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人生100年時代、パーパスを基軸に自律的にキャリアを築く時代といわれますが、
その一方でわたしたちは『お金』とどう向き合い、未来につなげていけばよいのでしょうか。
いま、あらためて問う。
あなたは『お金』と『人生』について子どもたちに何を伝えますか？
今回Forbes JAPANでは、『これからのお金とわたし』というテーマで特集しています。
その中から、お笑い芸人、笑い飯・哲夫さんが低料金で通える塾経営についてピックアップします。
お笑いのお金を塾経営へ
理想はお金じゃない循環
漫才師、農家、小説家、花火解説者、仏教マニアと、さまざまな顔を併せもつ笑い飯・哲夫さん。
9年前には大阪市淀川区に学習塾『寺子屋こやや』をオープンして、塾経営者という新たな顔が加わりました。
「自分は株主で、運営は人に任せています。だから投資という感覚。額は、上場している株を買う方とそんなに変わらない」
なぜ漫才師が教育ビジネスに投資するのでしょうか。
話は中学2年生当時にさかのぼります。
哲夫さんは、当時人気だったテレビ番組『巨泉のこんなモノいらない！？』を見て目がくぎ付けになりました。
その回のテーマは地球温暖化。
「地球はこのままでは生き物が住めない星になる」、そうした不安は大人になるほど強くなりました。
かといって活動家になるつもりはありませんでした。
「いつかド天才が現れて、美しい地球に戻す装置を発明してくれへんかな」
漠然とそんなことを考えていたとき、塾講師をしていた大学時代の友人が職を失って相談にきました。
塾をつくれば、友人は仕事を得て、地球温暖化を解決に導く天才も育つかもしれない。
そうして、塾の設立につながりました。
月謝は5500~1万7000円。
大阪市の助成制度を活用すれば最大1万円の補助が出ます。
だれでも通いやすい料金体系にしたのは、全体のレベルを引き上げたかったからです。
「ひとりだけ突出しても賢くてもしゃあないでしょ。とんでもない発明は、みんなが賢くなって、うまく回るチームから生まれてくるものだと思います」
塾経営は子どもたちへの投資ですが、同時に仕事を失った友人への支援でもありました。
実は哲夫さんから金銭的な支援や投資を受けた友人や後輩芸人は少なくありません。
「こいつはいいと思ったら、いらんと言われても無理やり貸す」ほどです。
積極的に人にお金を出すのは、かつて自身が借金で困った経験があったから。
21歳のころ、ギャンブルで負けて、熱くなったことから派生した借金でした。
「すごい額の借金を背負って、お風呂に入っても『毎日20時間バイトしたとして、学校を何日休めば返せるのか』ということばかり考えてました。ちなみにそれからギャンブルはやっていません。賭け事が絡むと性格が変わって、冷静に考えたらわかることがわからなくなってしまう」
困り果てていたとき、快くお金を貸してくれた友人がいて救われた…、
その恩をいま別の人に返しているかたちです。
「借金があると、気になってええネタができません。自分が稼げるようになってからは、借金で首が回らなくなった後輩芸人に『利息はいらんから』と貸しています」
本誌では、芸人の下積み時代の話や笑いという無形サービス、
今までの経験から、塾に投資しようと思ったことを語っています。
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