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恋愛において、あらゆる想いの形、温度感、方向性がある中で、
ある種自分の出発点でもある“想う”という行為=恋しい気持ちは、
実際なぜ、どのように生まれてくるのでしょう。
ananでは、不思議に満ちた、しかし魅力的なその気持ちに
いかにして人々が向き合ってきたのかを、表現の形や時代を超えて、考えています。
現代の作り手たちが考える
想いと恋の正体と不思議

『想う』とはどういうことか
誰かを想うという行為とは何か、恋愛という関係性とは一体どういうものなのか。
3人それぞれの捉え方や、想うことで生まれるものについて作り手が話します。
この人のここがいい、と想うことの集合が“好き”になっていく
ヒグチアイ/シンガーソングライター
『想う』は、自分の中で想うこと。
それを外に出して伝える時に「想う」になるのかなという気がしています。
以前、“誰かを思い出すことは誰かを想うこと”をテーマにした曲を作ったことがあるのですが、
誰かが私を思い出す時は私を想ってくれている、自分が誰かを思い出す時は相手のことを想っている、
そういう矢印の出方をしているのかなと思うんです。
そして、そんなふうに相手を想うこと、“こういうところが良い、悪い”ではなく
“この人にはこういうところがある”と想うことの集まりが、“好き”になっているのだと思います。
だから、私は相手のことが好きな理由は必ず言葉にでるし、むしろ、言葉にしないと気がすまない。
相手に対する自分の感情も言語化します。
「お腹がすいているから、あなたに対してイライラしている。今すぐごはんが食べたい」
みたいなことも全部伝えるし、相手にも全部言ってほしい。
相手の想いが何も見えてこないことが、私にとっては嫌な状態だから、
全部並べて見せてほしいと思うんです。
でも、そんなふうにすべてを伝えたいと思うのは、恋愛の関係でだけです。
素敵だとか、いいなと想う友人や知り合いたちはたくさんいるけれど、
彼らは、私以上に近くにいる誰かと想いのすべてを話し合うだろうなと思うから。
“この人に想いを伝えられる人は私しかいない、この人に一番何かしてあげられるのは私だ”
と感じた人にだけ、伝えます。
自分の行動に素朴に
“なんでだろう”と一番思う関係が恋愛
布施琳太郎/アーティスト
『思う』は自分の中で解決するもの。
でも、誰かとの関係がないと解決しない部分が、『想う』にはあるのではないでしょうか。
恋愛は、異なる人間である二人が、お互いの違いを乗り越えながら、親密になっていく。
大人になるにつれて、結婚がしたい、セックスがしたいと目的先行でないと恋愛ができなくなっていきますが、
むしろ、自分が知らなかった新しい目的地みたいなものを、
二人でひとつでも見つけることができたとしたら、それは素晴らしい関係だと思うんです。
友達であれば、どうでもよくなるような、振り回されている時に限ってラブが大きくなることも。
“質問に対して答えが返ってくる”みたいな素朴なやりとりの繰り返しではないところが、恋愛のすごさです。
そうした気持ちの揺らぎみたいなものは他で味わえないし、恋愛の話をしている時に、
一人のことしか頭に浮かばない没入感というのも、すごく不思議です。
恋愛をすると、する前の自分とはちょっと違う人になりますよね。
好きな食べ物が増えるとか、そういうレベルかもしれないですけど。
“どういうことを言えば相手が喜ぶのか”
“どうすればこの人の悩みがほどけるのだろう”などと一人の人を想い、
向き合う時間が、一番自分を変えてくれると思います。
また、“なんであんなことを言ったんだろう”のように、
自分の行動に対して“なんだろう”と思い返す回数が一番多い関係も恋愛だと思います。

本誌では恋愛について哲学対話をしたり、他にもさまざまな視点から恋愛を考え、まとめられています。
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