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個人と個人がつながり、あらゆるものを“シェア”して生きていくという価値観が広がってきています。
これまでの、所有し消費する日々の暮らしや働き方は“シェア”で、どう変わるのでしょうか。
ananでは、シェアライフの第一人者・石山アンジュさんとジャーナリストの堀潤さんが対談しています。
シェアライフとは?
石山:『シェアリングエコノミー(共有型経済)』は、実は世界でも確固たる定義はないんですね。私の解釈ではわかりやすく言うと“分かち合い”。昔、ご近所さんでお醤油の貸し借りをしていたのと同じことを、スマートフォン1台で、インターネットを介して行う。
今はお醤油を必要としている人、持っている人、作りたい人が可視化できる時代です。瞬時に100人と分かち合うことも、海外の人と分かち合うことも可能になりました。
堀:需要と供給がマッチングされるだけでなく、そのお醤油が他の家を回ることで、そこにコミュニケーションが生まれます。消費したり流通するだけでなく、価値が膨らんでいくというのもシェアライフの面白さですよね。
石山:そうですね。モノに限らず、時間や空間、移動手段、得意なことなど、さまざまなものをシェアできるようになりました。
これまでは企業がモノやサービス、情報を生産して、消費者が買うという一方向でした。それが、個人と個人がつながり、あらゆるものを共有して双方向にやりとりできる。それによって、個人がさまざまな形で社会に参画できたり、得意なことを無知の世界の人と共有できるようになるというのは大きな違いですね。
堀:すごく共感します。
僕はNHKというマスメディアにいましたが、10年前に辞めて、『8bitNews』という市民参加型ニュースサイトを立ち上げました。これは誰もが発信者になれるニュースのシェアです。
社会課題にまつわる根深い問題のひとつが、“政治や企業が解決するもの”と当事者意識を持てない人が多いことだと思います。より多くの人が当事者意識を持って、積極的に関わっていくためには、消費者や受信者ではなく、発信者・生産者になることが一番の近道なんじゃないかなと思ったんです。
石山:本当にそうですね。シェアリングエコノミーは、企業や自治体、社会に合わせて個人が動くのではなく、“個人が主体”というのが基本ベースにありますね。
堀:これまではメディアや企業が価値ありと判断したものだけが世の中に流通していました。でも、素人と言われてきた人も、何かしらの専門家なんですよね。100人いれば100通りの価値がある。私が好きなもの、私がいいと思うもの、それらをシェアし合うのはすごく楽しい世界だと思います。
石山:シェアライフは、働き方や生き方も自由に変えていくウェルビーイングな生き方、幸福感を得られる可能性を秘めています。
自分の“好き”を仕事に変えられる

石山:『働いて対価を得る』というと、自分の名刺に書いてある肩書きの範疇でしかできないと、皆さん思っていらっしゃるのではないでしょうか。でも、これまで需要がそれほど多くなく、なかなか仕事につながらなかったニッチな領域も、シェアすることで対価を得ることができるんですね。たとえばマンホール好きな人が案内する“マンホール巡りのツアー”を個人が企画するとか。
堀:いいですね!
石山:教えたい人と教えて欲しい人をマッチングするシェアサービスを使って、包丁研ぎが得意な人がオンラインで教室を始めたらすごく人気になって、やがて書籍化につながっていくとか。可能性が広がっていきます。
堀:「えっ!これがお金になるんですか?」と、これまで無価値に思われていたようなことも、別の誰かにとっては必要な知恵や経験だったりします。
石山:働き方の概念も変わりますよね。どこかに帰属していなくても、肩書きや学歴、専門の資格を持っていなくても、『犬が大好きで、犬の散歩ならできます』『留学経験を活かして、アラビア語を教えあれます』など、個人と個人の間で、小さな需要と供給を結びつけることができます。
身近なことでシェアできることはいろいろあると思います。
堀:シェアリングサービスという意識はないかもしれませんが、メリカリで自分の持ち物を出品するのも立派なシェアですよね。
石山:そうですね。他にも、自宅の空いている部屋を民泊で貸し出して、いくらかお金を得ることも可能です。
これまでの“働く”という感覚とは少し違うかもしれませんが、シェアリングサービスを使って、少しずついろいろなところから収入を得るということができるようになりました。
本誌では対談の続きをお読みいただけます。
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