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“巨大産業”と言われるニッポンのアニメビジネス。
しかし市場規模は、いったいどの程度なのでしょうか。
ダイヤモンドZAiでは、エンタメ社会学者の中山淳雄さんにインタビューしています。
日本の人気アニメは中国でも当たる
日本のアニメ産業は巨大だといわれますが、どれほど大きいのか想像もつきません。
実際の市場規模はどのくらいなのでしょうか。
「ご存じのように、日本のアニメは国内だけでなく海外でもすごい人気です。世界全体でどれだけ稼いでいるのかを把握するのは困難ですが、一例として中国における日本のアニメの人気ぶりを紹介しましょう。
日本アニメの代表格といえば、なんと言っても宮崎駿作品ですが、中国で宮崎アニメが正式上映されるようになったのは、実はごく最近のことなんです」
2018年に『となりのトトロ』、2019年に『千と千尋の神隠し』が上映され、どちらも大ヒット。
『トトロ』は約30億円、『千と千尋』に至っては80億円以上の興行収入を稼いでいるそう。
「いまから30年以上前、日本で『トトロ』が初上映されたときは、『火垂るの墓』との2本立てで11.8億円だったのですが、その3倍近い興行収入を上げたわけです。“日本のアニメは中国でも当たる”ということで、その後、『名探偵コナン』や『君の名は。』などが上映され大ヒットを飛ばしています」
10本製作してもヒットするのは1、2本
『トトロ』のような古いコンテンツでも、新しい市場を切り開けることがわかったわけですね。
「それが日本のアニメの底力です。影響力のあるキャラクターや作品を持っていれば、その力で長く稼げることが証明されました。実際、スタジオジブリは、宮崎駿監督が一度引退を表明して13年に制作・公開した『風立ちぬ』以降、あまり映画を作っていませんが、バランスシートを見ると、純資産は11年の145億円から21年には268億円と、2倍近くになっています。
アニメ作品は作れば売れるというものではなく、10本製作してもヒットするのはせいぜい1、2本です。
でも、『トトロ』や『千と千尋』のようにブランド力のある作品を持っていれば、その“再利用”によって残り8~9本の赤字を補填し、資産を増やすことができるわけです」
「アニメ製作委員会」はなぜ生まれたのか?
ところで、よくわからないのはアニメ産業の収益構造。
映像のほかに、音楽やゲームなどさまざまな収益源があると思いますが、どういう構造になっているのでしょうか。
「アニメの放映そのものによる収入は、ほんのわずか。おっしゃるように、大半は音楽やゲーム、キャラクター玩具など、派生するコンテンツを製作・販売する企業から受け取るライセンス収入で稼いでいます。
このライセンス収入の源泉となる権利のことを『IP(Intellectual Property)』(知的財産権)と言います。
IPを握っているのは主に『アニメ製作委員会』という組織です。昔は、テレビ局と広告代理店がアニメ作品を買い取って放映していたのですが、1995年に製作された『エヴァンゲリオン』の成功をきっかけに、玩具メーカーやゲーム会社、音楽会社などが出資してアニメ製作委員会を立ち上げる動きが広がりました。
いまではアニメ製作委員会による共同製作、共同権利保有の仕組みが当たり前になっています」
本誌ではさらに詳しくIPの仕組みの解説や、日本のエンタメを支える漫画などについても語られています。
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