2016.7.7

ESSE(エッセ)

撮影/難波雄史 スタイリスト/阿部まゆこ 取材・文/城石眞紀子 デザイン/河村かおり(yd)

傷みにくい工夫がいっぱい

夏の安心!お弁当アイデア

気温や湿度が上がるこの季節、つくってから食べるまでに時間があくお弁当は傷まないか心配! そこで、ご飯やおかずを傷みにくくする工夫がいっぱいのお弁当アイデアを教えてもらいました。基本をしっかりマスターすれば暑い時季でも安心して食べられるお弁当づくりができるようになりますよ!

夏の安心!お弁当アイデア

教えてくれた人 武蔵裕子さん

料理研究家。双子の息子さんのお弁当を9年間つくった経験によるレシピは、おいしく、衛生面でも安心。著書に『傷みにくいお弁当&作りおきおかず』(成美堂出版刊)など

☑ 夏場のお弁当安心ポイント

食材のコツ
● 水分の出にくい食材を使う
● 水分を吸う食材をプラスする

つくり方のコツ
● しっかりと味つけする
● よく火をとおす
● 汁気をとばす

つめ方のコツ
● 汁気をよくきる
● 冷ましてからつめる
● 手で直接つめない

から揚げ弁当

小さく切って火どおりよく/カツオ節で水気を吸収/薄く焼いて中までしっかり加熱/梅干しの殺菌効果で傷みにくい

*ご飯はお皿に広げてしっかり冷ます

ご飯が温かいうちにつめると、蒸気がこもって水滴がつきやすいうえに、ご飯の熱が伝わってほかのおかずも傷みやすくなってしまいます。ご飯はお皿に広げ、しっかり冷ましてから弁当箱につめて。ラップをかけて冷ませば、パサつくこともありません

【ひと口から揚げ】

「鶏肉は小さめにカットし、しっかり揚げて完全加熱を」。下味に抗菌作用のあるショウガ汁を加え、いつもより濃い目の味をつけておくと、安心かつ冷めてもおいしい!

材料(1人分)

鶏モモ肉....................80~100g
A[酒、しょうゆ各大さじ1/2 ショウガの絞り汁少し]
片栗粉.........................大さじ1
揚げ油.........................適量

つくり方

❶鶏肉は小さめのひと口大に切り、ボウルに入れてAを加えよくもみ込む。10分ほどおき、片栗粉を加えてさらによくもみ込む。
❷揚げ油を170℃に熱して①を入れ、3~4分かけてカラリと揚げる。
[234kcal]

鶏肉は小さめに切ると、中まで完全に火がとおりやすい。身の厚いところにはフォークを刺して穴をあけるか、切り込みを入れておく

【ブロッコリーのおかかあえ】

小さめの小房に分ければ、レンジ加熱でも十分に火がとおってスピーディー。「余分な水気はあえ衣に吸わせて仕上げると汁移りせず、うま味や風味もアップして一石二鳥です」

材料(1人分)

ブロッコリー................2~3房(50~60g)
カツオ節.......................大さじ2
しょうゆ.......................小さじ1

つくり方

ブロッコリーは小さめの小房に分け、耐熱ガラスボウルに入れる。ふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で1分加熱し、熱いうちにカツオ節としょうゆを加えてあえる。
[31kcal]

加熱したブロッコリーは、あえ衣にカツオ節を使って余分な水気を吸わせると、傷みにくい

【卵焼き】

中までしっかり火がとおるよう、だし汁は入れずに卵1個でつくり、三つ折りに巻いて薄い卵焼きに。「手で触れずに切るのも、加熱後に菌がつくのを防ぐ大切なポイントです」

材料(1人分)

卵.........................................1個
砂糖.....................................小さじ1/2
サラダ油..............................適量

つくり方

❶ボウルに卵を溶きほぐし、砂糖を加えてよく混ぜる。
❷卵焼き器にサラダ油を薄くひいて中火で熱し、①の半量を流し入れて広げる。表面にしっかり火がとおったら、奥から手前に三つ折りにして向こう側に寄せ、あいたところに残りの卵液を流し入れ、同様にして焼く。
❸②をまな板の上に取り出し、菜箸などで押さえながら、手で触れないようにして食べやすい大きさに切る。
[100kcal]

卵液は2回に分けて薄く流し入れ、表面が完全に乾くまでしっかり火をとおしてから巻く

中華弁当

ザーサイなど塩分の強い漬物なら安心!/汁気がなく常温OKの乾物を味方につけて/強めのとろみで汁けをブロック

【レンチンエビチリ】

ピリッとした辛味が食欲をそそる、電子レンジでつくれる簡単エビチリ。「強めのとろみでソースをしっかりからませれば、ほかのおかずに汁移りする心配もなく、傷みにくくなります」

材料(1人分)

