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一億総活躍社会実現に向け、労働環境の転換期を迎えています。
働き方改革に、DX化、コロナ禍のリモートワーク…。
仕事の負担は軽くなるはずなのに、なぜ、こんなに会社がツラいのでしょうか。
今回のSPA!では世のサラリーマンのストレスの源がまとめられています。
ツラい社会が会社員をツラくする
“仕事はツラくて当たり前、給料はガマン料”なんて言葉がありますが、
コロナ禍を機に会社員のツラさが増していると感じる人は多くなっています。
2021年に厚生労働省が発表した、労働者の仕事における不安やストレスなどの実態を調査した
『労働安全衛生調査(実態調査)』を見ても、40代57.2%、50代58.3%と
半数以上が仕事に強いストレスを感じていることが明らかに。
こうした社会的な背景を、労働社会学者の常見陽平氏はこう分析します。
「社会の構造の急激な変化に伴い、ビジネスのあり方そのものを常に更新するよう求められる会社は今、渦潮に放り込まれた状態です。
例えば、昨年のダービーブームの火つけ役となったゲームアプリ『ウマ娘』。実はこれは、サイバーエージェントのバンダイ化を意味しています。
つまり、DX・IT化によって、業界の境界線が曖昧になった結果、会社員は未知の業界とも競争を強いられることになった。『ウマ娘』はヒットしたからいいですが、ビジネスモデルの変化の渦中に巻き込まれてツラいと感じている会社員は多いでしょうね」
また、働き改革関連法の副作用を見過ごせないとも。
「従業員の働き方は改善する必要がありますが、仕事のやり方や求める成果を変えずに労働時間だけ削っても、それは労働強化にしか繋がりません。
また、コロナ禍でのリモートワークの普及も同様です。『通常の勤務より長時間労働になった』と半数以上が回答とさまざまな統計で示されているように、マネジメント手法、仕事のやり方を環境に合わせて調整しなければ、その歪みからストレスや健康被害は生じやすくなります」
会社がツラいと感じる新たなストレス源
社会構造的な視点とは別に、当たらなストレス源があると
産業医・精神科医の奥田弘美氏は言います。
「もともと働くことで生じていたしんどさに、コロナ禍でのストレスが上乗せされ、会社がツラいと悩む人は増えています。特に仕事の多忙さから過緊張や成果ストレスで心が疲れ切って、相談に訪れる中年会社員は少なくありません」
40・50代が『仕事の質・量』『仕事の失敗』に強いストレスを感じているのは、
厚生労働省の調査からも明らかです。
また、コロナ禍でリモートワークが導入されて人間関係が希薄となり、
さらに新たなハラスメント“リモハラ”も誕生しています。
「その結果、コミュニケーションの齟齬から、セクハラやパワハラを含めた人間関係問題に頭を抱える40・50代は多く、またリモートワークそれ自体が、新たなストレス源にもなっています。
ほかにも同調圧力や環境の変化によるストレスがありますし、特に3~4月は、昇進・異動、子供の進学など、さまざまなライフイベントが目白押しで、ただでさえストレス過多になりがち。これまで溜まっていたストレスが一気に噴出してメンタルダウンも十分考えられます」
本誌では会社がツラいと感じている中年社員の悲痛な声をパターン別に取り上げ、
その処方箋についても触れています。
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