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今年4月、不妊治療への保険適用が拡大されました。
治療数も過去最多となる中、患者、企業はどう向き合えばよいのでしょうか。
週刊東洋経済で取り上げられている記事を紹介します。
保険診療になると難治性の不妊患者さんに
きめ細かな治療ができない
現在14人に1人の子が高度な不妊治療の1つである体外受精によって生まれています。
ニーズの高まりを受け、今年4月に治療への保険適用が始まりました。
患者の費用負担が原則3割で済む一方で制限も設けられ、業界は大きく揺れています。
不妊治療のクリニック最大手の1つ、リプロダクションクリニックのCEO・石川智基医師はこう話します。
「4月以降、患者さんの数は4割ほど減ると予想していた。当院は保険が利かない43歳以上の患者さんが約5割なので、それくらいになると覚悟していた」
4月以降、多くのクリニックが保険診療も並行して実施する方針に舵を切りましたが、
リプロダクションクリニックは「ほかでは授かれなかった患者さんの最後の砦に」と
体外受精に関しては自由診療のみを行なっています。
「保険診療では先駆的な医療を提供できない。当院はこれまで、難治性の不妊患者さんにきめ細かな治療をしてきましたが、保険診療になるとそれが認められない。売り上げは減るが、それより矜持の問題」
保険診療では検査や治療ごとに価格が決められています。
最新の薬や医療機器などを用いるといった、保険診療の範囲を超えた治療を行う場合は自由診療となりますが、
日本では原則、混合診療(保険診療と自由診療を同一の治療で行うこと)が認められていません。
こうした治療内容への影響について、今回の保険適用に当たり政府に提言を繰り返してきた
慶応大学名誉教授で産婦人科医の吉村泰典医師は
「保険診療を望む患者さんには、『この薬を使いたいけれど使えない』『最先端の技術を使いたいけれど使えない』といった問題が生じる」
と話します。
代表的な例が、着床前診断(PGT-A)です。
「染色体の数的な異常があれば、流産する確率が高くなる。患者さんの負担を避けるためにも着床前診断を受けたい、受けさせたいと思っても、保険診療では無理。受けたい場合は(保険が適用される治療も含む)すべての治療を結局、自費にしてもらうしかありません」
不妊治療の患者はこの状況をどう受け止めているのでしょうか。
30代後半の会社員の女性は、3年前から治療を続け、採卵を8回、移植を5回行いました。
「自分が受けている治療が保険適用いなるか、(3月の取材時点では)クリニックから説明はない。ただ、調べた限りでは、保険適用されないであろう薬を使っている。4月以降も費用は変わらないと思っている。保険診療にして治療の幅を狭めたら、結果が出る気がしない」
本誌では、今回の保険適用の制度設定について詳しく解説されています。
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