12月号
OZmagazine
宮島
神の島で大いなる自然と人々の祈りに出会う
日本三景のひとつとして知られる安芸の宮島。そこは古くから神の住む島と言われる場所。島の人々によって受け継がれてきた豊かなパワーを感じに出かけよう

海と島と大鳥居。言葉を失うほどの美景は目を閉じても消えないほどに焼き付く

Miyajima 宮島
東京からのアクセス
JR東京駅よりJR広島駅まで新幹線で約4時間、山陽本線に乗り換え
JR宮島口駅まで約25分、フェリーに乗り換え宮島桟橋まで約10分
豊かな自然のパワーと人々の信じる心を感じる島
海を挟んだ向こうに小さく小さく見えていた朱色の大鳥居が、少しずつ大きくなっていく。
ここは広島県廿日市市、瀬戸内海に浮かぶ宮島。
見えているのは、世界文化遺産としても広く知られている厳島神社の大鳥居。
宮島口駅からフェリーでおよそ10分、海の上に鳥居が立つ姿はとても幻想的で、これまでに見たどの景色とも似てない。
つい言葉を忘れて見入ってしまうほど、海の上に悠然と立つ大鳥居から放たれるパワーはすごい!
この島は古くから”神の住む島”と言われていたそう。
かつては人が住むことも許されなかった神聖な場所に、厳島神社の基礎がたったのは1400年以上昔の話。きっと昔の人々も、こんな気持ちで島を眺め、そして鳥居を見つめたのだろう。
宮島がパワースポットとして知られているのは、恵まれた自然と、それを守り続ける人々の想いが受け継がれているから。
目を閉じるほどに体に入ってくるパワーの源を、島をじっくりと旅しながら感じてみたい
世界にふたつとない海の上の大鳥居を見つめて
自然の恵みと完璧なまでに調和する厳島神社。その姿からは、これまでに受け止めて きた人々の祈りが透けて見える


