68号

HULA Le’a(フラレア)

Daisuke and Hirai's Honolulu story Final episode だいすけ&平井のホノルル物語 最終回

Daisuke and Hirai's Honolulu story Final episode だいすけ&平井のホノルル物語 最終回

フラダンサー目線のオアフ島パワースポット巡り第2弾

text /Daisuke Yoshimi photo/Koji Hirai

だいすけ:読者のあなたも一緒に疑似体験していただいてきた、だいすけ&平井編集長のハワイ道中記、いよいよ最終回です。

平井:最終回ですが、フラダンサーにとってもっとディープな場所を2人で探してきますので再開できる日をお楽しみに!

だいすけ:さあ最終回は前号に引き続きフラダンサー向けパワースポット巡りです。パワースポットにもいろいろ種類がありますが、今回は聖跡・霊木・霊泉・聖域・霊峰と表現できるいくつかの場所を巡りました。ハワイの神話・伝説・歴史にゆかりがある、神々と繋がる聖地ばかりです。勢い余ってホノルルを飛び出してしまいましたが・・・

平井:ワイキキから見たら島の反対側になるウィンドワードのヘエイアからスタートです。ヘエイアもフラソングに歌われている地名ですね。

だいすけ:『へエイア』というとギャビー・パヒヌイやHAPAがレコーディングしたあの波乗りソングを思い浮かべる人も多いと思いますが、あちらはハワイ島のヘエイア。オアフ島のヘエイアを歌うメレは別にあるんですよね。後ほどご紹介しましょう。

平井:静かな海と山に囲まれたとてもいい場所、さあ早速この身も心も洗われる神聖な場所からご案内しましょう!

ヘエイアはカネオヘで育てられた半神の名前

フィッシュポンドをヘエイア州立公園から望む

だいすけ:ワイキキから車に乗ってリケリケ・ハイウェイを走り、コオラウ山脈を越えてカネオヘを通り抜け、たどり着いたのがヘエイア州立公園。30〜40分のドライブでした。やっぱりいいですね、ここの雰囲気。

平井:僕はここが大好き。本当にプラスのパワー貰えるのです。

だいすけ:以前何度かここに来たことがあるのですが、いつもクムフラに呼びだされて、というパターンでした。カワイカプオカラニ・ヒューエットさんとか(故)アロハ・デリレイさんなどカネオヘをホームにするクムフラの方々は、ここをイベント会場としてよく利用するんですね。そういうイベントを観に来た思い出があります。いつ来てもいいところです。

平井:ですよね! ここは空気が違うんです。

だいすけ:では読者のあなたにこの場所について少し解説。まず「ヘエイア」という地名の由来。「Heʻe ʻia」 は「(波に)呑まれる、流される」という意味。過去に津波に襲われた記憶がこの場所にあるようで、戦の途中で兵士たちが波にさらわれたという伝説があります。ハワイ神話の中で「へエイア」といえば大地の母神ハウメアに引き取られて、カネオヘで育てられた半神の名前。後にペレ&ヒイアカの妹カオヘロとコオラウの山で出会い恋に落ちるという物語があります。ちなみに「へエイア」が惚れたカオヘロ、コオラウ山頂に育つオヘロベリーは彼女のなれの果てだそう。もうひとつちなみに猪半神カマプアアは「へエイア」の甥にあたるそうです。

平井:奥深いですね。そしてこちらへエイア州立公園はヘイアウの跡でもあるのです。

だいすけ:ヘイアウだったこの岬は『カ・ラエ・オ・ケアロヒ』(光輝く岬)と呼ばれていて、死後の世界への入り口「魂の分岐点」と信じられていたんだとか。この岬からは沖にサンドバーのきれいな景色が見えますが、あの場所のハワイ語名は『アフ・オ・ラカ』(ラカの祭壇)というのだそう。このエリアはまさに聖域といった趣です。

平井:そして高台から見るとよく分かるフィッシュポンド(魚の養殖場)があります。

だいすけ:ハワイ語名は『ロコ・イア・オ・ヘエイア』、ハワイに数ある古代養魚池の中でも最大規模。洪水で一部が破壊された20世紀中頃まで実際に利用され続けたそうで、今その文化的な価値が見直され再現する活動が進んでいます。養魚池を守っていたモオ(トカゲ)の番人メヘアヌの伝説がありますが、池や川や滝を守る超自然の生き物を崇める風習、日本に似てますね。

平井:そうそう、水の神として河童を祀りキュウリを供えたりしますね。

だいすけ:へエイアを歌うメレといえば編集長は何が浮かびますか?

