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フードエッセイストとして活躍する平野紗季子さんが、自ら企画したお菓子ブランド『(NO)RAISIN SANDWICH』。
これまでさまざまなフレーバーのサンドを生み出してきましたが、このたび柑橘に挑戦するとのこと。
産地への旅を経て、新製品が完成しました。
婦人画報にて特集されている、平野紗季子さんがお菓子を完成させるために訪れた農園での様子をピックアップします。
農園で数多の柑橘を試して
新作のイメージを膨らませる
レモンともうひとつ、サンドの具になる柑橘は?
平野さんが『PATH』『Equal』のオーナーパティシエ、後藤裕一さんにレシピと監修を依頼し、
『レーズンとそれ以外のサンド菓子[(NO)RAISIN SANDWICH]』の製造販売を始めたのは2年前。
ベリー尽くしの『VERY BERRY CHERRY』を皮切りに、果実やスパイスの可能性を模索してきました。
2023年夏のテーマはレモン。
後藤さんがよく知る『紀州原農園』のものを使うことにしましたが、レモン1種類でよいか迷いがあったため、
農園に伺い、ほかの柑橘を試すことに。
7代続く農園を守る原拓生さんは、甘味、酸味、苦味のバランスを熟考しながら60種類以上の柑橘を育てています。
原さんは日本各地のシェフやパティシエから県の果樹試験場の研究員まで、柑橘に携わる人々から慕われ、
交流がありますが、彼らが来園すると、必ず受ける洗礼が通称『柑橘100本ノック』。
原さんがもいで割った柑橘を試食しながら農園を巡るのです。
ここでは馴染みのあるポンカンやハッサク、温州みかんから、皮が薄くゼリー状の実が人気の品種“せとか”、“清峰”ほか、
レモンやベルガモットなど西洋由来の柑橘、さらに当地紀州の学者・南方熊楠が愛したという安藤みかんまで揃います。
試食しながら「“不知火”はじわじわとした炭酸のような酸味がある」
「安藤みかんはフレーバーウォーターのようにすがすがしい」「黄金柑は山椒っぽい香りがする」と、
一つ一つの柑橘の風味をとらえていく平野さん。
魅力的な多くの柑橘を前に、レモンと何を一緒に使うか迷っていましたが、そこに原さんがアドバイス。
「レモンは酸と香りが強く、西洋の料理や菓子によく使われてきました。それとは異なる、酸味と甘味、苦味のバランスがよく、優しい香りの柑橘、例えば甘夏には、うまくお菓子に生かせる可能性があると思います」
「“スイートサマー”の名前の通り、甘夏は甘やかな香りと味わい。レモンとの違いを出すことができそうですね」と平野さん。
こうしてレモンの“相方”は甘夏になりました。
東京の後藤さんのラボに戻り、サンドの具の開発が始まりました。

本誌ではレモンと甘夏を一緒に後藤さんと平野さんが試作を重ねて完成させています。
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