運営する富士山マガジンサービス（東京・渋谷、西野伸一郎社長）は今秋、電子雑誌事業を始める。電子雑誌大手の米ジニオ（サンフランシスコ市）のソフトを使った電子雑誌の発刊を出版社に提案する。国内では小学館が10月にも生活情報系、娯楽系の月刊誌の電子版を発刊する予定。雑誌にも電子化の波が広がってきた。
ジニオは米国を中心に400以上の電子雑誌を販売し、約340万人の読者を抱える。富士山マガジンはジニオのソフトを使った日本での事業展開について独占契約を結んだ。
ジニオのソフトを使った電子雑誌は、パソコン上でページをめくるような感覚で、紙版の雑誌と同じ紙面を楽しめる。紙面内容をキーワード検索したり、記事ごとにメモを書いて残したりするなど、電子雑誌独自の楽しみ方もできる。別のパソコンへのコピーはできず、画面コピーの防止や印刷ページ数の制限などといった著作権管理機能も備える。
富士山マガジンは出版社に対し、電子雑誌をインターネット上で発刊することで新たな読者を獲得でき、雑誌事業を補完できる点を訴え、顧客を増やしていく考え。誌面データを、広く使われる文書形式「PDF」に変換すれば電子雑誌を制作でき、手間もかからないという。
富士山マガジンは、出版社から35%程度の販売手数料、1ページ当たり200円の制作費、1部数10円の配送（ダウンロード）料を受け取る。原則、定期購読で、利用者が支払い料金や配信日程は紙版の雑誌と同じになる見通しだ。
同社は2002年7月設立。雑誌の定期購読を受け付けるサイトを運営し、現在は約600社の約2300誌を販売している。社長の西野氏は、ネット通販大手アマゾンジャパン（東京・渋谷）の立ち上げメンバーの一人。
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