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ひとりですべてに対処しなければいけないソロ登山で、注意すべきことはどんなことでしょうか?
PEAKSでは、山岳ガイドの広田勇介さんに、『ソロ登山でおさえておきたい心構え』を尋ねました。
ソロだと心理的な負担が増える
ひとりで山を歩くとどんな風に感じるか、想像したことはあるでしょうか。
体力が備わっていることや、計画が立てられることなどの技術面について議論されることは多いですが、
山岳ガイドの広田勇介は、ひとりで山を歩くときの心理的な側面についても指摘します。
「ひとりで歩くと意外とつらいし、さみしいと感じることもあります。山のプレッシャーをひとりで受けるので、ものすごい孤独を感じる。怖さやつらさを感じると正確な判断がしにくくなります。ソロだと心理的な負担が増えるということは覚えておいたほうがいいでしょう」
(1)ソロの魅力は自由であること
ソロ登山のいちばんの魅力は、自由であること。
グループの場合は多数決で行動を決めたり、他の人とペースを合わせたりしなければいけませんが、
ソロならすべて自分が好きなように決められます。
出発したいときに出発し、休みたいときに休んでいい。
テント泊なら、食べるのも寝るのも思うがままに過ごせます。
そのかわり、なにが起こっても自分で解決しなければいけません。
「物事はいい部分と悪い部分が必ずセットになっていて、自由とセットになっているデメリットのひとつが、言い方はいろいろありますが自己責任です。自由だけをもらって責任は他人に、ということはできない。そこを踏まえたうえでソロにチャレンジしてほしいです」
(2)はじめてのソロはメジャーな山へ
ソロで行きたいけれど不安があるという人は、メジャーな山を選ぶのがおすすめ。
「多くの人が登る山は道が整備されているし、ガイドや山行記録などの情報も充実しています。登山地図で波線になっているような場所ではなく、登山道が明瞭なところ。不確定要素が多い山は難易度が高いので避けたほうがいいでしょう」
いざというときは近くにいる人を頼れる安心感もある。
ソロだからといってだれかを頼ってはいけないというルールはありません。
(3)不安なら、登山計画を見てもらう
ソロ登山にもいろいろなパターンがあります。
ひとりで計画して、山を登り、帰ってくることだけがソロ登山ではありません。
「すべてひとりで完結するのではなく、計画段階でだれかに助けてもらうという方法もあります。経験者や先輩に見てもらい、足りないところがあればアドバイスをもらって計画を立てる。そこまではだれかといっしょにやって、実際はひとりで歩き、帰ってきたら報告する。それがソロ登山のいちばんハードルが低い方法です」
本誌では、ソロテント泊初心者の登山計画や、持ち物リスト、食事メニューなども掲載されています。
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