厳島神社神主・須磨さん「信仰心の持ち方しだいでさまざまなご利益があるはずです」
海外にも広く知られる唯一無二のパワースポット
宮島のシンボルであり、日本の代表的建築でもある厳島神社は、1996年に
世界文化遺産として登録された。その特徴はなんといっても寝殿造りを取り入れた
美しい社殿と、海の中に立つ荘厳な大鳥居。自然に見事に調和した姿は、海側
から見ても、社殿側から見ても、時間を忘れてしまうほどの神神しさに満ちている。
厳島神社女もとになる社が立てられたのは593年と言われ、現在の形と大鳥居は
1168年に、平清盛の手で作られたもの。
何度も損壊と修復を繰り返しながらも、今日までここにあり続ける姿には、やはり
重みとパワーがある。
厳島神社最大の見どころは、潮の干潮によってその姿を大きく変える点。
潮が最も干いたときには、大鳥居の真下まで歩いて行くことができる。
実際に鳥居まで歩いてみると、改めてその大きさに圧倒される。
主柱の円周はなんと約10m。さらに高さ16m、長さ24mにも及び、
遠くから眺めているのとはまったく違う印象に。大きさもさることながら、
天然の木1本から各柱を造っているということにも驚かされる。
「現代の鳥居は8代目になります。主柱にできる大きさで、まっすぐで枝も
少ない木を探すだけでも大変な苦労です。」(厳島神社・須磨さん/以下同)
という話からも、そのスケールがよくわかる。しかもこの鳥居はなんの支えも
なく自重だけで立っているそう。その力強さは驚きを通り越して、奇跡とさえ思えて
くるほど。
一方で、潮が満ちているときには、木殿のすぐ下にまで海面が上がる。
これはかつて島への上陸が神聖な島を汚す行為にあたるとされていた時代に、
船で参拝することを前提に作られているから。つまり、昔は船に乗って大鳥居
をくぐり、船から直接社殿へと降り立ったのだとか。800年以上の昔にこれだけ
立派なものを造っただけでも相当なことなのに、そんな計算までされていたこと
を想像すると、当時の人々の信仰心の強さを感じずには
いられない。そこにどれだけの祈りが込められていただろう。
そして、今日までの間にどれだけの人が大鳥居を見上げて祈りを
捧げただろう。
「宮島は古くから神様の住む島と言われ、神聖な土地とされていました。
なぜそう信じられていたのか、確かなところは私たちにもわかりません。
しかし、瀬戸内海の温暖な島であり、弥山(みせん)を中心として動植物も豊かな
自然が、人々に畏敬の念を起こさせたのではないでしょうか。この地方の豪族によって、この神聖な島を守る最初の仕事の社が建立されてからも、しばらくは島内に建物を建てることも、人が住むことも許されておりませんでした。そのくらいこの島は神格化されていたのです」
早朝には、島の人々が神社に向かって手を合わせる。朝起きて自宅から神社の方角に手を合わせる人もいた。東京にはないそんな習慣を見るだけでも、心が洗われる。朝の静かな空気。昼間のにぎわい。夕暮れの光。その日の海の状態や、訪れた時間帯で全く違う表情を見せることが、長い間人々を魅了する理由かもしれない。神と崇められるほどの自然の恵みを最大限に受け取り、それを大きく変えることなく維持してきた宮島。神と等しい島を汚さないためにも、必要以上の開拓や自然を壊す事はせず、与えられたものをありがたく受け取ってきた。島の周辺で生まれた動植物を大切に育て、人の手を極力加えない文化には、都会と違って余計なものが全然ない。だから、その大いなる自然のパワーが衰えることなく今に、そして未来へと受け継がれている。「将来的には宮島で育った気を遣って、鳥の修復をしたいという島民の希望もあるんです」”神の住む島”と言葉で聞くだけではピンとこないかもしれない。けれど、いちど来れば、きっとわかる。ここにあるのは大いなる”自然”と、それを受け取る”自然体”の暮らし。確かに神が住んでいると信じる人たちが、この島にはいると言うこと。「神様から何を受け取るかは、訪れる人の信仰の持ち方しだいです。よほど悪い願いでない限り、神様はきっとお聞き届けくださる場所だと思います」そんな宮島の素敵なパワーをぜひ、あなたにも。

お祓いなどは本社本殿にて執り行われる。見ているだけでも背筋が少し伸びるような心持ちに

まずは手を清めてから。作法をひとつ守るだけでも、心に安らかが訪れる気がするから不思議

これまでにどれだけのひとの願いを聞き届けてきたのだろう。なんだか時間さえも超えるような感覚

一般的な二礼、二拍手、一礼が正式な参拝の作法。信じる心の尊さを教えられるような気がする
社殿の彩る鮮やかな朱色は、中国から伝わった魔除けの色。廻廊の長さは108間であるとされている。もちろんこの数字は煩悩の数にちなんだもの美しき社殿を歩けば自然と心清められる

厳島神社(いつくしまじんじゃ)
Tel0829-44-2020
広島県廿日市市宮島町1-1
参拝時間/ 6:30〜17:30(時期により変動あり)無休
拝観料/300円
アクセス/ JR宮島口駅よりフェリーで約10分、宮島桟橋より徒歩5分
http://www.miyajima.or.jp/


お祓いなどは本社本殿にて執り行われる。見ているだけでも背筋が少し伸びるような心持ちに島には野生の鹿が!

社殿の柱の感覚は1間(約2.4m)で統一され、そこには8枚の板がはめ込まれる。この8は無限を意味する数字。また本社の拝殿から大鳥居までは108間、社殿の先端である火焼前から大鳥居は88間とされるなど、至るところに仏教的な意味が込められている。


大鳥居の両端には、月と太陽のモチーフがあしらわれる。これは陰陽道に基づいてのもの

明日から見上げるとこの迫力!近くで見ると柱になっている木が切り出されたままに近いことに気付く

干潮時は大鳥居まで歩けるように。時期によっては、鳥居からさらに数十m先まで歩けるそう
