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加速度的な進化を見せる一方で、権利侵害や嘘をまん延させるなどの課題も浮かぶ生成AI。
AIとの向き合い方が問われる時代に、NTTは『京都哲学研究所』を設立しました。
NTT会長の澤田純氏は、「相反する物事の両立を図る哲学が、今こそ求められている」と訴えます。
日経ビジネス電子版では編集長がNTT会長の澤田純氏にインタビューをしています。
生成AIはITに詳しくない人でも
使いやすいインターフェースを備えている
ChatGPTが2022年11月に世に出て、1年。
社会はどう変化したでしょうか。
「人工知能(AI)が身近になりました。生成AIを使ってみると、『俺より賢いな』と感じます(笑)。従来のAIは使うのに色々な準備が必要でしたが、生成AIは、IT(情報技術)に詳しくない人でも使いやすいインターフェース(接点)を備えています。
多くの人が触れることで、脅威論であれ、便利論であれ、とても盛り上がりました。技術的というより、心理的なブレークスルー(突破口)になったと思います」
言論空間が変質する
生成AIは便利ですが、著作権や肖像権の侵害、情報漏洩、
ハルシネーション(幻覚、もっともらしい誤った答え)というリスクもあります。
「最も大きなリスクと感じているのは言論空間の変質です。社会として何が正しいことで、何が間違っていることなのかという基準を崩してしまう可能性があります。
(16年の北大統領選で世論を操作したとされる英調査会社)ケンブリッジ・アナリティカのように人を誘導することは大いにあり得ます。さらに巧妙になれば、AIがAIをつくり影響力を高める場面も出てくるでしょう。
SNSなどを通じた個人の発信が、生成AIによって高度になると、実際はそこまで力がないはずの個人が強い影響力を持つ擬似空間が出てきます。『権力対弱者』という従来型のパラダイム(物事の捉え方)では追い切れなくなり、『守るべき弱者』が増える。きちんとした言論空間を形成しなければ、間違った情報や極端な議論があふれ、分断が深刻化しかねない」
ちまたにAIの力を借りた『専門家』があふれ、分断と孤立の世界が訪れると。
「SNSや通信サービスが分断を助長しているという認識を事業者側は持つべきなのですが、(グーグルやアップルなど)米IT大手をはじめとして事業者は、そこまで思いが至っていない。
これから、すごく難しい時代になると思います。社会の方向感や政策論といった公共性に関わるテーマが重要性を増す中で、哲学が求められると考えています」
本誌では、澤田純氏のインタビューの続きをお読みいただけます。
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