デザイナー・緒方慎一郎が表現する、食と空間から生まれる新たな日本様式

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受け継がれてきた日本の美意識を、今にふさわしいデザインに翻訳し、未来へ手渡す。

今号のELLE DECOR(エルデコ)では、この四半世紀で日本や海外でインテリアが衆目を集めてきた、緒方慎一郎片山正通新素材研究所に、それぞれの空間哲学を聞いています。

今記事では、緒方慎一郎氏について深堀します。

緒方慎一郎:豊かな四季と移ろう景色が日本の感性を育んだ

 

 

 

長い年月をかけて培われた日本の伝統文化は、確かさと美しさを兼ね備えた唯一無二のもの。
しかし、大切に守りすぎるがあまり時代と逆行し、孤立してはいないだろうか

「日本の伝統工芸は守りすぎるが故に後世へ伝わらず途絶えていっているという現状がある。日本文化を守り継承するためには、伝統を再解釈し、時代に合わせた暮らしの様式を創造していくことが必要だと考えています」

シンプリシティの緒方慎一郎はキャリアの初期から、デザインを通じて日本文化を現代にふさわしいかたちで革新し、様式を創造すること自身の役割と信じて活動を続けてきた。

その気付きを与えてくれたのは1990年代初頭に訪れたニューヨークだったと回想する。

 

海外を旅して気付いた日本を表現することの大切さ

 

20代の頃、海外のデザインに憧れていたので、最先端のショップやレストランがどんなものか、自分の目で確かめたくて頻繁に訪れていました。最初こそ感動していましたが、次第に海外のデザインや美術に影響を与えた日本文化の存在に気付き、日本を表現することを生涯の仕事にしたいと思うようになりました」

この思いを胸に準備を始め、1998年に東京・中目黒にオープンしたのが「HIGASHI・YAMA Tokyo」だ。

しかし、デザイナーとして企画・設計するだけでなく、自らオーナーとしてスタートした理由とは。なぜレストランという形態だったのか?

「レストランに必要なのは、食事や飲み物だけではない。器や調理道具、テーブル、椅子、インテリア、サービスまでを総合的に整えなければいけません。

通常は建築、インテリア、グラフィック、スタイリング、料理を各分野の専門家が手掛けますが、私は全てのクリエイションを一貫して行っています。

人間にとって食べることは不可欠なことです。そして食の場には人々が集い、文化が育まれていきます。食を出発点としたのは、文化創造を目指すうえで、最も重要だと考えたためです


 

本誌ではさらに、緒方さんが文化を継承していくのに必要なことについて述べています。

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