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SNSをはじめ、私たちを取り巻く社会は、膨大な『言葉』で溢れかえっています。
でもその多くは、効率の良さや即時性を優先し、
形骸化した『痩せた言葉』のように感じられ、疲れてしまうことも少なくありません。
心をざわつかせるニュースの言葉に、これからの生き方について思い悩んだり、繰り返される日常の中に
新鮮な輝きを見つけられなくなってしまうこともあるでしょう。
そんなとき、自分を前向きに奮い立たせてくれるような言葉を、
ひとつふたつ胸に抱いていられたらと思いませんか。
今号の&Premiumでは、エッセイや日記、詩や短歌の言葉などから、思索に満ちた『豊かな言葉』を紹介しています。
人の心に響く美しい仕事を残した作家やエッセイスト、詩人、歌人、芸術家、学者、デザイナー、建築家や料理家たち……。
彼らが綴った力強い言葉には、生活の楽しみ、ささやかな日常に宿る美意識、
未知の世界に飛び込む喜びや、苦悩を乗り越える術といった、Better Lifeに必要なことが詰まっています。
心をふるわす言葉に触れることで、明日に向かって進んでいくヒントを見つけられるかもしれません。
明日を生きるための言葉

光は粒子でも波でもなく、光は光そのもの
写真家・川内倫子
その時々の自分のコンディションによって感じ方が変わる。
いろいろな人の考えを照射する。
そんな包容力のある、詩的で美しい表現です。
さまざまなことを考えさせられる、禅問答のような味わい深さがあります。
そもそも私たちが生きているということ自体に、きっと答えはありません。
でも、だからこそ答えのようなものに少しでも近づきたくて、私は写真を撮り続けています。
写真家としてのみならず、人間として生きることの拠り所になる、
私たちが生きて連動している秘密に迫る、スケールの大きな一節だと思います。
人間としての生き方の哲学に満ちている佐治晴夫先生の著書を読むと、いつも気持ちが落ち着きます。

フィンランドは理想郷でもないし、とんでもなくひどいところでもない。
単に違うだけだ。
プランニングディレクター・西村佳哲
林沙羅さんは社会学者らしく、一般的にイメージの良いフィンランドを、
そうしたフィルターにかけることなく冷静に見つめています。
とかく人を変えようとする目論見に溢れているこの世の中で、他人を力ずくである方向に連れて行こうとはせずに、
私はただこうして生きているよ、と言っている。
そのことに安堵します。
人は往々にして、特に不安なときには自分の外に拠り所を求めがち。
でも本来、何に価値を置くかは当人にしかわからないはずです。
人生は他人のものではなく、本人のもの。
健やかな場所から発せられるフラットで強い言葉は、そんなことを改めて教えてくれる。
生きる力と直結している言葉です。

すべての山に登れ
エッセイスト・森下典子
小学生や中学生時代に観た映画『サウンド・オブ・ミュージック』。
当時は『エーデルワイス』などの挿入歌が好きでしたが、50歳になった頃に聞き返し、胸に残ったのがこの曲。
シスターを目指していたにもかかわらず、トラップ大佐へ恋心を抱き罪悪感を覚える主人公のマリア。
そんな彼女に対し、修道院長が「ここは逃げ帰る場所ではない」という言葉とともに捧げた歌です。
高き山にも低き山にも登りなさい、小道も曲がりくねった脇道も巡りなさいという内容。
「思うままに行きなさい」「生きることに果敢であれ」という強いメッセージが込められています。
どんな日も、背筋を伸ばしていこう!と思わせてくれる曲です。
本誌では、全部で23名の方たちによる『明日を生きる言葉』が紹介されています。
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