「こんなTシャツ、欲しかった」吉本ばななが紹介する『変なTシャツ』たち

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年齢も性別も国籍も問わず、世界中のあらゆる人々が着ているファッションアイテム、それがTシャツです。

美術館のスーベニアTシャツ、インナーの3枚パック、偶然出会うヴィンテージのバンドT。

クローゼットの中で積み重なる一枚一枚を見てみると、
そこにはこれまで歩んできた人生の記憶が染み込んでいることにも気づかされます。

 

Tシャツは普段着であり、人生の一部でもある。

 

今回BRUTUSでは、さまざまな方々にお気に入りのTシャツを紹介してもらっています。

まだまだ終わらない夏に楽しいTシャツに出会えそうです。

 

今回は、吉本ばななさんお気に入りのTシャツをピックアップします。

 

とにかく動物が好き

 

 

変なTシャツを笑顔でよく着ている吉本ばななさん。

こと、動物モチーフにめっぽう弱いという自身が所有している
らくだ、あざらし、猫、虎へびの宝物4枚の話を特別に書き下ろし。

 

らくだ

 

 

まあ基本的には動物が好き、ということにつきるのだと思う。

動物のモチーフに弱い。

しかもただかわいいのじゃないのが好きです。

『初恋の悪魔』という大好きだったドラマの中で松岡茉優さんが演じていた星砂さんが、
毎回スカジャンの下にむちゃくちゃ変なTシャツを着ているのが気になって仕方なかった。

それからますます変なTシャツが好きになった。

 

これは札幌(ka/fuka)と世田谷(fridge)にある同じ系列のイケてるセレクトショップに売っていたTシャツで、
後ろがらくだの尻なのがすばらしい。

 

この店にはかっこいい服も売っているのだが、変わった調味料もあるし、アウトドアグッズもあってとても楽しい。

その中に必ず変なTシャツが売っているので、たまに行ってチェックする。

トマトやカボチャ、柴犬の尻や頭をかいてる猫などの謎すぎるTシャツもここで買った。

カボチャのロンTなんて、ヒップホップのTシャツみたに袖にもカボチャがいっぱい描いてあった。

しかもよく覚えていないけれど、植物から作った染料で染めているとか、
そういうこだわりも秘められていたように思う。

変なものが大好きな私には刺さりすぎた。

 

あざらし

 

 

しかし、変なTシャツの横綱は天久聖一さんの『来夢来人』だと思う。

変なTシャツがほしいと思ったらこの人のネットショップを覗く。

予想を遥かに超えた、ななめ上を行く変すぎるTシャツがあるから確実に幸せになれる。

 

これを書くために今もちょっとのぞいてみたら、
リアルなイヌとサルとキジが描いてある『桃T』が売っていてつい買ってしまった。

 

先日もおまけに『租庸調』ステッカーがついてきたけれど、
どこに貼ればいいかわからないので私よりは歴史に詳しそうなスタッフにあげた。

きっと彼女もどこに貼っていいかわからないと思う。

 

ここで買った変なTシャツたちは私の宝物ばかりだが、
中でもそうとうにレベルが高い『起こさないでください』Tシャツを着て寝ると、
朝ほんとうに家族が誰も起こしてくれないという効果がある。

 

このあざらしTは、見た人が心からリラックスするのがわかるので、着ている人以外の人が恩恵を受けやすい。

着ると世界をちょっとだけ平和にしている気がする。

 

見つけたときにすぐさま購入したら、
「ばななさん絶対買うと思った、買わなかったら贈ろうかとさえ思ってた」と天久さんに言われ、
わかってもらえていて嬉しかった。

 


 

本誌では、他のTシャツについても吉本ばななさんのコメントが記載されていたり、
他にもさまざまな方達が紹介するTシャツが特集されています。

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