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ベネチア国際映画祭最高賞など数々の映画賞を重ねてきた巨匠・北野武さんが
Forbes JAPANの『スモール・ジャイアンツ』と接点があったことは知られていません。
20年以上にわたる彼の活動が、実は事業として、アフリカの地で結実していました。
Forbes JAPANの北野武さんのインタビューをピックアップします。
識字率を高め、国の経済を発展させたい
その気持ちからベナンに学校をつくる

アフリカと縁ができたきっかけは、TBS『ここがヘンだよ日本人』(1998~2002年)。
「外国人を100人集めてスタジオで日本人タレントと討論させる番組で視聴率も高かった。外国人が日本の生活での疑問を噴出させて大げんかになるんだけど、旧植民地側と宗主国だった欧米側の言い合いがヒートアップすることもよくあった。
例えば、フランスの植民地だったアフリカの国の出身者がフランスの悪口を言ったりね。アフリカ人のレギュラーが何人かいて、そのなかで面白かったのがペナン出身のゾマホン(・ルフィン、元駐日ベナン大使)。
『なぜそんなに日本ををしゃべれるんだ?』と聞いたら、あいつはエリートなんだ。北京に国費留学して、そこで東京の下町のプレス工場の息子と知り合い、日本に誘われてやってきた。上智大学に通いながら、プレス工場で一生懸命働くんだけど、フラフラになってあいつは指を切断するんだ。ところがあいつは病院に行ったら、『こんなに素晴らしい待遇はない』と喜んでいるわけ。で、『こんなに手厚く看護してもらえるのなら、ほかの指も……』なんて言うから、『お前、タコじゃないよ!』って(笑)。
ゾマホンは工場の社長が亡くなった後も、墓参りに欠かさず行って日本に呼んでもらったことを感謝している。
まあ、大変だなと思っていたら、俺のところに来たいと言う。『お前は何にもできないんだから、たいした給料は出せないぞ』と言ったら、故郷のために国の仕事もしたいので空いた時間で働かせてほしいと。それでずっと俺のところにいるんだよ。ゾマホンが言い続けているのが、国のためには教育が大事だってこと。学校を作って識字率を高めて、国の経済を発展させたいという。それでベナンに学校をつくったんだ」
乗り越えなければならない
旧植民地ならではの経済構造
2000年に『たけし小学校』、2003年に『たけし日本語学校』が開校されました。
しかし、教室に飾られた『人生甘くない』という書が象徴するように、単に支援で済む話ではありません。
乗り越えなければならないのは、旧植民地ならではの経済構造です。
試行錯誤の挑戦が始まりました。
「植民地だった国は独立しても、権利が残してある。例えば、ベナンの主要産業は綿花だけど、欧州に買い取られる。生産、加工、染付やプリントで付加価値をつけて販売するのは欧州。で、高い服になって買うのはアフリカ。加工工場がないから原材料を安く売るしかない。これじゃあ、国の経済は発展しないよね。昔のアメリカ南部の綿花農場で働いた奴隷が、やすい労働力を提供する構造と似てるんだよ。
かといって『発展途上国はかわいそう』とか上から目線で寄付をするのは大間違い。善意が思い通りのかたちになるなんて甘いもんじゃない。善意に酔っていると、『裏切られた!』と怒ることになる。コンテナに洋服を詰め込んでベナンに送ったことがあったけど、港の陸揚げを欧州の業者が独占していて、手数料をがっぽり取られたことがあった。中間搾取の構造があるんだ。
ゾマホンのために、賞金1000万円のクイズ番組に俺が2回出演したことがあって、1回は優勝したんだ。賞金をゾマホンのところに送ったら、途中で手数料だの旅費だの取られて、その挙げ句、盗まれたって。
学校をつくったときは所ジョージが協力してくれて、大型バスを3台送ってくれたんだ。そしたら、政府が使ってるって(笑)。でも、それも当然の話で、学校をつくっても道路がないから」
学校で勉強を教えるといっても、10kmも離れたところから歩かなくちゃいけないので
子どもたちは働いていたほうがいいという発想になります。
「そこでおいらがやったのが給食サービス。『学校に行ったら、ご飯が食える』と言うと、子どもたちが集まるでしょ」
本誌ではインタビューの続きをお読みいただけます。
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