平井:『アロハ・クウ・ホメ・ア・イ・ケアロヒ』で、まさにこの場所でそのフラを習いました。その歌詞に出てくる一つ一つの場所がハワイアンに大切な場所なんです。

だいすけ:ぼくは同じくヒューエットさん作の『(イ・ケ・クラ・オ・)へエイア』です。このメレが、へエイアの雨、女神ヒナの丘、へエイアを守る女神ハウメア、海を守るアウマクアのサメなど、神話伝説にまつわる名前を教えてくれます。古代ハワイと繋がる場所へエイア、ぜひ一度訪れてほしいフラダンサーのパワースポットです。

特別な木がいる パワースポット

だいすけ:ハワイ大学時代に文学クラスの課題でヘルマン・ヘッセの『シッダールタ』を読んで以来、憧れていることがあるんです。それは菩提樹の下で瞑想をすること。何日も続けて悟りを啓きたい、なんてたいそうなことではないですが・・・

平井:そういえば今までの僕らの旅の中で、だいすけさん色々と瞑想してましたね。

だいすけ:霊木・聖樹・神木とか呼ばれるような木にすごく惹かれるんですよね。そしてハワイはそういう特別なパワーがありそうな大木とよく出合えます。

平井:確かに日本ではなかなかお目にかかれないような大きい木がたくさんあります。

だいすけ:実際、マノアの森の中とかいろいろな場所に、ぼくが勝手に「パワーツリー」だと思っているお気に入りの木がたくさんあります。そういう木は秘密にしておくことにして、今回は深い森の中に行かなくても出合える街中のパワーツリー、2ヶ所を訪れました。ひとつめがイオラニ宮殿の庭にあるバニヤン・ツリーです。

平井:今日は撮影のために日曜の朝早くに来たから、駐車場に車がなくバニアン・ツリーの全景が超巨大に見えます。

だいすけ:この木は理屈なしでなんだかすごいパワーを感じますね。はじめて木の下に立った時は、自分が普段過ごしてる日常の時間とまったく違う時間の流れに吸い込まれるような、軽い目眩でクラクラしました。枝から地面に伸びる気根が太くなって絡まり合って幹のようになって、それがどんどん広がっていって森のようになってきたプロセスを想像すると鳥肌が立ちます。

平井:これだけデカイと樹齢はどのくらいなんでしょうね?

だいすけ:1879年に行われた宮殿の礎石を据える儀式の日に植樹された説をとるなら、140年くらいですね。霊木扱いするにはまだまだ若い部類かもしれませんが、サイズ的には樹齢何百年? という風格。植樹したのがカピオラニ王女だったと知るとまた特別感が増します。カラカウアからリリウオカラニのハワイ王国、そしてアメリカの一部になっていく歴史舞台をここでずっと見ていたんだ、と感慨もひとしお!平井:感激感激! この全景を見たいなら日曜の朝がオススメです。

樹木のワンダーランド=フォスター植物園

だいすけ:続いてふたつめのパワーツリースポットはフォスター植物園!

平井:ホノルルにある植物園とは思えない規模で、何よりこの静寂感がいいですね。それから何もかも大きい!

だいすけ:巨木マニア、パワーツリー・マニアにはたまらない場所です。なんとここにいらっしゃる菩提樹さん、親木を何代か遡るとインドのブッダが悟りを啓いたその木に繋がるという由緒ある菩提樹なのです。思わず木の下で座禅を組みたくなります(笑)

平井:はい、やってましたね! あと椰子の木もやたら大木でしたね。カリビアン・ロイヤル・パーム(カリブダイオウヤシ)という世界一高い木の種類らしいけど。

だいすけ:『星の王子さま』のバオバブの木とか、虹色の幹が不思議なレインボー・ユーカリとか、おかしな実の付き方をする一風変わったキャノンボール・ツリーなど、まるで絵本の中のようなファンタジーな樹木たちが集まるワンダーランドです。自分に合ったパワーツリーを見つけて、たくさんパワーをもらっちゃいましょう。

フォスター植物園 . 住所:50 North Vineyard Blvd. Honolulu . 開演時間:9:00am - 4:00pm (1/1と12/25を除く毎日) . 入園料:大人5ドル、子供(6才〜12才)1ドル

聖泉クナワイ

だいすけ:フォスター植物園から西に1ブロック、そして北に数ブロック行くと、住宅街の中にひっそりと存在するパワースポットがあります。『クナワイ・スプリング Kunawai Spring』と呼ばれる泉がそれ。ハワイの神話に出てくる聖泉なんです。