むきエビ.............................70~80g
A[酒大さじ1/2 片栗粉小さじ1/2]
長ネギ(みじん切り).............大さじ1(8g)
ショウガ(みじん切り).......小1かけ(15g)
ゴマ油...........................................大さじ1/2
B[酒大さじ1 トマトケチャップ大さじ2/3 砂糖小さじ1 片栗粉小さじ1/3 顆粒鶏ガラ スープ、豆板醤各小さじ1/4 水大さじ2]

つくり方

❶エビはAをまぶしておく。
❷耐熱ガラスボウルに①の汁気をきって入れ、長ネギとショウガを加えてゴマ油を回しかける。ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で1分加熱する。
❸②に合わせたBを回しかけ、ラップをせずに1分加熱し、一度混ぜてさらに30秒加熱する。
[179kcal]

エビに片栗粉をまぶし、さらに合わせ調味料にも片栗粉を入れれば、強めのとろみがついて汁気が出にくい

【シシトウののり風味】

乾いたまま常温保存できるのりを、味つけに活用するのがアイデア! 「からめるだけで水分カットができ、風味と彩りのアクセントにもなってくれるので、安心のおいしさに」

材料(1人分)

シシトウ..............................3~4本
のり(ちぎる)...................少し
サラダ油、しょうゆ...........各小さじ1

つくり方

❶シシトウはヘタの先を切り、縦に1cmほど切り目を入れる。
❷フライパンにサラダ油を中火で熱し、①を入れてしんなりするまで炒める。のりをからめ、しょうゆで調味する。
[45kcal]

麺弁当

マヨネーズは加熱すれば夏場もOK/加工肉はいちばん最初に火をとおす

【焼きそばナポリタン】

ナポリタンは、パスタでなく中華蒸し麺で焼きそば仕立てにすると、ゆで汁いらずで安心。「ソーセージのような加工食品でも生食は避け、いちばん最初から炒めて、しっかり火をとおすこと」

材料(1人分)

中華蒸し麺...................1袋(170g)
ウインナソーセージ(5mm厚さの斜め薄切り).............................3本
タマネギ(5mm厚さの薄切り)...........1/4個
ピーマン(ヘタと種を除いて横細切り)...............................1/2個
サラダ油....................................大さじ1/2
トマトケチャップ.....................大さじ1
塩、コショウ.............................各少し

つくり方

❶中華麺は袋から出して耐熱皿に入れ、ふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で30秒加熱し、ほぐしておく。
❷フライパンにサラダ油を中火で熱し、ソーセージ、タマネギ、ピーマンの順に炒める。ケチャップを入れてなじませるように炒め、塩、コショウをふり、①を加えてまんべんなく炒め合わせる。
[575kcal]

加工肉のソーセージも完全加熱を。薄めにカットし、いちばん最初に炒め始めると、炒め上がりにはしっかり火がとおる

【ジャガイモの青のりマヨ】

汁けを吸う青のり風味の、クイックポテサラ。「マヨネーズをお弁当に使う場合は、しっかり加熱を。火をとおしたジャガイモと混ぜたあとに、レンジで再加熱して仕上げましょう」

材料(1人分)

ジャガイモ(皮をむいて1cm角に切る)...............中1/2個(60g)
A[マヨネーズ小さじ1 青のり小さじ1/2]

つくり方

ジャガイモは耐熱ガラスボウルに入れ、ふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で2分加熱する。やわらかくなったらAを加えて軽く混ぜ、再びラップをしてさらに20秒加熱する。
[74kcal]

おにぎり弁当

カレー粉のパワーで抗菌力アップ/揚げ調理で火をしっかりとおす/乾物&漬物なら混ぜご飯にできる

【3色おにぎり】

おにぎりに、鮭フレークやシラスなど冷蔵のタンパク質を使うのはNG。「混ぜていいのはゴマやジャコなどの乾物か、塩気の強い漬物のみ。ラップでにぎり、冷ましてからつめて」

✤梅干しとジャコおにぎり

材料とつくり方(1個分)

❶フライパンにサラダ油大さじ1を弱火で熱し、チリメンジャコ10gをカリカリになるまで炒め、油をきる。
❷梅干し中1個は種を除いてちぎる。
❸炊きたてのご飯120gに①と②を加えて混ぜ合わせ、ラップで包むようにしてにぎる。
[251kcal]

✤野沢菜と白ゴマおにぎり

材料とつくり方(1個分)

❶野沢菜漬け20gは細かく刻む。
❷炊きたてのご飯120gに①といりゴマ(白)適量を加えて混ぜ合わせ、ラップで包むようにしてにぎる。
[215kcal]

✤たくあんと黒ゴマおにぎり

材料とつくり方(1個分)

❶たくあん20gは5mm角に切る。
❷炊きたてのご飯120gに①といりゴマ(黒)適量を加えて混ぜ合わせ、ラップで包むようにしてにぎる。
[223kcal]

【カジキのカレーソテー】

「カジキは棒状に切って表面積を増やすと、火のとおりも食べやすさも◎」。スパイシーなカレー味なら、抗菌効果もバッチリです

材料(1人分)

カジキ(5、6等分の棒状に切る).........1切れ
サラダ油..........................................大さじ1/2
A[酒大さじ2/3 カレー粉小さじ1/2 塩少し]

つくり方

❶フライパンにサラダ油を中火で熱し、カジキを入れ、表裏を1~2分ずつ焼く。フタをして弱火にし、1~2分蒸し焼きにして十分に火をとおす。
❷①に合わせたAを加え、味をからめる。
[185kcal]

【フライド長イモ】

「生で食べられる長イモも、必ず加熱調理を」。こんがり色づくまで揚げると中までしっかり火が入り、ホクホクのおいしさに!

