12月号

OZmagazine

日本人の聖なる山、富士山を眺めに。

左右対象の雄大な姿、雲をたたえた山頂・・・「霊験あらたか」という言葉がぴったりなのはやっぱり富士山。古くから霊山として日本人の心のよりどころだった富士山へ、いざ心を解き放つ旅に出よう!

どこから見ても美しい日本一の山に向き合う

「八面玲瓏」(はちめんれいそう)という言葉を知ってる? 八面、つまりどの方向から見ても美しく欠点がないことに由来し、ひいては心中が清らかに澄みきっている状態を指すこの言葉。実はこれ、もともと富士山の美観から生み出されたものだそう。確かにどこから眺めても秀麗な日本一の山を前に、心落ち着く経験をした人もきっと少なくないはず。
 実際、「霊峰」として富士山が多くの日本人を魅了した背景には、長い歴史がある。日本で最も古い物語『竹取物語』には、かぐや姫から不老不死の薬を授けられた帝が天国にいちばん近い山=富士山。その名前にも、昔の人たちの日本一の山への憧れがギュッと詰まっている。
 その後平安末期には山頂に一切経と言うお経が埋蔵され、各地に富士山を信仰する浅間神社が建てられた。この富士山信仰は江戸時代には「富士講」と呼ばれ、庶民の間では富士登山が大ブームに。一時はその過熱ぶりに幕府が禁止令を出したほど。ちなみに富士山は1872年まで女人禁制で、1873年に女性で初登場した「たつ」という女性は、男装でまげを結っていたという。
 文学や美術の世界でも、富士山はいつの時代もまるで映画スターのよう。太宰治は「富士には月見草がよく似合う」と叙情的に書き、葛飾北斎は浮世絵『富嶽三十六景』でダイナミックな富士山を描いた。今も本屋さんに行けば富士山の写真集がズラリ。これほど多くのシャッター切られた山は、世界広しといえどもそう多くはない。古から今まで、霊山として人々の心を癒してきた富士山。新しい年を前に、今、富士山をぐるりと眺めるたびに出てみよう。大自然の中、雲をたたえながら、天に向かってすっくとそびえ立つ姿は神々しく、疲れた心にもきっとパワーを与えてくれる。そしてふと目を閉じれば、心が澄み渡る瞬間、そう、「八面玲瓏」を感じられるはず。

秋から冬に出会える富士の美形スポット

花の都公園(はなのみやここうえん)
季節ごとの花が咲く公園で、花畑の正面から富士山の雄姿が見られる。冬場にかけては野外の花は少なくなるが、フローラルドーム「ふらら」ではランのほか各種の花に出会える。少しロマンティックな富士山を感じたい人に。
Tel 0555-62-5587
山梨県南都留群山中湖村山中1650
営 見学自由(有料区域の清流の里及びフローラルドーム「ふらら」は10月16日~4月15日は9:00~16:30)
アクセス/富士宮急行線富士吉田駅から山中湖行きバスで約20分、花の都公園入口下車徒歩15分
http://www.hananomiyakokouen.jp/

忍野八海(おしのはっかい)
霊峰富士から湧き出る8つの泉があり、いくつもの伝説の語り継がれている名所。古くから富士山目指して旅してきた人の巡礼先として名高い。はんのき林資料館(入場料300円)からは、藁葺きの古民家と富士山が望める。
Tel0555-84-4222
山梨県南都留群忍野村忍草
営 8:30~17:30 無休 アクセス/ 富士急行線富士吉田駅よりバスで約20分、忍野八海入口下車徒歩8分

河口湖(かわぐちこ)
湖に映った富士山、通称「逆さ富士」の美観が堪能できる場所。富士五湖の中で最も観光施設が充実していて、遊覧船に乗って湖クルーズ、キャンプ場でアウトドアなど様々な楽しみ方が出来るのも嬉しい。
Tel0555-72-3168(富士河口湖町船津1700 見学自由
アクセス/ 富士急行線河口湖駅より徒歩5分
http://www.fujisan.ne.jp

富士山の入り口はここ!

富士山を眺める旅をするなら、ぜひ立ち寄りたいのが北口本宮冨士浅間神社だ。実はこの神社、文化庁が指定する「特別名勝富士山指定地域」の始点。つまり行政区分としてここからがれっきとした富士山で、今も多くの登山者たちがこの「入口」から入って無事を祈願し、登山を開始する。  この神社には、樹齢1000年を起こす木が3本もある。富士山が最後に噴火したのは約300年前。しかし神社の境内には不思議と富士山から流れ出た溶岩は1つもないと言う。富士山の至近距離ながら、長い間噴火の被害に遭わなかった不思議な神社ー確かにここには特別な空気がある。

北口本宮冨士浅間神社(きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)
Tel 0555-22-0221
山梨県富士吉田市上吉田5558
参拝自由 アクセス/ 富士急行線富士吉田駅から山中湖行きバスで約5分、浅間神社前下車すぐ

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