平井:実際に見ると公園の池みたい? でも水が綺麗かも。

だいすけ:大きさは10メートル四方くらいですかね? 今も地下からこんこんと湧き出ている透き通った淡水と、泉の底の粘土(現在はコンクリートで埋められてる)には強い治癒力があるとされ、19世紀までアリイのための病を癒すヒーリング・センターとして使われていた、と銅板に記載されてました。

平井:なるほど、なんだか僕は静岡の柿田川湧水群を思い出しましたが、この場所は住宅地ですね。

だいすけ:周辺はちょっと柄の悪い雰囲気がしなくもない地区ですが、この泉のほとりはなんだか気持ちいい場所でしたね。太陽の下でキラキラしてる水面眺めながらボーっとしてると、時間が止まってしまったような気持ちになります。

平井:なんとも言えない心地よさ。

だいすけ:最近たまたま女神ケアオメレメレの神話を読んでいたら、この場所が出てきました。ケアオメレメレ(「黄金の雲」の意)を知らない読者のために簡単に解説すると、彼女はクーとヒナの子で後にオアフ島にフラを伝えるクムフラの元祖となる黄金の雲の女神です。彼女にはカハナイアケアクア(「神に育てられる者」の意)という名の兄がいます。彼はマウナケアの雪の女神ポリアフと一時結ばれた後別れて預言力を授かった僧侶になります。この兄はヒナから生まれた直後、虹の女神ケアヌエヌエに引き取られヌウアヌのワオラニで育てられました。子供の彼がお気に入りの遊び場として選んだのが、この癒しパワーのある泉クナワイでした。彼の他に誰も立ち入れない「カプ(聖域)」に指定される、というくだりを見つけて「へぇー!」となりました。

母神の山、ワオラニとオロマナ

平井:クナワイの泉から山の手に移動して寄ったゴルフ場ですよ? 確かオアフ・カントリー・クラブ、こんなところにパワースポットがあるとは意外ですね。

だいすけ:ハワイ神話の父神ワーケアと母神パパ(ハウメア)はじめ、カーネ、カナロア、ケアヌエヌエ、ケアオメレメレなどの神々がかつて住んだ地として伝えられるのがこの山の一帯ワオラニ。現在のヌウアヌ渓谷の地形は、クムフラ修行を終えたケアオメレメレがウニキのフラを踊り続けた結果、大地が裂けてできたのだと神話が伝えます。ヌウアヌ渓谷誕生がオアフ島フラの原点と絡んで伝えらるというのは興味深いですね。ヌウアヌもフラダンサーにとって特別な場所といえます。

平井:そんな神話の場所だったんですね。僕が住む逗子でも随分変わってしまった場所があります。

だいすけ:ワオラニはヌウアヌ渓谷とカリヒ渓谷に挟まれています。このあたりを舞台にする神話伝説には『ハウメア』の名前がよく出てきます。大地の母、神々の母、人類の母、出産・生命の象徴として現れる女神ハウメアがペレ、ヒイアカ、カポなどフラと関わりの深い女神たちの母であることを今回いろいろ調べていて改めて認識しなおしました。

平井:そうして説明してもらえると有り難いです。 ねえ、だいすけさん、ここからさらにパリ・ハイウェイでコオラウ山脈の向こう側へ行くと、尖った頂の山が目立ってましたが、あの山にも伝説がありますね?

だいすけ:『オロマナ』と呼ばれる山ですね。オロマナとは母神ハウメアに仕えた巨人の名前です。あの山は、ハウメアに命じられてワイマナロ、マウナウィリ、カイルア一帯を見張る番人となった彼の体だ、という伝説があります。ウィンドワード地区を見下ろすようなこの山にふさわしい伝説ですね。

本当のバースストーンの意味、ご存知ですか?

平井:フラダンサーにおすすめのパワースポット、最後に訪れたのが『オアフ島一の聖地』といわれるクカニロコ・バースストーン。ホノルルからはフリーウェイを車で40分くらいのドライブ。この方面に来るのは久しぶりですからなんだか懐かしさを感じてしまいます。

だいすけ:場所はワヒアワ・タウンの町外れ、オアフ島ノースショアに向かうカメハメハ・ハイウェイ沿い、周りはサトウキビやパイナップルの畑が広がっていた広大な大地の中。赤土の道が奥へ続くバースストーンへの入り口が道路から見えます。

平井:入り口に「Wahi Kapu」というサインがありました。

だいすけ:「聖地」という意味ですね。こういう場所では、まず目を閉じて深呼吸をして、心のなかで自分の名前、どこから来たか、何をしに来たかを伝え、足を踏み入れることを許可してください、と唱え礼をして入ります。ハワイアンがするようにオリを唱えるのもいいのかもしれませんが、ぼくは違和感を感じるのでそうしていません。

