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土地の産物を活用し、風土に合わせた調理法で作り、伝えられてきた郷土料理。
日本は南北に長く、森、山、川、海などの自然に恵まれ、
地域によって気候が大きく異なるため、全国各地にさまざまな郷土料理が存在しています。
例えば、北海道の冬の定番料理『三平汁』や、夏にさっぱりいただく宮崎の『冷や汁』、
雪国ならではの保存食文化から生まれた秋田の『ハタハタ寿司』など枚挙にいとまがありません。
日本を代表する郷土料理『寿司』は1200年以上の歴史を持ち、
最古の形は酢は使わず、魚を塩と米飯で発酵させたもので、発酵した魚のみを食しました。
これらは『なれずし』と呼ばれ、奈良時代の高貴な人々の食べ物として定着しました。
各地にさまざまな魚を使ったなれずしが存在し、滋賀県の『鮒寿司』は代表的な一例です。
男の隠れ家では、郷土の魚料理を特集。
全国各地の美味しく長く愛されている郷土料理をピックアップします。
滋賀県『鮒寿司』
琵琶湖で獲れる子持ちのフナを塩漬けにし、
飯と交互に重ね、数ヶ月から約2年間漬け込み、発酵させて作ります。
一般的にはフナのみを食べますが、滋賀ではペースト状の飯ごと食べる人も。
北海道『いかめし』
イカの胴体に、もち米やうるち米を詰め込んで炊き上げた『いかめし』は駅弁でもおなじみ。
スーパーや通販でレトルトパックになったものを販売しており、1年を通して手軽に入手できます。
栃木県『鮎めし』
素焼きにしたアユと米を一緒に炊く鮎めしはアユ漁が盛んな那珂川や鬼怒川周辺に伝わる郷土料理。
清流に育つアユは貴重な食材だったため、以前は祭りの日や農休日など特別な日に作られていました。
青森県『いちご煮』
ウニとアワビを使った潮汁(魚介で出汁を取った塩味の汁)。
八戸市周辺の漁師料理で、薄い乳白色の汁の中に浮かぶウニが
朝もやの中に霞む野イチゴのようにみえることからこの名が付いたといいます。
千葉県『なめろう』と『さんが焼き』
・なめろう
魚のたたきの一種で、主にアジに味噌、ねぎ、生姜のみじん切りなどを混ぜ、
粘りが出るまでたたきます。
『皿をなめるほど旨い』ことから『なめろう』と名づけられたといわれます。
・さんが焼き
漁師は山へ行くとき『なめろう』をアワビの殻に入れて持って行き、山小屋で蒸す、焼くなどして食べました。
『○○の家』を『○○が』という方言があり『山の家で食べた』という意味の料理。
本誌では他にも全国各地の郷土料理が紹介されています。
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