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女性の不調改善は漢方の得意分野。
女性ホルモンのバランスの揺らぎによって、体調コントロールが難しい更年期世代の女性を下支えします。
今号の婦人画報では、閉経前後の女性に多い、疲れ、倦怠感をテーマに、漢方薬と養生法で解決する方法を証クリニック総院長の伊藤隆先生に解説していただきます。
疲労、倦怠感を東洋医学で分析!
更年期世代に多いのは“気虚”です
「東洋医学では、疲れや倦怠感が長く続くときは、全身の“気”が不足している気虚の状態にあると考えます。更年期以降で慢性疲労が続く場合も、最も多いのはこの気虚の状態です」と伊藤隆先生。
東洋医学は、“気・血・水”という概念で心身の状態を考えますが、なかでも“気”は重要な概念といわれています。
気は、元気、気合、根気というように生命の源を表し、気持ち、気分というように心の状態も含みます。
気には、血や水を巡らせ、病気の原因となる外敵の侵入を防ぐ、体温の維持や調節を行うなどの作用があると考えます。
「気虚の状態は、胃腸の消化吸収機能の低下によって活動のエネルギーが作れなくなり、疲労や倦怠感が起こります。また、更年期世代の女性は“血”の不足による血虚によって起こる疲れもあります」。
“血”は西洋医学の血液などのことで、体を滞りなく巡り栄養を与える役割があると考えます。
「さらに閉経前後で腰痛や尿漏れを伴う疲れの場合は、加齢により“腎”の働きが低下する“腎虚”が原因のことも」
腎は西洋医学の腎臓機能のほか、体を温め、水分代謝や生殖機能にも関わります。肌ツヤがない、白髪、目のかすみ、頻尿、耳鳴りなどは腎虚と考えます。
腎虚で水分代謝が低下すると、老廃物を溜め込み、脂肪が体内に滞るようになります。更年期以降に太りやすくなるのは、腎の力の低下です。
不摂生によっても腎は弱まるため、無理をすると腎虚が進み、見た目が老けて見えたり、更年期症状が強く出たりします。
更年期の疲労を、東洋医学では漢方薬と養生法で整えます
「更年期世代の慢性疲労で気を付けたいのは、単なる不調ではなく、うつ病、甲状腺の病気や糖尿病、高血圧などの生活習慣病などが隠れていないかという点です。
長引く場合は、セルフケアで解決しようとする前に、まずは病院で診察や検査を受けることも大切です」
更年期女性の疲れで最も多いという気虚は、東洋医学ではどのように治療するのでしょうか?
「胃腸の力の不足によって消化吸収機能が低下しているため、胃腸を労わりつつ、気を補う漢方薬を処方します。ファーストチョイスとしてよく処方されるのは『補中益気湯』です。
また、体力が低下しているときは、滋養強壮効果が高く、冷えや貧血、食欲不振も改善してくれる『十全大補湯』を処方します。
胃腸の働きが低下しているため食養生では体を温め、消化のよい食事をお勧めします。食材では消化酵素を含み、胃に優しい山芋、長芋、なつめなどもいいでしょう」
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