平井:ここがバースストーンと呼ばれているのは、昔王族の出産場所だったからですよね。

だいすけ:ここで生まれた子供は強いマナを授かり世を治める力を持つと信じられたようです。実際、オアフ島をたたえるメレによく歌われる大王カクヒヘヴァはここで生まれたといいます。

平井:奥へ入って行くとしっかりと管理されているのがわかりますね。ハワイ固有種の植物が植えられていたり、雑草がきちんと刈られていたり。中心に岩が集まっています。あれが実際に出産した場所ですね。

だいすけ:出産の儀式は大掛かりで、カフナ(僧侶)やアリイ(首長)合計48人が立ち合うのが決まりだったそうです。彼らが聖なる子誕生の生き証人となったんですね。

残念な事に立入禁止に!?

平井:それは凄いですね! 大奥で将軍の子供が生まれるのと同じか? それ以上ですね!バースストーンの周りがティーと岩で四角く囲われているけど、入ってはいけないということかな?

だいすけ:そうなんです。以前は囲いはなかったのですが最近整備されて、今は立ち入り禁止のサインまで立っています。とても残念なことなのですが、近年のパワースポット・ブームでここにやってくる観光客が増えて問題があったのです。一部のマナーの悪い人が石の上に乗って写真を撮ってそれをSNSにアップしたりして・・・。

平井:それって最低ですよね!

だいすけ:聖地をリスペクトする心得のない人にパワースポットを訪れる資格はない!と言いたいですが、一部の人の愚行によってルールは作られてしまいました。いずれにしても今は以前のように石に触れることはできません。

平井:ほんとうに残念なことです。カイルア・ビーチ周辺の住宅もアメリカンスタイルの家が珍しいのか? 観光客が塀の上に手を伸ばして写真を撮ったりするから問題になっていますね。話がそれてしまいすみません。

だいすけ:バースストーンに木陰を作るこの大木たちはユーカリです。落ち葉が天然アロマになってここをいい香りで包んでます。ユーカリの木立の向こうに見える山並みはワイアナエ山脈。山並みの右側半分を見ると妊婦が仰向けに寝ているように見えませんか?

平井:え! ホントですね。見えます。まさしく横になった妊婦の姿ですよ!

だいすけ:ここが王族の特別な出産場所に選ばれたのは、あの山が妊婦に見えることと関係があるのかもしれないですね。

コラム
クカニロコ Kūkaniloko 「押し出す内なる泣き声」と訳せる地名。ここにはかつてヘイアウが併設されていて、生まれた赤子はすぐ儀式のためにそこに運ばれた。フラソングでおなじみの『ライエイカヴァイ』の伝説では、女子を望まないアリイの夫から娘の命を守るため、母は出産した双子(ライエイカヴァイとライエロヘロヘ)を秘密の内に里子に出すのだが、そのときライエロヘロヘはクカニロコのヘイアウに運ばれ親類に育てられることになったと伝えられる。

JUICY ジュージュージューシーチキンにハマりました。

ホノルル物語B級グルメ 一時間近く車を飛ばして通うだいすけオススメのチキン

だいすけ:今回のB級グルメは、ワヒアワ方面に行くなら絶対ここ!編集長にも絶対に食べてほしい、と思っていたお店です。ぼくがフラダンサー・ツアーをするとき、ほぼ必ずお連れするのですが皆さんに喜んでいただけます。お店の名前は『マウイ・マイクス』。メニューは火鉢スタイルで焼いたローストチキン。いわゆるフリフリ・チキンです。

平井:はい、見た目はただのチキンですけど、これが・・・ハンバーグ! なんてことはあるわけもなく、このジューシーさはハンバーグに負けてません!

だいすけ:ですよね!もうぼくは初めて食べた時感動しました。ジューシーでやわらかくてとろけるようなチキンに完全にハマり、週に一度はこれを食べるためだけにフリーウェイを飛ばしてワヒアワまで行ってしまいます。オススメはメニューの1番。クオーター・チキン&ポテト、ソースは何種類かあるけど迷わずハニー・マスタード、Mサイズのドリンク付きで$6.79(+tax)、これで決まり!

平井:冷凍していない新鮮なチキンを使っているみたいですし、ともかく「チリチリ」と皮がこんがり焼けた音がする状態で出てくるのはたまりませ〜ん。個人的には★3つ差し上げます。

Maui Mike's Fire-Roasted Chicken . マウイ・マイクス・ファイヤーローステッド・チキン . 住所:96 S. Kamehameha Highway, Wahiawa . 営業時間:10:30am - 8:30pm

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