《"平成の名酒場"を愛する酒の賢人たち》20年後の名酒場を探せ!

  • 更新日

食楽(しょくらく)

《”平成の名酒場”を愛する酒の賢人たち》

20年後の名酒場を探せ!

  ◆この記事が掲載されている雑誌は、期間限定で丸ごと1冊読むことができます◆   平成という時代を超え愛され、語り継がれた酒場。 人はそれを「昭和の名酒場」と呼びます。   ならば令和という新時代を迎えた今、いつか「平成の名酒場」と呼ばれる店が どこかでひっそり営まれているのではないのでしょうか。 酒の賢人が選ぶ、「名酒場」と呼ばれる店を紹介します!  
歌京/ 麻布十番
20年後、どんな料理と名曲が供されるか楽しみな平成酒場   放送作家のすずきB氏が紹介するのは麻布十番にある「歌京」。   麻布十番の喧騒から抜けた鳥居坂下の交差点。 「歌京」という看板を見ながら階段を降りた地下のドアを開けると 渡辺美里の「マイレボリューション」が聴こえました。 80年代から90年代の懐かしい歌謡曲とともに、 あの頃にタイムスリップしながら呑める、他には類を見ない平成の名酒場。   ラジカセ、LPレコード、カセットテープなど 昭和のオーディオ好きの部屋に来たようなグッズで溢れています。   カウンターの向こうに大将のようなDJがいて 酔い痴れたくなる名曲と映像という”酒の肴”を絶妙なタイミングで出してくれます。 聞き覚えのあるイントロに「きたー!」という客の反応。 クラブでもカラオケでもない深夜の酒場で、なぜか店が一体となって盛り上がっています。  
煮込みや まる。/ 荻窪
しみじみと落ち着いて酔える、暖簾をくぐれば至福の時間へ   呑む文筆家・唎酒師の山内聖子さんがおすすめするのは荻窪にある「煮込みや まる。」。   山内さんがはじめて「煮込みや まる。」に出会ったのは、開店して間もない6年前。 とある酒場の店主に「気骨がある27歳の女性が開いた日本酒の店」とおすすめされたのが きっかけだと言います。   新しい店なのに、最初からすべてがしみじみと落ち着いていた店内。 古材を利用したというぬくもりのある茶色い内装が落ち着きます。 新鮮なモツを使い、くつくつと煮込んだモツ煮や、こっくりした牛すじ煮のあたたかな匂い。 燗酒でうまい日本酒が飲めるのも、山内さんをホッとさせてくれたそうです。   店主の秋長喜実子さんは話します。 「うちで飲んで一日がまるくおさまる。そんな店にしたいんです」 しみじみできる秘密は、一番に心地よく飲んでほしいという彼女の志があるから。   6年経った今でも、ゆるやかな気持ちでしみじみと飲める店に変わりないそうです。  
  この記事は、ただの居酒屋のレビューではなく、 そのお店の背景や一人一人のストーリーがあたたかさとなって伝わってきます。 そして文を読み進めるだけで香りや空気感、温度なども感じている気持ちになります。   「平成の名酒場」は令和になっても人々に愛されるはずでしょう。 記事はこちらからお読みいただけます。 記事の有効期限: 2020年11月10日 Tuesday]]>