材料(1人分)

長イモ(皮をむいて5、6等分の棒状に切る)..........................40g
揚げ油......................適量
塩..............................少し

つくり方

揚げ油を170℃に熱して長イモを入れ、こんがりと色づくまで3分ほど揚げる。油をきって熱いうちに塩をふる。
[37kcal]

サンドイッチ弁当

生野菜は抗菌作用のある酢を加えて別容器に/加熱した具材オンリーで安心/つけ合わせの野菜はグリルで加熱

【ミニトマトとウズラのマリネ】

ミニトマトやフルーツなど生の食材は別添えに。「ヘタを除き、加熱処理ずみのウズラ卵の水煮と合わせてマリネにすれば、より安心です」

材料(1人分)

ミニトマト..................3個
ウズラ卵(水煮)............3個
A[酢大さじ11/2 オリーブオイル大さじ2/3 砂糖小さじ1/3 塩、コショウ各少し]

つくり方

❶ミニトマトはヘタを除いて楊枝でところどころ刺しておく。
❷ボウルにAを混ぜ合わせ、①とウズラ卵を入れて30分ほどなじませる。
[104kcal]

【グリルみそマヨカツサンド】

「サンドイッチの具は加熱したものだけにし、レタスなど生野菜は避けて」。薄切り肉をグリルで焼き、簡単&美味な揚げないカツに

材料(1人分)

食パン(6枚切り)........................2枚
豚ロースショウガ焼き用肉............2枚
A[マヨネーズ大さじ2 みそ小さじ1]
パン粉...........................................1/4カップ
B[中濃ソース大さじ2 粒マスタード小さじ1/2]

つくり方

❶豚肉は合わせたAを両面に塗って、パン粉をつける。グリルに並べ、強火で表裏を3分ずつ焼く(両面焼きグリルの場合は約4分焼く)。
❷食パンは片面に合わせたBを等分に塗り、1枚の上に①をのせ、もう1枚をかぶせる。ラップに包んで軽く押さえ、少し落ち着かせてからラップごと切り分ける。
[747kcal]

衣のつなぎには、溶き卵の代わりにマヨネーズを使用。みそも加え混ぜると傷みにくさがアップする

【アスパラガスのグリル】

「アスパラは、水気が出にくいお弁当向きの素材です」。サンドイッチ用のカツと一緒にグリルで焼くと、同時に調理できて時短にも!

材料(1人分)

グリーンアスパラ(根元のかたい皮をむく).......................................2本
サラダ油...............................少し
塩...........................................少し

つくり方

❶グリーンアスパラはサラダ油をまぶしてグリルに並べ、強火で表裏を2~3分ずつ焼く(両面焼きグリルの場合は3~4分焼く)。
❷①をまな板の上に取り出して熱いうちに塩をふり、菜箸などで押さえながら、手で触れないようにして食べやすい大きさに切る。
[16kcal]

▼いつものおかずもひと工夫! 傷みにくいワンポイントテク

■ 煮物の汁はしっかりカット

お弁当の傷みの最大の原因は、余分な水分。煮物はザルに上げてしっかり煮汁をきって。さらにカツオ節を少し敷いたおかずカップにつめると、残った煮汁を吸収しつつ、おいしさもアップするのでおすすめです

■ つくりおきおかずは再加熱

つくりおきおかずは、当日の朝に鍋で煮返すか電子レンジにかけるなどして、できたてのアツアツになるくらいまで再加熱を。皿に薄く広げるなどし、十分に冷ましてからつめることも忘れずに

■ おにぎりやサンドイッチはラップで包む

どんなに洗っても、手には細菌が残っています。おにぎりは炊きたてのご飯をラップで包んでにぎりましょう。サンドイッチもラップに包んだ上から切り分けて。ラップを外してつめるときも、手で直接触れないように

■ 手で絞るおひたしは避ける

生野菜には表面に土中の細菌がついていることがあるので、暑い時期は加熱調理するのが基本。おひたし類のように、ゆでたあとに手で水気を絞るものは、手の雑菌が再び付着して傷みやすくなるので、夏場は避けて

■ つめるときには清潔な箸を使って

せっかく加熱殺菌しても、手で触ると新しい菌がついてしまうので、弁当箱には、清潔な菜箸でつめるのが鉄則。また、同じ菜箸で次のおかずを入れるときは、一度ペーパータオルでふいてから使うと、さらに衛生的です

特集一覧へ戻る