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2022年7月、フィギュアスケーターの羽生結弦さんはプロ転向を表明しました。
自身が追い求める理想のスケートは、競技会にこだわらずとも実現できるという、強い意志と自信を感じた宣言でした。
新たなスタートを切ってから、すでに3つのアイスショーを企画、主演。
フィギュアスケートの可能性を広げ、それぞれ全く新しい魅力を見せてくれています。
プロ・アスリートとなった羽生結弦さんの演技は、これまで以上に雄弁です。
『GIFT』と『notte stellatta』の公演では、夢と希望を届けてくれました。
そんな彼の言葉を婦人画報ではまとめています。
いつも孤独だと感じていた
でも、僕は独りじゃなかった
フィギュア史上初となる東京ドーム単独公演『GIFT』が2023年2月26日に開催されました。
内容は独り語りと演技で彼の半生が描かれ、その世界観が視覚化されています。
ドーム全体が羽生結弦の世界であり、未知の感覚に観客はのみ込まれ熱狂していきました。
第一部の締めは6分間練習を入れた競技形式で『序奏とロンド・カプリチオーソ』を滑りました。
北京五輪での“因縁のサルコウ”を難なく決め、一段と大きな歓声と涙を引き出します。
逃した夢を掴み切ったという強いメッセージがそこにはありました。
「人生のなかで独りというのを幾度と経験してきましたし、感じることはいまだにあります」
でもそれは誰にでもあること。
だからそんな心が帰る場所として、このアイスショー『GIFT』を贈りたかったと。
五輪2連覇、絶対王者という肩書きだけで彼を見ていたら、弱さは感じないかもしれません。
しかし「スケートじゃないとすべての感情を出しきれない」という彼の本心は、その滑りのなかにあります。
全てを背負ってスケートと生きていく
希望を届けるために
2023年3月11日14時46分。
羽生結弦は氷上で涙を流しました。
アイスショー『notte stellata』の2日目、東日本大震災から12年目を迎えたこの日、
出演者がリンクに揃って黙祷を捧げます。
あれから毎年、祈りを込めて人知れず滑ってきた彼。
しかし、この大切な日に人前で演技するのは初めてのことだといいます。
11日の公演後、彼は語りかけました。
「今日ある命は明日もあるとは限りません。だからみんな真剣にいまある命を、いまの時間を幸せに生きてください」
いまだ泣きつかれるほどの悲しみとともにこのショーを準備したのは、
震災を風化させない、被災地に寄り添いたいと願うから。
「言葉じゃなくて自分のスケートの中から何かを感じ取っていただいて、国境を超えて希望や、悲しみや、楽しみ……そういったものを与えられる存在でいられたら。それだけで僕は十分幸せです」
これこそが『羽生結弦』という生き方なのかもしれません。
太陽に憧れた少年は、いま、希望という星の光になることを選んだのです。
本誌では、こちらの特集の全文とパフォーマンス中の写真をご覧いただけます。
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